単語(基礎単語編):図解で覚えろ!


★HOLDの意味って知ってる?

では長い前置きでしたが、基礎単語の概念を説明したいと思います。皆さん“HOLD”という単語の意味をご存知でしょうか?これはちょっと意地悪な質問なのですが、これを正確に答えられる人はちょっといないと思います。それは“HOLD”という英単語のものの考え方が日本語には全く無いので、その意味を説明する場合日本語に相当する訳語が見つかっていない単語の一つなのです

“HAVE”、“MAKE”、“GO”等、これらの単語は辞書には「持つ」、「作る」、「行く」とその単語の意味が翻訳されています。本来のこれらの単語の意味を表す概念はそんな単純じゃないんですけど、これらの英語に似ている日本語の概念と単語がちょうど偶然あったから訳することが出来ただけなのです。でも“HOLD”とは、ちょうど良い塩梅の日本語が無かったのです。ではどんな意味をもっているのでしょうか?

その答えを知るために参考までにちょっと辞書を引いてみたいと思いますが、いや、見てみると“HOLD”の持つ意味が多すぎてどれを覚えていいか困ってしまいます。一部だけでも記しておきましょう。

(手に)持つ、握る
(手に)持つ、握る
(容器などがものを)入れている、収容する
(金・土地等を)所有する、保管する
…と思う、考える
抑える、抑制する
(会を)催す、(式を)挙げる

これでも“HOLD”の意味の一部なのに、イディオムも含めるともう覚えきるどころか書き切れません。これらの意味もHOLDの意味を上手く説明できていないから、当てはまりそうな日本語を羅列しているだけなんです。では“HOLD”の本当の意味って何でしょうか?

これを説明するのに「英単語ネットワーク 基本動詞・編」アルク より“HOLD”の概念を示した図を一部抜粋させて頂きます。(著作権に引っかからないように)

図解 「手に持つ」


「動き止める」


“HOLD”とは「あるものを手につかむ」、「動きを止める」ことで、しかもただ「持つ」、「止める」ではなく「一時的に」ということが重要な意味を占めています。つまり“HOLD”とは「一時的に(手に)持つ状態」を意味しているのです。

何度も繰り返しますが、“HOLD”の場合「一時的に」というのがポイントになります。反対に「持っている状態」が長ければ別の単語となるからです。その別の単語とは“HAVE”と“KEEP”です。

「あるものを手につかむ」状態が長ければ“HAVE

「動きを止める」状態が長ければ、“KEEP”となるのです。

この“HOLD”、“HEAVE”“KEEP”の関係を分類すると下の様な表となります。

一時的 永続的
(手に)持つ HOLD HAVE
動きを止める HOLD KEEP

皆さん、お分かりでしょうか?先ほどの辞書で引いた“HOLD”の意味を説明すると“HAVE”と“KEEP”で代替できることに気が付くはずです。

(手に)持つ、握る HAVE
…を(ある状態・位置に)保っておく KEEP
(容器などがものを)入れている、収容する HAVE
(金・土地等を)所有する、保管する HAVE、KEEP
…と思う、考える HAVE
(…と言う考えを持つ)
抑える、抑制する KEEP
(会を)催す、(式を)挙げる HAVE


繰り返しますが、“HOLD”とは「一時的」に“HAVE”「あるものを手につかむ」、“KEEP”「動きを止める」するなのです。この“HOLD”の基礎概念さえ理解すれば、辞書に書かれている上記の1〜7の意味(辞書によってはもっと書かれています)を覚える必要などないのです。英語の単語(特に基礎単語は!)を辞書に書かれている訳語で暗記しようとすることが、非常に馬鹿馬鹿しく思えてくるでしょう。


★辞書の例文を読めと言われる訳

けれども不幸なことにこの日本では単語の基礎概念を教えることを全くしていません。その結果どの様な勉強法が教えられるかと言うと、皆さんも言われた経験があると思いますが、「辞書の例文を読め!」と言われるのです。

いや、少なくとも英語の教師ならばこの英語の基礎概念を知っています。しかし単語の基礎概念をなんとなく感じられる程度しか知っていないのです。しかし辞書にも書かれていない単語の意味をどのように教えたら良いかを知らないのです。別に不思議なことではありません。ネイティブスピーカーだって上の図のような単語のイメージを明確に知っていて、それを説明できる訳ではありませんから。誰に教えられるでもなく、長年英語に触れていくうちに自然と英語の基礎概念を理解してきたのですから。

ですから英語を教える人たちは「例文を読め!」と言われるのです。別に辞書の例文だけでなくとにかく大量の英語を読めと言うのです。基礎単語の本質的な意味を具体的に教えることが出来ないので、辞書の訳語を暗記し、英文を大量に読むことで帰納的に単語の基礎概念を理解させようとしているのです。こんな方法ではもちろん一度や二度辞書を引いただけでは、本質的な意味を推測できるはずがありません。だから英語の教師などは辞書の大切さをくどくどと説き、辞書を何度も何度も引かせるのです。

いずれにせよ単語の基礎概念を推測する為に何度も何度も連想ゲームを繰り返すことに違いはありません。ほんのひとこと、単語の本質的な意味を教えてもらえば済むことなのにねえ。従来の方法ではひどく回り道をするだけで、我々の貴重な時間を無駄に使う事は皆さんにも理解して頂けるでしょう。


★参考テキスト

この英単語の基礎概念を説明した本を、これも数は少ないですが紹介させて頂きます。これらのテキストは単に英英辞典を単に日本語に翻訳しただけでは終っていません。英語の基礎概念を日本語で、図解されて絵で説明しており、その上類義語との比較対象もしているので非常に理解しやすく、また単語の本質的な意味を覚え易い様に構成されているのが特徴です。

英英辞典は英語学習においては必ず必要なアイテムですが、全てを英語で書かれている英英辞典を使いこなす事は初心者には絶対に不可能です。しかしこれらのテキストは日本語で単語の本質的な意味を英英辞典以上に分かり易く、暗記し易く説明しています。

初級者はもちろんのこと、上級者にもお薦めです。是非読んでみて下さい。

 お薦めの単語集

◎図解 英語基本語義辞典 桐原書店

TOEIC 初心者〜600
タイトルに「図解」と書かれている様に、基本単語の意味を図で説明していて非常に理解し易いし覚え易い。基本語とタイトルに書かれているが、800語弱もの単語の概念を説明しており、さらに同時に類義語の解説もしているので、初心者がボキャブラリーを増やすには最高の一冊。もちろん中・上級者にもお薦め。これも本屋に注文する必要あり。

◎英単語ネットワーク 基本動詞編 アルク(在庫切れ、取り寄せ不可!!本屋さんで見つけたら即購入して下さい。)

TOEIC 初心者〜700
動詞の基礎概念を説明するテキストがこれ。特に基礎単語のについての説明は実に分り易く、お薦めです。また応用レベルの単語も基礎概念と類義語との違いをうまく説明しています。

◎ネイティブスピーカーの単語力 1基本動詞

◎ネイティブスピーカーの単語力 2動詞トップギア  研究社

◎ネイティブスピーカーの単語力 2動詞トップギア  研究社

TOEIC 初心者〜600
言わずと知れた、ベストセラーシリーズです。読み手を楽しませるイラストや文章もさながら、基礎単語を徹底的に説明し、英語の概念を我々に理解させてくれます。


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