No. 257 プロレスリング・ノア 「The First Navigation ’06〜最終戦」田上対秋山
プロレスリング・ノア 「The First Navigation ’06〜最終戦」
2006(平成18)年1月22日 東京・日本武道館
同行者=千里眼
前日の関東地方の大雪でまだ白さが残る北の丸、武道館にはせ参じる。
【田上-秋山】
ロックアップからブレイク、秋山のヘッドロックからタックル合戦、
田上、相撲の立会いのような構えからのブチかまし、その後張り手合戦。
一転して静かなリストロックの応酬。田上サミング。
ビッグブートの応酬から、コーナー上に登った秋山を田上がビッグブートで落として何とトペ!
場外戦、田上が秋山を持ち上げて喉元からフェンスに落とす、秋山苦しそう。
リングに戻って田上が馬場を彷彿とさせる椰子の実割り2連発からギロチンドロップ。
田上さらに河津落としから胴締めスリーパー、5分経過。
ロープブレイク後田上が秋山を抱え上げて喉元からロープに落とす。
さらにコーナーで田上のビッグブート、しかし秋山、タックルで突進してきた田上をショルダースルーで場外に落とす。
秋山、場外の田上に向かってエプロンから助走をつけてのジャンピング・ニーアタック。
これが田上の後頭部を直撃。
さらに秋山、もう一発、今度は背中にヒット、勢いでフェンスに激突する田上。
秋山リング内で田上の後頭部にニーアタック2発。
コーナー最上段から跳んでニーアタック。
コーナーで秋山がエルボー攻撃、コーナーにへたり込んだ田上に秋山走りこんでのヒザ、顔面。
そして秋山のフロントネックロック。
ロープブレイク後、田上がチョップで反撃、持ち上げてのバックドロップ。10分経過。
田上、コーナー上に登った秋山にドロップキック、さらにのど輪落とし。
田上、自分がコーナーによじ登り、飛距離のない落ちるようなフライング・ボディプレス。
田上、パイルドライバーの体勢、秋山踏ん張ってショルダースルーで返す。
秋山、突進する田上の膝にドロップキック。
さらに秋山走りこんでのニーリフト2連発。
秋山がエクスプロイダーの体勢、これはロープブレイク。
戦場は花道に。秋山助走をつけて何かを狙うが、田上カウンターのビッグブート、
さらに田上が花道から場外への奈落式のど輪落とし。
田上、グロッギーの秋山をリングに放り込んでボディプレス、これはカウント2。
田上チョップからのど輪落とし、さらにパワーボム、反動で自分も尻餅をつく田上。15分経過。
田上、コーナー上からののど輪落としを狙うが秋山これを防いで田上を落とす。
さらに秋山が逆襲のジャンピング・ニーアタック。
走りこんでのニーリフトからエクスプロイダー、カウント2。
秋山フロントネックロック、締め上げてから自らほどいてフォール、カウント2。
秋山再びエクスプロイダー、カウント2。
コーナー上の攻防、秋山雪崩式のエクスプロイダーを狙うも返されて逆に田上が雪崩式のど輪落とし!
しかし何とか秋山カウント2で返す。
田上ここでジャンプして何と延髄斬り、これが幻の「16文延髄」か!?20分経過。
秋山ニーアタック3連発、カウント2。
さらに田上の背後から後頭部にジャンピング・ニーアタック、これが決まってカウント3。
秋山が3年9ヶ月振りに王座戴冠。
試合後は両者握手の光景も。
ヘビー級のスケール大きい戦いはなかなかの迫力。しつこいぐらいの秋山の膝攻撃。
【小橋、泉田-曙、力皇】
レゲエ風の入場曲に載って曙&力皇の同期生コンビ(大相撲で)が入場。
曙が小橋を挑発したためか、先発から小橋対曙の対戦となった。
小橋、曙の胸板にチョップ打つも、はね返されて通じず。
曙、小橋に張り手をかましてからリフトアップして叩きつける。
力皇入っての合体殺法、小橋場外に。
曙、トペをやる振りからダッシュしてスライディングキック。
場外で小橋を攻撃する曙、けっこうノリがいい。
しかしここで泉田が小橋救援のため場外の曙にプランチャー。
曙痛そう。リングに戻って小橋チョップ。
倒れた曙にチョップ連打。さらに小橋フェースロックから顔面にチョップ。
泉田が曙にダイビングヘッドバット。小橋が泉田の頭を押して加速をつける。
しかし曙、泉田をロープに振って、横抱きにして叩きつける、これが64!
