リスニング編:リスニングの逆説!


★リスニングが出来ない訳は・・・

まずリスニングのレベルアップの為のお話を始めたいと思います。TOEICのリスニング問題は比較的簡単な単語で構成されています。実際にリスニングの問題を読んで見れば皆さんも意味も分るし、なーんだと思う程簡単なはずです。それなのに何故聞き取ることが出来ないのでしょうか?

その理由は簡単。“基本的な単語ほどリスニングは難しい。”ということです。

世の中では簡単な英語なんだからリスニングも簡単に出来るでしょう。ということで誰も基礎レベルのリスクングを教えてくれないし、それを教える教材も皆無に近い状況です。かなり逆説的な意見と思えるでしょうが、これからその理由を順を追って説明していきたいと思います。


★「無声音」、「単語の結合」とは何か?

本題に入る前に、英語の発音の特徴である「無声音」と「単語の結合」について説明を致します。「無声音」とは我々が英語のスペルを表記している部分を明確に発声していないことなので、「単語の結合」とは文字どおり複数の英単語をくっつけて縮めてしまうことです。

よく英語は音楽の様に聞こえると言う人も多いと多いと思いますが、それはこの「無声音」と「結合」によって、複数の英単語をまるで一つの単語の様に流れる様に発音してしまうことなのです。

英語では「50音のア(),イ(),ウ(),エ(),オ()」を母音と言い、それ以外の日本語で言うならば「カ()、サ()、タ()、ナ()、ハ()、マ()、ラ()、ヤ()」を子音と呼び、日本語のように明確に発音することはありません。これが無声音で“a,i,u,e,o”の文字が絡まない部分はほとんど聞き取れないような程度しか話さないものなのです。

母音(ハッキリ発音) (),i(),u(),e(),o()
子音(かるーく発音) ()、s()、t()、n()、h()、m()
()、g()、z()、d()、b・v()

 

ではこの無声音の具体的な例を挙げて皆さんに納得して頂きたいと思います。例えばビートルズの名曲“Get Back”を思い出して頂けるでしょうか?ここでポール・マッカートニーは

“Get Back、Get Back”

と何度もシャウトしていますが、ハッキリ言って我々の耳には

“ゲ バッ、ゲ バッ”

としか聞こえません。

“t”と“ck”の部分は一応発音はしているのですが、相手に聞こえる様には発声していません。これが無声音なのです。

他にも例をあげると、例えば“Don‘T cry”なら、“ドン クライ”と発音されます。a,i,u,e,oの絡まない部分はほとんど聞こえません。この無声音もTOEICや英語の教科書等ではキチンと小さい音で発音されていますが、ネイティブが日常会話等でスピーディーに話す時等はまず聞こえません。

次にもう一つの要素である「単語の結合」です。単語の結合とは複数の英単語をまるで一つの単語の様にくっつけて、つまり融合させてしまうものなのですが、これも無声音と同じように何から何までくっつけてしまうものでもありません。前にある単語の末尾にある子音(b、d、f、l、m、p、r、s、t等)と次の単語にある先頭の母音(a,i,u,e,o等)とがくっついて一つの単語の様に発音することです。

例を挙げますと、映画のタイトルで“Get Away”と言うものが相当昔にありましたが、これを日本語では“ゲット アウェイ”ではなく“ゲッタウェイ”と発音されていました。
つまり“t+a”でくっつけてそのまま“タ”と発音し、“Getaway”,“ゲッタウェイ”と短縮してしまうのです。音だけの無声音は声には出ないけど外人は一応喋っているのです。

まあこの程度のことは英語をちょっと勉強したならご存知でしょう。次から本題に行きます。


★基本的な単語ほどリスニングは難しい!?

「英語を読むことは出来るけどリスニングは出来ない。」、「学校で英語を勉強したのに何を言ってるか解らない。」、「英会話のテープをいろいろ聞いたけどさっぱり解らない。」等とよく英語を学習された方で言われることがあります。ここにリスニングの最大の問題と、矛盾があるるのです。それは“基本的な単語ほどリスニングは難しい。”ということです。

まず基本的な単語を羅列して見ましょう.

 

KE …… 発音記号で表すと“meik”「メイ()」と、クは殆ど発音しません。

NG

RE

SH

OULD

等と数を挙げたら限ありませんが、これらはいわゆる、中学レベルで学ぶ英単語なのです。これらの単語はには母音と呼ばれる下線を引いたa(),i(),u(),e(),o()の部分が一つしかありませんので、実際に声に出してみてもらえば1音節の単語とすぐ分るはずです。

次は高校レベルの単語を見てみますと、

NDRSTND     3音節

MPLAIN       2音節

GREE          2音節

XPLAIN        2音節

CTION      3音節

NTRTAINMNT  4音節

OIN         2音節

下線部がa(),i(),u(),e(),o()の母音です。さて考えてみて頂きたいのですが、1音節の短い基礎単語と2音節以上の応用単語どちらが聞き分け易いでしょうか?まず間違いなく2音節以上の応用単語が聞き分け易いはずです。耳から入る音声の情報が1音節より2音節の単語の方が多いですからね


★同音(類音)異義語についての考察

もう一つ1音節の基礎単語には聞き分けにくい理由があります。それは1音節の単語には同音(類音)異義語が非常に多いことです。例えば先程の基礎単語を例に出して見ると……。

 (〜へ)    −   TWO(二つ)

KE(作る)   −   MATE(仲間)

NG(歌う)   −   THING(物)

RE(火)    −   FIRE(解雇する)

SHP(船)    −   CHIP(チップ)

OULD(〜する) ―   WOOD(木)

とまあ、こんな感じで1音節単語のの同音(類音)異義語は、ここでは書ききれない程あるはずです。逆に2音節以上の同音異義語はほとんどと同じ音の単語はありません。(皆さんちょっと探して見てください。)当然同じ(似たような)発音の単語が少なければ聞き取りの際単語の意味について迷うことは少なくなるはずです。


★おまけに基礎単語には「単語の結合」もあるから、もう大変!

