TOEICってなに?


★とにかくTOEICのスコアを上げる

「英語を覚えるには目標が必要。」と、TOEICのスコアを上げることのみを目標とした英語学習法を否定する人がいます。英語を「英語道」なんていう方も少なくなく、「英語は一日にしてならず。」とか、スコアを上げる為の勉強法は「邪道」と必ずや言うに違いありません。

この不況の時代就職や転職等を控えている人にとっては、TOEICのスコアを早急に上げることは非常に重要な問題で、「一生の勉強」なんて悠長なことは言ってられません。英語を必要としている人にとっては、即効的に英語を覚えることが絶対に必要と差し迫った事情があるはずです。

それにTOEICは単なるテストの為だけのテストではありません。実際のコミュニケーション能力を測る非常に優れたテストなのです。TOEICのスコアと実際に英語を話す、読む、書く、聞くと言った能力とがリンクしており、相関性が高いのが特徴です。

「TOEICが出来れば英語が出来る。」と言うのも、まんざらウソではありません。確かにTOEICのスコアが高くても、すぐに英語が話せるという訳ではありませんし、海外に留学した経験があり英語がペラペラの人の方がTOEICのスコアが低いといったこともある事も事実ですが、TOEICのスコアが高い人は非常に短い時間で海外などの生活にも対応でき、英語を使う仕事に放り込まれればすぐに仕事をするに必要なレベルに上がります。


★TOIECは簡単な英語?

この本を読まれる方はまず間違いなく、TOEICは難しい、さっぱり聞き取れない、量が多くて難しいと思われている事でしょう。しかし実はTOEICの英語は簡単なのです。

TOEICとはそもそも英語圏以外の人の英語によるコミュニケーション能力を測定するためのテストなのです。(ここ重要です)

あらゆる人間がコミュニケーションをするための英語ですから、そこには専門用語や人名、特定の地名、組織の名前等は一切出て来ないので、単語自体が比較的優しいもの、一般に使われているものになるということです。

例えばTOEICのテストにアメリカの地理に関する問題が出て来たとしましょう。ここで高いスコアを取るのは当然アメリカ人に決まっています。またイギリスの政治に関する問題が出たならば、イギリスの政治家や組織の名前等を知っている必要があるので、当然イギリス人が高いスコアを取るでしょう。パソコンに関する問題なら、理系の人やパソコンを使っている人が有利となるでしょう。

またスラング・方言といったローカルな言葉はありませんし、意味の曖昧な文学的な表現や古典的な文章も出て来ません。さらに新聞記事の様にその記事の背景についての知識や、特定の専門的な知識を問う問題も無いので教育水準の違いによるスコアの差も生じないような問題が出されています。

ですから、TOEICの英語は簡単だと言ったのです。なに?そんな訳ない!難しくてさっぱり解らないって?
しかし、TOEICよりも生の英語の方がもっと解らないんですよ。専門用語やスラングがある事に加え、何しろ喋ってる英語が早いの何の。私もCNNのニュースなんかをインターネット放送で聞きましたが、ほとんど解りませんでした。

このようにTOEICの英語とは、英語圏以外の人と正確にコミュニケーションを取るための非常に汎用性の高い英語なので、教科書の様な基本に忠実な、非常にスマートな英語で、いわゆる生の英語とは根本的に違うものなのです。これがTOEICのスコアを上げるために、また我々日本人が英語を学習する際に、生の英語はダメと言う理由です。TOEICのスコアを上げるためには、やさしい英語を、英語の基本を確実に学習することが必要になるのです。

いわゆる「生の英語」は、英語を学ぶに当たっては上に述べた様な、例えばスラングや行儀の悪い話言葉、発音や話し方の個人の癖も多く、専門用語・知識を必要とするなど英語を学ぶに当たって雑音的な要素が多すぎるのです。

「生の英語」が必要とされるレベルはTOEICのスコアを700点取ってからで、英会話学校に通うとか英字新聞を読むことを始めるのはこのレベルから。さらにニュース・ラジオのリスニングは800からが妥当な水準と思われます。


★生の英語は必要ない

よく言われる世間の英語の学習法に「生の英語に触れる。」と言うセリフがまるでお題目の様に唱えられています。

例えば、VOA、CNNを英語のニュースをそのまんまラジオで聴くとか、TIME、NEWSWEEK、英字新聞を英文のまま読むとか、洋画を字幕無しで見るとか、辞書を使うなとか、英語の出来ない我々には拷問に近い学習法です。訳も分からない英語をそのまま読め、聞けと言われてもとても出来るものではありません。

