No.264 「ハッスル14」 笑いが先か、プロレスが先か。
DSE「ハッスル14」
2006(平成18)年3月5日 横浜文化体育館
同行者=千里眼
最初にスクリーンで「これまでのストーリー」を紹介。同じ横浜文体のガイアも同じようなことやってた記憶が。
BGMは去る2月に逝去された伊福部昭氏の「地球防衛軍」のマーチ。
そしてリングにGM 鈴木浩子が登場。
さすが元女子アナ、饒舌に鈴木家のハッスル乗っ取りを宣言。
【第1ハッスル】
ハッスル仮面レッド、ブルー、イエローに、ゴダイゴの「モンキー・マジック」に乗って登場の御当地モンスターの「鬼妖拳(きようけん)」が対戦。
横浜→中華街→シュウマイ→崎陽軒、という発想か。
鬼妖拳、頭にシュウマイの形の着脱式の被り物を装着、これをつけていると強い、のか?
しかし取られると簡単にトーンダウン。ハッスル仮面側が逆に装着してパワーアップ?あっけない決着。
【第2ハッスル】
男子チームとの対戦を前に意気盛んなマーガレットとErica。
ひょんなことから出場を直訴した石狩太一を女装させて「石狩太子」として出場させる。
スカートや胸を気にする太子を尻目に大暴れのマーガレットとErica。
【第3ハッスル】
田中、金村が電撃ネットワークの南部虎弾と共に入場。田中は白いギターを携え、金村はコーナー上でダンスの振り付け。
南部は額にペットボトルの底を吸盤のようにくっつけて中のドリンクをお酌するパフォーマンス。
続いて「世界最強のタッグチーム!」と紹介されたチーム3Dが入場。
その呼称は全日本の最強タッグ決定リーグ戦に昨年優勝したからか。
すぐさま乱闘で試合開始。
ババ・レイと田中がチョップ合戦。レイがバックドロップ、ディーボン入ってダブルのショルダー・アタック。
今度は金村入ってフライング・ヘッドシザースからホイップ。
しかしディーボンがショルダータックル。
場外戦、しかしレフェリーが場外カウントを数えていない。
この団体はリングアウトカウントがないのか。
場外戦は延々と続けられ、舞台の上でも闘っているのが見える。
テーブル、バケツが次々と投げ込まれ、ハードコアタイムの始まりだ!
バケツ、ゴルフのドライバー、竹刀で攻撃する3D。金村早くも流血、5分経過。
さらに金村にラリアット、タックル。
田中には椅子攻撃、底が吹っ飛ぶジプシー・ジョー。
次々次々椅子が投げ込まれ、オースチンの缶ビール状態。
金村、ロープの反動でムーンソルト、カウント2。
さらにダブルのDDT、しかし3D、コーナー上から田中にヘッドバット。
10分経過、3Dハッスルポーズ。テーブルをセッティング。
コーナー上からパワーボム、さらに合体ネックブリーカー。
ディーボンが金村から3カウントを奪ってチーム3Dが圧勝。
3D、客席からお客のお子様を呼び込んで一緒にパフォーマンス。
さらに壊れたテーブルにサインを書き込んでプレゼント。
【第4ハッスル】ハッスルスーパータッグ選手権〜負けたら青木裕子その場で水着マッチ
さて、青木裕子は本当に水着になるのか!?
