No.286
ミッキー・ローク
ハリウッドスターの必殺猫招きパンチ

1992年6月、現役ハリウッドスターのミッキー・ロークのプロボクシング試合が両国国技館で行われた。
旧ソ連からの輸入ボクサー、ユーリ海老原(のち勇利アルバチャコフに改名)初の世界挑戦だったが
日本人ではないユーリの集客力に協栄ジムが疑問を持ったかでこのカップリングとなった。
一応ダブルメインとされていたが、試合順はロークの方が後。
会場はいつもの観客と違う若い女性やカップルがローク目当てで多数来場したそう。
ユーリが倒し倒されの名勝負で旧ソ連出身者初のプロ世界王者の栄光を掴んだ後、
豹柄のスケスケシースルーのセクシー?なトランクスを履いたロークがリングに登場。
映画「ナインハーフ」の路線か?
91年にプロボクシングデビューしたロークのここまでの成績は2戦1勝1分け、2戦とも4回戦。
しかし試合内容は芳しくなく、カリフォルニア州コミッションはライセンスの発行を見送っているそう。
またこの年7月にロンドンで計画された試合もコミッションがライセンスの発行を却下したため中止になっているそう。

対戦相手はネイティブ・アメリカンのダリル・ミラー。
戦績は36戦18勝(5KO)15敗3分け、とか
40戦7勝(3KO)31敗2分けとかさまざまな説がある。
年齢も来日前は1942年生まれの50歳!!という情報が流れたが来日した本人は「ロークと同じ38歳」と説明。
オール・インディアン選手権の獲得経歴もあるとか。

さて試合の方は1R、
左ジャブからロークが相手の顔を上から下へなでるような右のパンチを炸裂させて
ミラーをダウンさせ、
もがくミラーは立上がろうとするがこのままKO負け。
ハリウッドスターがワンパンチで圧勝。
しかしあんなパンチが効くのか?とものすごく疑問に思った。
それはともかくハリウッドスターが
プロボクシングの公式戦を日本で行ったというのはそれなりに意義があったのでは?


1992(平成4)年6月23日 東京・両国国技館
「THE BOXING RENAISSANCE'92
BIG STAR'S BIG FIGHT」
観衆1万人

1.4回戦
○浜田拓哉(判定)柳明広●

2.東日本新人王予選4回戦
○アンドレー文太(KO、1R2:11)宮下浩文●

3.8回戦
○新井泰(TKO、5R2:29)土屋光太●

4.8回戦
○深谷博昭(TKO、5R終了)岡田勝●

5.WBC世界フライ級タイトルマッチ12回戦
○ユーリ海老原(KO、8R2:59)ムアンチャイ・キティカセム●
*ユーリが王座奪取。

6.6回戦
○ミッキー・ローク(KO、1R2:08)ダリル・ミラー●

*ちなみに放送はテレビ東京。

(2006.0815)

記録など、ベースボールマガジン社 ボクシングマガジン1992年8月号より



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