さらにダウンした泉田にブッチャーばりのエルボードロップ、小橋が入ってカウント阻止。
ここで曙が力皇にタッチ。力皇対小橋の局面、コーナーで力皇がストンピングからヘッドバット。5分経過。
小橋、キッチンシンクから河津落とし。さらにチョップ連打。力皇ボディアタックから曙にタッチ。
曙張り手、ロープに振ってスリーパー。小橋苦悶の表情。
ロープ際、小橋をふんずける曙。さらに救出に出た泉田も張り手で倒して踏みつけ攻撃。
小橋と泉田、二人を両足で踏みつける曙、そこに力皇も乗る!
力皇、小橋にフットスタンプ、花道で小橋と力皇がチョップ合戦、小橋DDT。
小橋タッチ、換わった泉田がSTFを披露、10分経過。
再び小橋対力皇、力皇をコーナーに釘付けにしておいて小橋のチョップ連打。
小橋、力皇をスタンドでひっくり返して胸板にエルボー落とし。
さらに小橋がコブラツイスト、これを曙が入ってカット。
小橋、曙にチョップ、しかし曙が小橋を突き飛ばす、ぶっ飛ぶ小橋。
再び小橋、力皇にチョップ、しかし力皇突っ張りでコーナーに小橋を押し込む。
さらに力皇、小橋の顔面に張り手敢行。
しかし小橋、回転しての裏拳チョップからハーフネルソンスープレックス。
力皇逆襲、頭からのぶちかまし、曙にタッチ。
曙がコーナーに上がるが、泉田がアシスト、小橋が曙をパワーボム気味に叩きつける。
これは曙、一応は受け身を取ったがかなり効いたよう、コーナーにへたり込む。
小橋がチョップ連打、さらに泉田がビッグブート、15分経過。
曙張り手、泉田モンゴリアンチョップから頭突き、曙倒れる。
泉田コーナー上から小橋のアシストつきでボディプレス、カウント2。
泉田のど輪落としを狙うも、さすがに曙を持ち上げることは出来ず、モンゴリアンチョップからのヘッドバットに差し替え。
しかしここで曙が逆襲ののど輪落とし、力皇が入ってコーナーに詰めてダブルのぶちかまし。
そして!曙と力皇二人がコーナー上に上がる!
二人揃って手刀を切って土俵入りのポーズから、同時ダイビング、重ね餅でのフライング・ソーセージ!!
ちょっと当たりが浅かったように見えたがインパクト充分の合体技、これが泉田を仕留めてカウント3。
大相撲同期チームが合体殺法で見事勝利!
曙軽くダンス、リングに一礼して退場、最後にちょっと小橋と視線を交わす。
【KENTA−丸藤】
ノアジュニア頂上決戦か、序盤からヒートした展開。
ロープワークからのキックの応酬は両者かわしてヒットせず。
ロックアップからKENTAの張り手、丸藤応じて張り手合戦。さらにローキックの応酬。
丸藤ドロップキック、KENTAフロントネックロックでグランドに引き込む。
しかしグランドレスリングでは丸藤が圧倒、たちまちマウントポジションを取って肩固めの体勢。
丸藤ヘッドロック、KENTAこれをはずして蹴り、張り手、KENTAのブレンバスター上がらず、ダブルアームスープレックスに移行。
KENTA、座った状態の丸藤の胸板、背中、顔面に蹴りの連発。
丸藤立ち上がってエルボーで逆襲。
KENTA、丸藤を場外に落として鉄柵に叩きつけて蹴りで吹っ飛ばす、5分経過。
リングに戻ってKENTA、蹴りからキャメルクラッチ。
丸藤脱出してKENTAの足にスライディングキック。
さらに場外で鉄柱にニークラッシャーの体勢で叩きつける、さらにフェンスを使った足殺し。
KENTAの蹴撃を封じるための足攻撃か、丸藤考えている。
丸藤エプロンからのドロップキック。
さらにリング内に戻りかけのKENTA、ロープ際でリングに入るかはいらないかの状態のKENTAの足を取ってドラゴン・スクリュー。
これがねじれた状態でロープでストッピングされてさらに痛そう、KENTA苦悶の表情。
この動きはDスクリューの歴史の中でも新しいムーブではないか。
リングに入って丸藤レッグロック、10分経過。
KENTAの蹴りを封じるために足に集中攻撃を掛ける丸藤の動きは理にかなっていて試合の方向性を明確に示している。
丸藤なかなかのセンス。ロメロスペシャルの体勢から丸藤、技をはずしてKENTAの背中をふんづける。
丸藤コーナーでエルボーからコーナー上、雪崩式ドラゴンスクリューから足4の字固め、全日社長の必殺足殺しコース。
ロープブレイク後丸藤の顔面キック。
張り手合戦のあと丸藤高速タックルでKENTAを倒して素早くマウントポジションを取って、こぶしを握って威嚇。
ブレイク後KENTAキックからパワースラム。
KENTA、ジャンプしての正面顔面蹴り。エプロンに出てのドロップキック。
KENTA、ビッグブート連発からフィッシャーマンスープレックス。
しかし丸藤、ロープワークでKENTAを場外に落とすと、助走してのノータッチダイビングでのミサイルキック!
