No.172
人間対猛獣5・ブルーノ・サンマルチノ対オランウータン


↑月刊ゴング昭和46年10月号より。

「フレッド・ブラッシー自伝」に記載されていた
「人間発電所」ブルーノ・サンマルチノとオランウータンがカーニバルにて5分1本勝負で対戦した一件、時期は不明。

それによると
サンマルチノが石工や大工たちのイタリア人移民の一団を引き連れてカーニバルにやってきた。
その中のひとりがサンマルチノをからかうような感じだったのだろうか、
もしサルと一緒に檻の中で5分間過ごせたら、僕らがキミに100ドルあげるよ、と言った。
サンマルチノはサルで100ドルだって?いったいサルに何ができるって言うんだ?絞め殺してやるさ、とこの話を受けた。
しかし檻の中にいたのはただのサルではなくてオランウータンだった。
檻の中で対決が始まると、オランウータンはブルーノの服を引きちぎり始めたそう。
ブルーノはオランウータンの首をつかんで急所を蹴りながら檻を登って逃げ回ったが、
閉ざされた檻なので逃げ出すことはできなかった。
そして外へ出たときは、サンマルチノは裸同然の姿になっていた、そうだ。

樹上生活者のオランウータンの握力を侮ってはいけない。
成獣なら人間と同体重の彼らがやすやすと樹から樹へ移りわたってゆくのはその握力による怪力のおかげだ。
後年「霊長類ヒト科最強」をキャッチフレーズにしたレスリング出身の総合格闘家マーク・ケアーが活躍したが
もし説明不足で「霊長類最強」と名乗っていたら、オランウータンたちが先を競ってケアーに挑戦したことであろう(そんなわきゃない)。

(2004.1219)
参考:「フレッド・ブラッシー自伝」2003年エンターブレイン社

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