さらに最初に述べた「単語の結合」も音節の短い基礎的な単語にしか使われないものですこれら複数の英語独特の要因が複雑に絡み合うので、基礎的な単語の方がリスニングが難しくなるのです。高校レベルの単語はもう知っているかいないかでリスニングの可否が決まります。

最後に、以下の文章を読んでみて下さい。同じような意味の文章を、単語と単語をつなげて書いてみました。読み難いのは1音節の単語で書いた文章のはずです。

1.Imakeoutyourideaonthecase.

2.Iunderstandyourthoughtonthematter.

1(正解)I make out your idea on the case.

2(正解)I understand your thought on the matter.

日本語も全部ひらがなにすると・・・・・・
「あなたのかんがえていることがわかりました。」

日本語もひらがなばかりだと、単語と単語の区別がつかなくなって、読み難くなるでしょう。英語のリスニングもこれと同じ理屈です。


★テキストの紹介・・・TOEICの為なら、TOEIC用の物が一番です!

では基礎単語は全く聞き取れないのかというと、そう言う訳でもありません。リスニングの技術が上がれば、似たような音の単語も多少聞き分けることは出来るようになるし、同じ様な発音でも動詞、形容詞、名詞とあるように品詞が異なるものが多く、また動詞は基礎単語ほど過去形、過去分詞でスペルと発音が変化するので、単語力そして文法力をつけ全体の文章を聞くことで判別できるようになります。

まあ今まで何故基礎的な単語の方がリスニングが難しいかを説明してきました。理論的な面ではこれまでの説明で皆さんも納得して頂いたと思いますが、学習の為のテキストのチョイスにはチョット問題があります。

リスニングに最適な基礎英語は、あまりに簡単過ぎて話しにならないと思われるのでしょうか?
このレベルの英語のテキストは分量が極めて少なく、基礎単語を大量に聞けるのテキストが少ないのです。
NHKの「やさしい英会話」のテキスト等の様にわずか
1ページにわずか4〜5行の英文しかないのでは、とてもリスニングの訓練になりません。かと言って、ラジオやニュース等の生の英語を聞くことは初心者には向かないと既に何度も申し上げていることです。

と言う訳で、やっぱりTOEICのリスニングはTOEICの教材でということになります。TOEIC用の中でもこの教材が質、量共にベストかなと思っています。

◎900点突破! TOEICテストリスニング完全制覇 ジャパンタイムズ

TOEIC 750〜850(スコアレベルを修正しました
いきなり900点ではちょっとレベルが高いのではないかと思われるかも知れませんが、難易度はTOEICと同じです。リスニングセクションのPartV、Wに絞ってあり、CDも2枚もついてるので中身も濃くボリュームも十分です。TOEICのリスニングはTOEICのテキストで勉強するのが一番です。生の英語は厳禁です。

 お薦めのリスニング教材!

もう一つ、TOEIC教材以外のものですが、以下の物が特にお薦めです。TOEIC用ではありませんが、基礎単語を大量に聞くことが出来る非常にうれしい教材です。
しかもTOEIC用ではないので、会話の内容もなかなか為になったりします。

◎1000語レベル英会話(テープ別売り)
◎2000語レベル英会話(テープ別売り)
◎3000語レベル英会話(テープ別売り)旺文社

TOEIC 初心者〜600まで
大量に基礎単語を聞ける、覚える、身につけることが出来る数少ない貴重なテキストです。短い文章の対話形式になっているので、TOEICのリスニングと非常に似ているところもポイントが高いです。何十回も聞く必要はありませんが、テキストに書かれているダイアローグの後にナレーターたちが簡単な会話をしており、ここまで聞き取れるようにして下さい。実際に私がこのテキストを使った後、TOEICのリスニングのスコアが60点も上がっています。

◎NHKやさしいビジネス英語ベスト・セレクション vol.1
◎NHKやさしいビジネス英語ベスト・セレクション vol.2 
日本放送出版協会

TOEIC 600〜700(リスニング専用と考えれば800まで)
単語もちょうどTOEIC600〜700レベルのものですし、会話の内容も日本人ビジネスマンが外資系企業に転職したという、我々にもなじみ易い内容です。2冊でCD計4枚とボリュームもなかなかのもので、リーディングの教材としても使えます
このNHKラジオの英語講座は、「やさしい英語」と言っておきながら、全然やさしくないことで有名です。ハッキリ言って、その難しさはハンパじゃなく、出てくる単語やイディオムは辞書にないものも非常に多く、また会話の話題も現地で長期滞在しているような人にしか分らない内輪受けのものです。
実はこの「やさしいビジネス英語」も、開始当初は本当に「やさしい」ものだったのです。しかし回を重ねるに連れ、出てくる単語も以前のものとかぶらないようにするため徐々にレベルが上がり、また内容もダブらないようにだんだんマニアックなものになったのです。
ネタの尽きた漫画家のようですね。ああ、無情…。
このテキストはそんなビジネス英語講座の初期のものをまとめたものでで、我々にちょうど良いレベルのものなので、安心して使ってください。


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