No.1
UWFインター、ダブルバウトのルールについて

(注)ダブルバウトとはUWFインターで行われていた独特のルールのタッグマッチ。
1チーム持ち点21点より始まりロープエスケープ、ダウン、被スープレックスなどで減点されてゆき0点になったチームの負け。
無論0点になる以前のギブアップ、ノックアウト決着もありうる。

10月23日のUWFインター武道館大会のダブルバウトにおいて、
オブライトの出番が一度もないまま試合が終了してしまうという事態が生じた。
このようなケースは2度目である。
このような結末はあってよいのだろうか。こうなった選手、またそのファンの落胆は計り知れない。
ダブルバウトにおける選手の出番なしは、かつての新日プロにおける両者フェンスアウトと同じぐらい不満が残ると私は思う。
そこで、そういった事態が起きないための補則ルールを提案する。

一、先発した選手が一度も交代することなく敗北した場合、その選手はすみやかにリングより退場し、
控え選手がリング内に入って試合は続行される。
この場合、相手チームは後発選手からもさらに勝利を得ない限り、チームとして、試合の勝敗は決定しない。

つまり、先発選手がノータッチのまま負けてしまった場合、
相手チームは残り選手からも勝ちを取らないと試合は終了しないというルールを設定するのである。
この場合、相手チームの先発選手もノータッチのまま闘い続けていることも考えられるが、
その選手が負けた場合は、やはり同様の処置をとる。

一、互いのチームの先発選手同士は、どちらか一方の選手がダウン、ロープエスケープ、スープレックスポイントによって
ポイントを失うか、関節技、絞め技などによるレフェリーのシュートサインが出るまで、控え選手と交代することはできない。

このルールは、最初のタッチの形式化を防止するためのもので、ゴング後にやる気のないローキックを2,3発繰り出して、
さっさと交代するという行為を禁じるためのものである(そのような態度の選手はいないと思うが)。
一、先発選手がノータッチのまま試合を続行している場合、その選手は15点(シングルバウトでの一人の持ち点に相当)
を失った時点で退場、控え選手がリング内に入って試合は続行される。
この場合、後発選手の持ち点は、いかなる場合(たとえば17点を失っていたとしても)持ち点6からのスタートとなる。

基本的にルールは、どのような事態にも対応できるよう厳密に作成されていなければならない。
だが、初めから完全な形のルールなどありえない。
実践することによって、さまざまなケースが生じ、それにらに対応できるよう検討していく姿勢が望ましいのだ
(この補則ルールにともなってダブルバウトの戦略も大きく変化すると思われるが、ここでは割愛する)。

現在の日本マットは他団体時代である。
他の団体との徹底した差別化、独創性が観客動員に結びつくひとつのカギになることはいうまでもない。
私はJWPのすべての試合が2フォールカウントマッチでもいいと思う。

(「週刊ファイト」1992年12月24日号・NO1288 読者のページに掲載)
*この文章は週刊ファイト編集部に使用許諾請求済。
週刊ファイト掲載時は別ペンネーム。

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