脳性マヒってなに? 二次障害ってなに?

 

私たちが地域で暮らしていくために

 

さる十二月一日、第一回脳性マヒ二次障害セミナーが『埼玉県上福岡市保健センター』と、『障害者生活支援サービス二人三脚』の共催で開かれました。

二次障害に関する催しを、市行政と共催で行なってくれた、『二人三脚』のみなさんの努力に敬意を表したいと思います。こういう積み重ねこそが医療を変えていく原動力なのでしょう。

当日のプログラムは、講演と体験談の二部構成でした。

まずは、講演から紹介しましょう。講師は、埼玉県総合リハビリテーションセンターの里宇明元医師(リハビリテーション部長)。テーマは「脳性マヒ者の健康管理」で、スライドを使ってわかりやすく講演されていました。多くは紹介出来ませんが、印象深かったのは医療側の問題として

@システムが欠如

A専門家が不足

B研究が不十分

C認識が不足

D治療法が未確立

と指摘されていたことです。この指摘は、二次障害にかぎらず障害のある方の医療問題を解決していくキーワードといえます。

体験談では、二次障害で苦しみながら、地域で生活している熱い思いがひしひしと伝わってくる感動ものでした。

その後十人の方から質問が出され、なかには、集会後先生に身体の状態をみてもらった障害のある方など、会場全体が暖かい雰囲気に包まれていたことも印象に残りました。質問の中に「期待される理学療法士像とは?」というものがあり、里宇医師は、

@知識をきちんと身につける事

A体の危険への予測とリスクへの管理

B患者を生活の中で見ていき、よくつかむこと。

Cリハビリそのものが新しい分野、系統的な研究をおこたるな

というものでした。

この日の催しには六〇名を超える参加があり、二回三回と積み重ねて、地域から障害者医療が前向きに解決していく事を願いながら帰途についた。

 

事務局次長 志村 紀久雄