このコーナーでは、特に障害のある人が日常的に服用することが多い薬に関しての最新情報をお届けします。そのことによって、障害のある人や家族が受け身的に医療を受けるのではなく、主体的に利用することができるようになることを少しでも応援していきたいと考えています。また、読者の皆さんと各医療機関との対話が深まることにも貢献していけたらと思います。どうか皆さん、ご活用ください。
薬の紹介
■分類■
ぜんそく予防・治療剤
■処方目的■
気管支ぜんそく、ぜんそく様気管支炎、慢性気管支炎、肺気腫
■解説■
カフェインに構造式が似ている化合物をキサンチン化合物といいます。本剤はそのうちの一つで、気管支炎のけいれんを弱める作用があるため、せき止めとして使われます。
■使用上の注意■
一般的注意
@服用してはいけない場合
本剤やキサンチン系薬物でおこる重い副作用の前歴/妊婦、授乳婦
A慎重に服用すべき場合
てんかん、甲状腺機能亢進症、急性腎炎、うっ血性心不全、肝障害/小児
■副作用の注意■
◎重大な副作用
@まれにけいれんやせん妄、昏睡などの意識障害が現れることがあります。
Aまれに横紋筋融解症が現れることがあります。
《外国での報告》
吐血、頻呼吸、高血糖症の報告があります。
《類似薬の場合》
類似薬のアミノフィリンでショックが報告されています。
◎服用を中止し処方医に連絡する副作用
アレルギー症状(発疹等)
◎おこることがある副作用
不眠、興奮、不安、頭痛、眠気、めまい、振戦(ふるえ)、心悸亢進、頻脈、顔面紅潮、顔面蒼白/悪心・嘔吐、食欲不振、下痢、腹痛、タンパク尿など/肝障害(黄疸、GOT・GPT値の上昇など)
◎過量の服用でおこる副作用
けいれん、うわごと、昏睡など
■他の薬剤使用時の注意■
@本剤とエリスロマイシン・クラリスロマイシンなどのマクロライド、シメチジン、ニューキノロン抗菌薬との併用で、本剤の血中濃度が高くなることがあります。
Aフェノバルビタール、リファンピシン、ランソプラゾールとの併用で、本剤の血中濃度が低下することがあります。そのほかにも相互作用の多い薬剤です。
■製剤名■
●テオフィリンを含む製剤(五〇r、一〇〇rを除く)テオロング(エーザイ)、エチェンス(陽心堂)、テオフィロン(三恵)、テオドール,G,シロップ(三菱化学−日研)、テオドールドライシロップ(三菱化学−日研)、ユニフィル(大塚)、ユニコン(日医工)、スロービッド(ヘキサル・RPR・P&U)、テオスロー(共和=ゼリア)、フレムフィリン(大正薬品)、テオップ(ベーリンガー=キッセイ)、アーデフィリン(沢井)、セキロイド(日医工)、チルミン(鶴原)
『医者からもらった薬が分かる本
2000年度版』(法研)より作成