さらにその後に決まって判を押したのかの様にこれを何千時間、何年間も続けろと言われるのです。これを実行できるのは99%の人が無理と答えるでしょうし、実際私もそうでした。仮に新聞を読むのに辞書を引いたとしても時間がかかり過ぎるし、辞書を引いても分からない事が決して少なくありません。これが外国の新聞などではその記事の背景も人間関係等もまるで知らないので、多分日本語で書かれていても何が書いてあったのか理解出来ないでしょう。辞書を引いても解らない英語は日本語で読んでも解らないモノなのです。原文付き、和訳付きのテープを買って聞いても英文を読むスピードが早すぎるし、スラングや専門用語も多く難しすぎてモノになりませんでしたし、長続きしませんでした。

ネイティブスピーカーの外人だって英語を覚えるのにいきなり、CNNなんか聞いたりしませんし、TIMEなんか読みません。子供の頃から一つ一つ基本的な単語から覚えていくし、母親から絵本を読んでもらい、テレビでセサミストリートを見ながら英語を少しずつ覚えていくのです。

外人だっていきなり刺し身や寿司とか生の魚は食べないでしょう。それと同じで全く英語を話せない我々日本人がいきなりハイレベルのスラング等の混じった生の英語に触れるにはやはり無理があるのです。TOEICは確かに生の英語ではありませんが、誰でも英語でコミュニケーションが取れるよう合成された、極めて普遍性の高い英語なのです。ですからこの本ではTOEICのスコアを上げることを目標とすることで英語の本当の基礎を学び、極めて自然な形で英語を聞けて、読めるようになるような学習法を皆さんに説明していきたいと思っています。


★TOEICは役に立たない!?

こうなってくると必ず出てくる話題が、「TOEICの有効性について」です。

例えば英語ペラペラの帰国子女なんかが実際にTOEICを受けてみて、意外とスコアが低かったとか、TOIEC900を取った人でも外人とディスカッションが出来ない、またTOEICのスコアが高くても転職出来ないという話です。

このようなTOEICのスコアとその人の英語の能力、そして世間の評価が一致しないのは何故なのでしょうか?

そこで、先程の言葉を繰り返させて頂きます。TOEICとは英語圏以外の人の英語によるコミュニケーション能力を測定するためのテストなのです。そこには専門用語や人名、特定の地名、組織の名前等は一切出て来ません。また専門知識だけでなく受験者の学歴・教育水準の違いによってスコアが左右される問題も全て排除されているのです。

で、そんなシチュエーションが現実にあると思いますか?

特定のテーマも話題もない、何にも共通の話題も無い人たちが話をするなんてことは、ありえませんよねえ。そこには仕事や共通の趣味の話など、人間がお互いに話をするには共通のバックグラウンドが必要なのです。なければ、話が続きません!!

あくまでTOEICに出てくる英語は仮想の世界の英語なのです。

海外に居た経験があって英語が話せるけど、TOEICのスコアが低いって人がいるのは、そういう理由なんです。その方々は共通の話題の知識、そしてその用語をちゃんと英語で知っていたから、問題なく話せたんですね。TOEICの英語は、実践の英語ではなくて、バーチャル英語なのです。シミュレーション用の英語です。だから事前練習にはもってこいなんですけどね

また英語は地域によってかなり異なるケースが多いのが特徴です。英語は各国に土着し、自国の言語の特徴を色濃く反映した言語と変貌していますので、国ごとにアクセントや文法に相当差が出ています。(こーゆーのを本当のグローバル化と言うのでしょうね!)

以前フランス人と話したことがありますが、彼の英語は津軽のズーズー弁ならぬ「ジュージュー弁」でした。ほらフランス語だと、“ボンジュール”とか“ジュテーム”とか言うでしょ。フランス人さえそんな具合なのですから、日本人の発音が下手だからと言って気にすることはありません。

それとTOEICのスコアが高くても英語を流暢に喋れないっていうのは、単純に慣れの問題もあります。私が学生時代海外に1ヶ月程いたことがありますけど、今と比べ物にならない程ヘタな英語でしたが、結構しゃべれました。長時間連続で英語で会話しようとすると、英語の文法が頭に刷り込まれて、いつの間にか自然と英語が口から出てくるような感覚を経験したことがあります。

TOEICの英語は、あくまで英語の勉強の第一段階でしかありませんからね。ある程度のスコアを取れるようになったら、自分がどのような英語が必要かを考えて、TOEICとは卒業する必要があるのです。


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