単語(応用編):語源で覚えろ!丸暗記も不要の記憶術


★英語と日本語はそっくりなんです!?

突然ですが、(ぬえ)という動物をご存知でしょうか?動物と言っても想像上の妖怪みたいなもので、頭は猿、体は狸、尾は蛇、脚は虎という気味が悪いと言うか、何とも間抜けな姿を想像してしまいます。

実は英語もこの鵺のような言語であると言ったら、皆さんどう思うでしょうか?

答えを先に言ってしまいますが、英語とは様々が言語が混同した言葉で、本来昔からある英語を古代英語とするならば、その古代英語にフランス語、ラテン語、ギリシャ語がミックスされた非常に奇妙な言語なのです。

あれ!?これって何かに似ているような気がしませんか? そう日本語にそっくりなんです。古代のやまと言葉に、漢字が加わり、現代カタカナが・・と言う具合で本当に英語と成り立ちがそっくりなのです。古代英語が日本語のひらがなに当るなら、フランス語は漢字、ラテン語は2文字以上の漢字熟語、ギリシャ語はカタカナという感じです。

英語         日本語

古代英語    ―  日本語のひらがな

フランス語   ―  漢字

ラテン語    ―  2文字以上の漢字熟語、

ギリシャ語   ―  カタカナという感じです。

これ本当ですよ。辞書で調べて見てください。ちゃんと語源が書いてありますから。それに英語って、単語のスペルと発音が一致しないでしょう。チャンポン言語だからですよ。

でも鵺のような言葉だからと言って別に劣っている訳ではありませんよ。かのシェークスピアなんかもラテン語やギリシャ語から次々と新語を発明し英語のボキャブラリーを増やしていったのです。むしろたくさんの言語より単語を取り入れたことで英語の表現方法が豊かになり、文学でも優れた作品が生み出されるようになったのですね。

最近オジサンやオバサンが「最近の若者は・・」等と言い、若者が使うカタカナ言葉が気に入らず、「日本語は乱れている」等と仰せらます。しかしこれがどれ程彼らの無知をさらけ出しているか分るでしょう。まあ彼らの言う通りならば、エリザベス女王が話すクイーンズイングリッシュも「乱れてる」ってことになりますけどね。


★英語がスペルと読み方が一致しない訳?

外来語を取り入れるのはフランス語やドイツ語でも同じこと。
でもフランス語やドイツ語の場合には、外来語を取り入れても自国風のスペルや発音に修正して使っているので、スペルと発音はちゃんと一致しますからね。

ところが英語はラテン語やギリシャ語をそのまんま使っているので、スペルと発音が一致しなくなっているのです。日本語が外来語をひらがなにせず、古代・中世は中国から漢字を、現代はカタカナを使用したのと同じことなんですね。

日本語も全部「ひらがな」では、何とも味気のない文章になってしまうでしょう。漢字やカタカナを使い分け、うまく利用した方が、より多様な表現が出来るのと同じです。だから英文学なんかも、シェークスピアを初めすばらしい作品が生み出されたのです。

ほら、10年程前までフランスで、英語の使用がフランス語の文化を乱しているということで、英語を排斥する運動があったでしょう。これは今まで外来語を取り入れている時には、必ずフランス語風に修正されていたからなんですね。それが英語のグローバル化に伴い、フランス人が英単語をそのまんま使うようになってきたので、「伝統文化を乱す」と言われるようになった訳なのです。

本当に日本語と英語ってそっくりでしょう。こんな節操のない、「何でもOK!」みたいな、変な使い方をするとこまで似ているのですから。笑っちゃいます。


★英単語も漢字も同じだったりします。

先程の説明で英語と日本語の生い立ちが似ていることは説明しました。しかしまた面白いことに英単語は漢字の作りと非常に似ていたりするのです。

例えば「電話」でしたら、「電気を通して話す」から「電話」ですよね。他にも「嫁」という漢字を分解してみると、「家にいる女」ということで「嫁」となります。誰が考えたか知りませんが、うまく考えたものです。英単語もこのような構造となっているのです。

百聞は一見に如かず。実例を上げます。例えば“it”「行く」という語源なら・・

exit ex it
出口 外へ 行く

circuit circu it
回路・周回 周り・円 行く

となります。簡単でしょう!

中には「まんまやんけ!」と言いたいくらい同じものもあります。これは英語の語源からそのまんま漢字に当て直したからです。

airport air port
空港 空気・空


★類義語の意味の違いも分っちゃいます

assume、presume等を例にとって説明して見ましょう。共に「推測する」という意味ですが、相当にニュアンスや使うシチュエーションが違ってきます。

deduce de duce
推測する 完全に 導く

同じ「推測する」でも「考え抜いた結果、理論的にある考えに導かれる」というニュアンスがあります。

presume pre sume
推測する 前に 使う・取る

「先に取ってしまう」のだから、「私の考えていることは正しい、当然、当たり前。」というニュアンスになるのです。
同じ「訳語」からは分からない、言葉の微妙な違いも分かったりしちゃいます。

例をもう一つ、“interest” の意味は「興味、関心」という意味の他に「利益」や「利子」等の意味があります。皆さんも英語を学習する上でどうして一つの単語でこんなに意味が違うのだろうと疑問を持ったことはないでしょうか?

interest inter est
〜の間で 存在

「人と人との間にあるもの」、それが「興味、関心」であり、「利益、利害関係」となるのです。
じゃあ「金利」は? というと、お金を銀行に預けていると「ある一定の期間の間に発生するもの」、それが「金利」でしょ。

このように語源を知ることで辞書に書かれている、やたらに多い「訳語」の意味も理解できおぼえ易くなります。


単語の意味なんかも推測できちゃいます

最近ニュースで話題となった二輪式電動スクーター、その名も“Segway”。発表前は空を飛べる乗り物が出るとか言われて、なにやらドラえもんの四次元ポケットから出てくる未来の乗り物を想像していたようです。

で、発表されてみたら只の電動スクーターだったので、メディアで散々叩かれていました。

ところで、この商品“Segway”の意味分ります?

