No.121
ネオ切鮫劇場8・呼吸法対決
＊このコーナーはフィクションです。
＞ハリー・レイスって僕は馬場さんとの試合をビデオで少し見た事
＞だけしかないんですけど、僕の親父が「レイスってウマい王者っ
＞て言われてたけど、結構強かったぞ」って言ってたのが印象に
＞残ってます。（T-ago ）
レイスか！いいネタ見っけた！
レイスのビデオがあったら、再生しながら自分の耳に集中してみろ！
どうだ？何か聞こえるか？
｢グワッハ、グワッハ､グワッハー｣
そういう音が聞こえないか？
何の音だかわかるか？
・・・それはレイスが呼吸する音だ！
その呼吸法で息を整え長丁場の防衛戦を乗り切るんだ。
｢グワッハ、グワッハ､グワッハー｣
そして俺はもう一人､呼吸法の達人を知っている！
耳を澄ませてみろ！
聞こえないか？短いが､確実な呼吸音…
「へへ！へへ！へへ！へへ！へへ！へへ！へへ！」
そう・・・わが日本のドラゴン社長だ。
俺の中ではレイス対ドラゴン、夢の呼吸法対決だった。
おそらく60分じゃ決着つかないだろう。
「へへ！へへ！へへ！へへ！へへ！へへ！へへ！」
｢グワッハ、グワッハ､グワッハ｣
「試合開始から７０分が経過しました驚異のマラソンマッチ、
NWA世界ヘビー級次期挑戦者決定戦、元王者ハリー・レイス対
日本の若きエース、ドラゴン！」
「誰だよ今日の試合時間無制限一本勝負でやるなんて決めたのは！」
「そんなこと言ってもどちらかが勝たないと次の挑戦者が決まりません！」
「俺ぁもう終電に間に合わないよ〜！ドラゴン、早くそのキーロックをはずしてくれー！」
「館内から悲鳴が上がっております、
それもそのはずドラゴンのキーロックは約２０分近くも続いているのであります。
締めつけられたレイスの右腕はロウソクのように真っ白であります」
「へへ！へへ！へへ！へへ！へへ！へへ！へへ！」
｢グワッハ、グワッハ､グワッハ｣
「頼むー、家に帰らせてくれー！」
「ドラゴン、試合時間８０分を過ぎていますが余裕十分、
おっとレイスがキーロックの状態からー、ドラゴンを持ち上げるか、
持ち上げるかぁー、持ち上げ・・・られない！しかしキーロックほどけました」
「よっしドラゴン、ラッシュラッシュ！」
「ドラゴン、師匠譲りのローキック、ローキック！連発です」
「キーロックよりローキック！いけえ！」
「しかしレイス、ドラゴンの頭を抱え込んで再びグランドへ。このへんさすが試合巧者」
「試合巧者じゃなくていいから！」
「レイス、ショートレンジからドラゴンの頭部にニーを落としていきます」
「もうすぐ日付けが変わるぞ、全女の興行より長いぞ！」
｢グワッハ、グワッハ､グワッハ｣
「へへ！へへ！へへ！」
｢グワッハ、グワッハ､グワッハ｣
「レイス！早く大技出して決めろ、いや決めてくれ！
もうどっちが勝ってもいいよ、頼む、俺は眠いんだ」
「館内がざわついております、９０分経過のアナウンスが聞こえました場内、
しかしレイスの太鼓腹は波打ってはいますが顔色は全くといっていいほど変わりません、まだまだやるつもりか」
「レイス、大技だ！大技を出してくれ！頼む・・・」
「おーっと、解説の切鮫さんもはやダウンかあ〜！
観客を睡魔の世界へと誘うレイスのスローファイトは〜、もはや催眠術の世界なのかー！」
「・・・・・」
「おーっとレイス、ドラゴンの頭をロックして、ブレンバスターの体勢！
ブレンバスターか！ブレンバスターか！バーティカル・スープレックス！
持ち上げるか、持ち上げるか、持ち上げた！持ち上げた！ブレンバスター！ブレンバスター！
ドラゴンバックにまわった！バックにまわった！逆さ押さえ込み！逆さ押さえ込み！
カウント！カウント！カウントは！・・・」
「・・・・・」
「はっ！夢か、ここは・・・？」
「切鮫さーん、解説中に居眠りしちゃいかんですよ、今１２０分経過したところです」
‐完-
（初出：旧演撃カフェ2002･0927、5517）
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