No.287
コング斉藤日本デビュー戦
↑ゴング昭和52年11月号より
米国本土で5戦5勝5KOを記録した日本人ヘビー級選手コング斉藤の日本初試合。
重量級期待の星ということでTBSが夜8時からのゴールデンタイムで生放送。
対戦相手のランドはカリフォルニア州ヘビー級2位という触れ込みだったが
1年半も試合をしてないという話。
しかしスパーリングでは相手のヘッドギアを吹っ飛ばしてダウンさせたという新聞記事も。
オリンピック予選であのG.フォアマンと対戦したという文章も(勝敗不明、だがフォアマンの負けはないだろう)。
ランドはTBS朝の情報番組「おはよう700(セブンオーオー)」のザイール・ロケのテーマ曲「イン・ザイール」で登場。
コング斉藤は試合前のインタビュー(録画)で「勝ちます」と自身満々。
入場曲はM.ファーガソン版の「ロッキーのテーマ」だったと記憶している。
試合は第1R、動きの悪いランドが届くはずもない位置から大振りのフック、場内失笑。
斉藤はスピーディーな左ジャブ。ランド早くもよろよろと足元がおぼつかない。
第2R。出会いがしらのストレートでランドがダウン。
辛うじて立上がったランドだが、続く斉藤の左フックで再びダウン。
このフックは触れる程度の軽いものに見えたがランド立上がれずに斉藤のKO勝ち。
放送席のアナウンサーはしばし言葉が出ず、
解説の具志堅用高氏(当時現役の世界J.フライ級王者)は
「ちょうちぇんちゃ、れんしゅーしてなかったんじゃ、ないですかね」
と迷言。
あまりにもあっけない結末に試合前の斉藤フィーバーは吹っ飛び
しかもこの後5連勝前にハワイで2連続KO負けを喫していたことが判明。
コミッションは戦績を6勝(6KO)2敗に訂正。
斉藤はこの後も2連続KO勝ちしたが
78年6月19日、2階級下の日本ミドル級4位長岡俊彦(猪木・アリ戦時猪木のスパーリング・パートナーを務めた選手)に
2RKO負けして実際の実力を露呈してしまい、
その後は全く聞かなくなった。
TBSがボクシング・格闘技関連でなんかあると思い出される存在となってしまった。
1977(昭和52)年9月4日 東京・後楽園ホール
観衆2500人
1.東日本新人王予選4回戦
○甲斐浩二(KO、2R2:40)工藤勝治●
2.4回戦
△中村正三(引き分け)淵上誠志△
3.4回戦
○若林幸男(KO、1R0:45)拳五郎●
4.4回戦
○山田浩一(判定)金城達雄●
5.8回戦
○杉谷実(KO、4R2:10)小野寺純二●
6.10回戦
○コング斉藤(KO、2R0:28)ストーニー・ランド●
(2006.0815)
記録など、日本スポーツ出版社 ゴング1977年11月号より
ボク闘奇譚に戻る
目次に戻る
SAMEDASU扉に戻る