まずサンタ・エスメラルダのバージョンのさらにカバー?の「悲しき願い」で坂田、崔組が登場。
もちろん青木裕子も登場、でもおよそ水着になりそうとは思えない普通の服にGパン。
そして全国?のプロレスファンの期待を背負って天龍・安田組の入場、曲は高中正義の虹伝説「サンダーストーム」。
選手コール中に早くも乱闘スタート。天龍ペットボトルを投げつけ突っ込む。
天龍、坂田とチョップ合戦、しかしこの展開は天龍。
坂田、天龍をコーナーに詰めてパンチ。
胸に「借金王」の文字の入った黒いTシャツを脱がない安田に「安田早く脱げ〜」の野次。
「うるせ〜!」客に悪態をつく安田、(脱ぐのは俺じゃない)とばかりに着たまま試合続行。
安田-崔、崔が下から安田の足を取ってヒールホールド。
その間に天龍と坂田が場外戦。休んでる安田。
天龍、坂田にラリアット、パンチからコブラツイスト。
天龍、コーナー上から背面エルボー、さらに安田がタイガードライバー。
ダブルのタックル。青木裕子の昔のグラビアの水着写真を見せてアピールする安田。
「おら、ブス、早く脱げ」場外で青木裕子を追いかけまわす安田。
坂田、ブレンバスターを切り返して崔にタッチ、天龍にキックを連発する崔。
天龍逆襲、チョップ連発から「53歳」。坂田のカットが間に合ってカウント2(間に合わなくていいのに)。
天龍ラリアット、足を極めてテキサス・クローバーホールド。
リングに戻って天龍をプッシュしようとした安田の、後ろから忍び寄った青木裕子が蹴り!
怒った安田がまた場外で青木裕子を追い回す。
復活した坂田、天龍にパンチ、キック連発。
タッチした安田、青木裕子に「(脱ぐ)用意しとけブスこら!」
安田ダブルアーム・スープレックス、崔カウント2。
崔、安田のキックをキャッチしてドラゴンスクリュー。10分経過。
坂田にタッチ、二人で担ぎ上げるブレンバスターが安田に炸裂。
さらに崔のジャーマン、坂田のコーナー上からの両足フットスタンプ、
これが安田の腹に決まってカウント3、坂田組の勝利。
・・・・・・って、おいら全然面白くない。水着はどうした、とばかりに客席からもブーイング。
この後天龍と坂田のマイク合戦、意外にも坂田が喋りで天龍を圧倒。
【セミハッスル】
鈴木健想と浩子が先に登場、浩子は着物の袖や裾をたくし上げて勇ましいスタイル。
続いて「モンスターK」川田利明登場、入場曲はドヴォルサークの「新世界より」、よくわからない選曲。
この試合、健想が負けたらモンスター軍入りする条件で行なわれたが・・・
チョップ合戦でスタート、川田がキック。
健想サミング、ロープワーク、セコンドの浩子が川田の足を引っぱって転倒させる。
浩子、コーナーに上がって何か仕込んでる。
近づいた川田に浩子、白い粉攻撃!
さらに浩子、川田の首に飛びついて旋回式DDT。
倒れた川田に健想、ジャンピングニードロップ、これは豪快。
健想、クローで川田をつかみ上げて、大外刈り。
健想、コーナー最上段に上がりフライングニードロップ、しかしこれは自爆。
そこに浩子が入って再び粉攻撃、しかしこれも自爆。
川田が浩子をアトミックドロップ状態で抱え上げる。
そのまま川田が浩子を健想めがけて放り投げたものだから、受け止められた浩子は健想の肩の上。
そう、この形は、「空中元彌チョップ」!
不安定な格好であらあら、おたおたするおもろい夫婦。
そこに川田が浩子の手を取って健想の頭にチョップ、あらっ、「空中浩子チョップ」!?
