【57】



【57】12月9日
蔵前国技館
▽格闘技世界一決定戦時間無制限1本勝負
○A.猪木(RSC、21:27)ウイリエム・ルスカ ●

テレビマッチ。同年2月日本武道館で初対戦した両雄の再戦。
前回は「プロレス対柔道」の特別ルールだったが今回は通常のプロレスルール。
ルスカは試合前、カール・ゴッチと結託、トレーニングを共にして東スポには「ゴッチ・ルスカ新流派結成」などの記事も。
赤のタイツ、レスリングシューズに上は柔道着、紅白の帯といったスタイルで登場したルスカはレフェリーチェックの後猪木に握手を求める。
猪木が握手に応じるとルスカは一瞬のうちに猪木を投げ腕ひしぎ逆十字固めを決める。
このゴング前の奇襲により猪木は右腕を痛める。しかしこの行為は試合開始前。セコンド、レフェリーが両者を分ける。
村松友(み)氏は「なぜ、開始ゴング後にやらなかったのか。ゴング後でも猪木は握手に応じたはず」といった意味の文章を書いている。
1910年シカゴでのフランク・ゴッチ対S.ズビスコでも握手と見せかけての奇襲というのがあったそうだ(ゴッチの秒殺勝利とされている)。
ゴッチは怒って猪木側につく。猪木はしばしのドクターチェック後再登場。
試合は中盤、猪木の逆エビ固めをルスカ、脚力で強引に返す。猪木頭からマットに突っ込んで首を痛めた様子。
後年このときの話が良く出てくるところを見ると相当重傷だったのでは。
この辺はプロレス1年生のルスカのヘタクソなところが出てしまったのだろう。
この後試合は荒れ気味になり、バックドロップの応酬のあと場外戦、猪木が鉄柱攻撃でルスカを流血させ、
リングに戻ってナックルパート連打、レフェリーストップで猪木の勝ち。
試合後ゴッチが保持するベルトが猪木に寄贈された。

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