もの凄い飛距離に場内どよめきと拍手。
丸藤フライングエルボーからキック、バックドロップから回転して押さえ込み、カウント2。
丸藤、コーナー上からKENTAの頭部に飛距離のあるドロップキック。
さらに不知火を狙うがこれは不発、KENTA場外戦でデスバレーボム、20分経過。
KENTA、ミサイルキックからジャーマン、さらに両腕を決めてのタイガースープレックス。
これを回転してかわした丸藤がバックを制してスープレックスのお返し。
コーナー上に上がった丸藤を捕まえたKENTAが雪崩式デスバレーボム、カウント2。
ジャーマンスープレックスからのバックの取り合いから
丸藤がKENTAをロープに押し込んで後ろに回転させる、「オコーナーズ・クラッチ!」(千里眼)。
これが外れると丸藤、両手を後ろから決めて引き倒すようにしてブリッジ、「オースイ・スープレックス!」(切鮫)。
クラッシックな技まで駆使して黄色い声援を送る女性ばかりか千・切のオールド・ファンまで喜ばせる丸藤の技量!
これにKENTAハイキックで攻撃、カウント2。
KENTAパワーボムの体勢から丸藤をコーナーにたたきつける。
さらにKENTA、パワーボム、場外に落ちる。
丸藤キックからエプロンで不知火の構え、キックをはさんで奈落式不知火。
KENTAが上がってきたところをコーナー上からのドロップキック、ブレンバスター。
丸藤コーナー上からの雪崩式不知火、KENTA返す、25分経過。
さらに丸藤リング中央で正統スタイルでの不知火炸裂、しかしKENTAカウント2で返す。
KENTAフィッシャーマンスープレックス、両者ナックルパンチの応酬からキック合戦。
KENTA、丸藤のアゴに膝蹴り、カウント2。
KENTA、後ろから丸藤の後頭部に跳び膝蹴り、さらにロープワークからのジャンピングしての正面蹴り。
これが決まってカウント3、王者KENTAの勝利、防衛に成功。
丸藤手を合わせて「ごめん」のゼスチャーで退場。
しかしながら序盤でのグランドレスリングでの攻め、
足殺しにテーマを絞った明確な攻撃、
会場を沸かせた場外へのミサイルキック長距離弾、
オールド・ファンを喜ばすクラシックなテクニックの披露、
大技「不知火」に到るまでの展開、あるいはそのヴァリエーション、
最後に王者の技を受けきってのフィニッシュ(敗北)と、
幅広い客層を納得させる試合を終始展開した丸藤の技量を噛み締めれば
プロレス的な意味での真の勝者が誰であるかは明確であろう。
(2006.0123〜27)
プロレスリング・ノア 「The First Navigation ’06〜最終戦」
2006(平成18)年1月22日 東京・日本武道館
観衆1万6800人(超満員)=主催者発表
1.30分1本勝負
○志賀賢太郎、百田光雄(スモールパッケージホールド、7:43)川畑輝鎮、永源遙●
2.30分1本勝負
○ダコタ、佐野巧真、金丸義信(片エビ固め、18:32)斉藤彰俊、井上雅央、平柳努●
*コーナー上からの前方回転式DDT。
3.30分1本勝負
○小川良成、越中詩郎(スモールパッケージホールド、11:35)池田大輔、本田多聞●
4.30分1本勝負
○スコーピオ、SUWA、鈴木みのる(片エビ固め、7:18)モハメド・ヨネ、森嶋猛、菊地毅●
*コーナー上からの回転ダイビングプレス。
5.30分1本勝負
○ムシキング・テリー、三沢光晴、杉浦貴(ミストクラッシュ、17:53)佐々木健介、ムシキング・ジョーカー、中嶋勝彦●
6.45分1本勝負
○曙、力皇猛(片エビ固め、17:56)小橋建太、泉田純至●
*合体ボディプレス。
7.GHCジュニアヘビー級選手権60分1本勝負
○KENTA(片エビ固め、29:19)丸藤正道●
*飛び蹴り、KENTA5度目の防衛。
8.GHCヘビー級選手権60分1本勝負
○秋山準(体固め、20:31)田上明●
*ニーアタック連発、秋山が第9代王者。
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