「商品の固有名詞なんだから分るはずがない」と、皆さん言うかもしれませんが、語源を使えばすぐ分ります。

Segway seg way
道路から分離??
空を飛ぶ??
タケコプター??
分離 道・道路

「道路からの分離」と言うネーミングを付けられれば、誰もが空を飛ぶ乗り物と思うでしょう。あえて和訳するなら「タケコプター」なんてのがピッタリくるものです。話題を先行させるために、こんな大そうな名前を付けたのかどうかは知りませんが、それが只のスクーターでは、皆さんガックリするのも無理はありません。

まあいずれにせよ、語源を使えば本当に知らない単語でも、意味が分っちゃったりするのです。

これが“Segway”??

これが「空飛ぶ乗り物」か??


★ちょっと例外もあるけれど・・ご愛嬌

例えば“hum”という語源があります。皆さん“hum”の付く英語を考えてみて下さい。真っ先に浮かぶのは“human”「人間」という単語でしょう?

でも実は“hum”という語源は「地面」という意味を表すのです。一体どう考えれば「地面」から「人間」と連想出来るのか? 「地面」に立っているものだからそうです。そんな無茶な!!こじつけもいいとこです。

日本語でお互いに支えあうから「人」と書くとか言われますけど、英語で「こじつけ」(シャレか?)みたいなことを言われたら面食らっちゃいますよねえ。

でも“hum”が「地面」を意味するのは本当です。例えば・・

humiliate humili ate
侮辱する 地面 動詞化

相手を低い所(地面)におく → 「侮辱する」

exhume ex hume
(死体を掘出すために)地面を掘る 外へ 地面

以上のように「地面」関する単語が多数存在するのです。


★でも語源を覚えるとやっぱり便利です

語源で分りにくいのはこのような「こじつけ」(シャレ?)のようなものがある為、例外のようなケースが多く初心者は混乱してしまうからなんですね。またスペルの変化も多く、どこが語源の部分が分り難いのも理由の一つです。

この複雑さが語源による勉強法が広まらない理由の一つなのでしょう。実際TOEIC600〜700程度ならば、複雑なパターンの語源を憶えるよりも、単語の「訳語」を丸暗記した方が早いかも知れません。

私も語源による勉強法は以前に聞いたことはあったのですが、マイナーな勉強法だった上に、分り易いテキストもなかったので、語源については見向きもしませんでした。語源を勉強し始めたのはTOEICスコア775を取ってしばらくした後で、比較的最近になってからです。

海外関係の資格の勉強を始める前準備として、従来よりもレベルの高い単語を覚えようとしましたのですが、どうにも単語が覚えられませんでした。同じようなスペルの単語と混同してまうし、類義語の意味の違いも英英辞典なんかを引いても全然説明されてません。また英文を読んでいても滅多に出ない単語なので、忘れる確率も高くなります。

単語を意味もなく丸暗記しようとしても、その数には限界があります

しかし語源を覚えれば、分らない単語があっても語源からその意味を推測できますし、英英辞典を引かなくてもその単語のニュアンスの違いを語源から知ることが出来ます。語源を覚えることで、単語の推測が可能になり、また単語の意味をより深く知ることが出来る。まさに一石二鳥の勉強法です

私の印象で言わせてもらえれば、英単語でも二音節の単語は7割程度、三音節以上の単語は9割以上の単語が語源により分解・説明が可能となっています。(ウソじゃないから辞書を引く都度語源を見てね!)ですから単語を暗記するのに語源は欠かせないものとなっています。そうそう、ネイティブスピーカーも単語は語源から覚えていますからね。

それにしても、もうちょっと早く「語源」を知っていれば、英語の勉強も楽が出来たのになあ・・・・・。


テキストの紹介

先程述べた通り語源は若干勉強しにくい点がありますが、最近は分かりやすいテキストもいくつか出てくるようになりました。以下のテキストをじっくり読んで語源について学習してみて下さい。その後は分からない単語を辞書で引くたびに語源の説明も読んでいけば、自然と単語を語源から理解する習慣が身に付くと思います。

 お薦めの語源のテキスト!

◎英単語倍増術  ちくま新書

TOEIC 700〜
語源についての説明だけでなく、波乱万丈の英語変遷の歴史を面白く説明しています。語源を勉強しようとする方はまずこの本を読んでみて下さい。きっと語源への興味が深まるはずです。

◎語源でふえる英単語 ジャパンタイムズ

TOEIC 700〜
語源の勉強法が分かり難い理由は、先に述べた「こじつけ」的な意味があることですが、この本はその点も含め語源を一番分かり易く説明しています。始めはこの本から勉強してみて下さい。

◎英単語飛躍増殖辞典 創拓社出版

TOEIC 700〜
説明している語源の数は一番です。タイトルの通り語源の辞書として使って下さい。

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