幽かな微笑みに潜む怜悧な脳裡
永遠に凍結した無垢の官能
孤高の甘美な憂愁
ハイ・センスな人間の感性に、心優しく語りかける、ハイ・クオリティな作品を制作。
より高度な世界を求めて、独創を続けて行く。
作品を愛する人間と、その作品とは、一体であり、究極の自己愛であるから・・・
自己の心象を造形して行く過程と、完成した作品に対峙する瞬間、
神秘的な波動を感じる。
極めて個人的な世界から、その作品たちが、いつの間にか独り歩きを始めて、
感性豊かな人間たちと対話して行く。
時代の流れと共に、格調高い書籍、各メディアの公的な場で、優美に息づいたり、
現代社会の日常に忙殺されるセンスティブな所有者が、私的空間で、
精神的に安らげる存在に成り得れば、意義深い。
移り行く時代の中で、儚くも永遠に生きられれば、
その作品たちは、自らの使命を美的に完結する。
リアルな骨格の研究、人体の神秘の追及を経て、独自の美のフォルムを確立。
アイ・ポイントに、深い想い入れを施し、繊細かつ構築的な指の表情で、
作品の命を伝え、脳裡の意識を感じさせる。
自己の心象世界の表出であり、夢想する映像の刹那の凍結である。
ドール・レリーフは、フレームにより、美の霊感を授ける聖なる水を限定する。
背景の布地の本能的な襞は、神秘の水面の波紋と、EMIKO ART DOLL
精神性を象徴する。
ドレーピングの中に沈黙する姿は、浮上、浮遊、沈潜の表情の中に、自己陶酔を暗示する。
孤高と官能を啓示する絹の薔薇は、人形作品の精神と身体の象徴として、
心象世界を、印象的に演出する。
極上のチュール・レースのコスチューム、高雅な宝飾は、白い裸身の肌合いを、
格調高く知的に包み込む。
首、鎖骨、胸元は、露にして品位を保つ生の表現を真髄とする。
アート・ドールは、緻密な関節により、様々な姿態で、語りかけて来る。
EMIKO ART DOLLの内的欲求と、所有者の利己的欲求は、
私的空間で密やかに、美的ポーズとして融合する。
インスピレーション・アニマルとして、黒豹を制作。
19世紀末では、「淫蕩」の象徴とされていたが、孤高の聖豹として、凛々しく出現する。
愛する黒猫の優しい精神が投影され、人格化している。
背骨から長い尾に連なる曲線に固執する。
EMIKO ART DOLLは、独自の世界で、様々な表情を呈しているが、
その魂は総て、人間に優しい。
制作への情熱は、作品に昇華されて、尽きることが無い。
瞳を閉じると、心象の幻影が浮上する。
野口恵美子
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