ごぶさたです。連絡のみで恐縮ですが、二次障害の頸椎手術を二〇〇〇年一月に横浜南共済病院で受けたのですが、このたび再度入院することになりました。

ミエロ検査の結果で再手術ですが、運がよければ後ろの金具を抜くだけで良いかもしれません。今の状態は後頭部の鈍痛と手先のしびれが強烈で、時々首を締めつけられてハンマーで叩かれたように発作が起きて、口から舌を突き出し、顔を胸に押しつけて二十秒ぐらい激痛を我慢します。するとやっと息ができるのですが手の痙攣がしばらく止まりません。

このような症例が他の人にもあったのでしょうか?

担当医は「人それぞれだ。似たようなことはある」とオッシャッテおりますが…ベッド待ちの状態です。

(Y.O)

かなりしんどい状況ですね。私は整形外科医ではないので確かなことは言えませんが、担当医の方がおっしゃるように、患者の状態によっては術後に様々な症状が現れるようです。私の友人のS君の場合は、術後半年以上を経過してもなお両手の痺れが残り続け、未だに不安でソフトカラーを外すことができません。K君と言う脳性マヒ者の場合も、首の痛みや両手の痺れがぶり返してしまい、現在、横浜南共済病院で頸椎の再手術を受けています。貴方の現状を考えると、やはり横浜南共済病院に再入院し、再手術を受けることが必要だと思われます。

私は、貴方が再手術を受けた後、理学療法による継続的な治療をお考えになることをお勧めします。理学療法における治療の継続により身体全体の無理な緊張をほぐすことによって、頸椎への負担を少しでも軽減することが必要だと考えるからです。

多くの脳性マヒ者は、理学療法と言うと痛くて辛い「機能訓練」を思い浮かべるようです。確かに世代的に四十代までの脳性マヒ者が受けてきた「機能訓練」は、理学療法の世界では「運動療法関節可動域訓練」と呼ばれ、痛くて辛いものでした。それは、「立ち上がること」や「歩くこと」に目標が置かれ、障害の克服のために緊張や硬直している関節に無理やり強制運動を施すという手法だったからです。しかし、現在の理学療法の手法は大きく変化しています。

現在の理学療法における最新の手法は、「運動療法中枢神経促通手技」と呼ばれています。それは、「立ち上がること」や「歩くこと」に目標を据えるのではなく、障害を持つ市民として無理のない生活を送るために、無理な緊張を取ることに主眼を置きます。具体的には「ボイタ法」や「ボバース法」等、様々な手法がありますが、共通しているのは中枢神経に働きかけ、運動伝達回路を開くことにより無理な姿勢を改善し、緊張をほぐすということです。従って、痛みや辛さは無いはずです。

日常生活において、姿勢を固定させることが二次障害の悪化の主原因となります。理学療法による治療を受けることは、普段自らの意志で体位変換がなかなかできない脳性マヒ者にとっては、理学療法士に全身の筋肉を動かしてもらうことになります。是非試してみて下さい。何か不安なことがあれば、またご相談下さい。

「けんこう通信」編集部

 

前回このコーナーで、二次障害の診断方法と手術の時期について質問をいただいた大阪市在住のM.Tさんより、その後お便りをいただきましたのでご紹介します。

 

その後、MRIの診断を聞きに病院へ行きましたが、案外キレイに撮れていたようで安心しました。5番と6番の間が少し狭くなっているようだが神経障害が出てくるほどのものでもないと言われました。でも、現に指先は痺れてるのになあ…と思いながらも、今後経過を見ていきましょうと言われて帰宅しました。

とりあえずは、目の前の我が子との生活に専念していこうと思っています。介護人を日常に入れるとしても、今の多少の無理は将来、たとえ手術の時期を早めるような結果になっても私のなかで決して後悔することはないだろうと思っています。今思えばその時その時で頑張ってきた結果の二次障害、丸ごと引き受けて私の人生なのだと思っています。

今後も「けんこう通信」読ませていただきます。スタッフの皆さん、頑張ってください。

(大阪市 M.T)