夫婦がクラッチしたまま倒れたところを二人まとめて「夫婦まんぐり固め」に押さえ込んだ川田が3カウント、フォール勝ち。
試合後はマイク、川田が「負けたんだからいさぎよくモンスター軍に入るんだな」
すると浩子「だってー、契約書交わしてないもーん、契約書なかったら守らなくてもいいもーん」と苦しい言い訳。
しかし川田「清い身体になって考えるんだな」と言って去る。
健想を助け起こして退場する浩子、戦う夫婦善哉。
【メインハッスル】
試合前のプロモではHGの腰振りに「教育上好ましくない」と抗議するPTAと称するおばさんたちが
「腰ふり反対」のプラカードでアジテーションを展開。
「軍艦マーチ」で入場するアンジョー、佐藤耕平、そしてマスクマンのモンスターPTA。
リング上はPTA軍団のプラカードでいっぱい。
しかしHGは自分と同じコスチュームで揃えた子供たちとともに登場。
さらにHGがマイク。
「腰振り腰振りって言ってますけどね〜、
このお子さんたちは誰が腰を振ったから生まれてきたんですか〜。
あなた方のところのお父さんたちでしょ〜。
お父さんのための晩御飯のしたくはどうしたんですか〜。
さあ早く帰って晩御飯の支度でもしなさ〜い、あ、帰れっ、帰れっ」
と絶妙の切り返し。
試合はTAJIRIとアンジョーで始まる、にらみ合いからTAJIRIがローキック。アンジョーがH.ホーガンばりの「YOU!」のポーズ。
フィンガーロックから腕の取り合い。回転して逃げるTAJIRI。
大谷と佐藤。大谷がチョップからキック。佐藤ハイキックからジャーマン。
HGとPTA。HGがヘッドロックを掛けながら腰を振るとPTAが手で腰の動きを止めようとする。
ロープワークからHGキック。グランドに持ち込んで大股開き式の変形吊り天井(桜庭の恥かし固めも少し入ってる)、
東スポによると「横浜ゲイブリッジ・メロメロスペシャル」が炸裂。
さらにほどいてHG、PTAをコーナーに詰めて下腹部での顔面ウォッシュ!これは恥ずかしい。
しかし代わった佐藤がHGを捕らえ逆エビ固め。さらにシュミット式バックブリーカー。
交代したアンジョーも腰へのストンピングからシュミット式、さらにSTFのような固め技でHGを責め立てる。
モンスターPTAも入って3人でHGの腰にストンピング。
PTAスイング式ネックブリーカー、さらにルチャっぽい複雑な回転の固め技。10分経過、HGピンチ。
PTAサソリ固めから佐藤にタッチ、コーナーにHGを叩きつけて3人連続突進攻撃。
さらに佐藤、HGをベアハッグからカナディアンバックブリーカー。
しかし脱出したHGはコーナー最上段に上がったPTAを捕らえて雪崩式フランケンシュタイナー。
さらにHGとTAJIRIのタランチュラの競演。
HGがPTAを抱え上げる、ツームストンパイルドライバーの体勢。
そのまま腰を振るHG、しかしPTAが反転して逆にツームストンを狙う。
ここでTAJIRIが毒霧噴射!
好アシスト?を受けて再び体勢を立て直したHG、再度ツームストン狙い、腰を振るとPTAの顔面にまたしても下腹部が当たる、69ドライバー。
そのまま落としたHGがカウント3を奪取、ハッスル軍の勝利だ。
するとここにモンスター軍が退去して乱入、ドサクサにまぎれて健想の姿も。
健想は次回名古屋大会で対戦するHGの特製マスクに手をかけ、マスク剥ぎを敢行。
HGのマスクが剥がされた!
音楽が鳴って(笑)小川が乱入。
エルガーの「威風堂々」で高田モンスター軍総統が登場。するとモンスター軍は舞台側に集結。
リング上のハッスル軍と舞台上のモンスター軍が睨み合い。
小川と高田がマイク合戦。「おい、チキンじゃねえかよ、懐かしいなあ、おい」
「オレはなあ、大晦日の男祭りのお前の試合見て泣いちゃったよ・・・・・・笑いすぎてな」
するとHG「横からインサート失礼します〜、健想選手、とうとう私を怒らせてしまいましたね〜。
名古屋ではあなたのウイロウのような一物を満天下にさらけ出して、私のテクニックでシャチホコのように反り返させてやりますよ〜」
高田総裁「いいものを見せてやろう」出されたのはインリン様が産み落としたとされる「イン卵」。
「こんなに大きくなった」・・・って卵が成長するわけないだろって。
「今日はここまでだ、諸君!また逢おう」
静かに去っていくモンスター軍を見守るハッスル軍。
「今日は一致団結できた」などと話した後、活躍したTAJIRIを真ん中にしてハッスルポーズ。
足を4の字にして「フォー!」
これでエンディング。
全体に演劇チックというかストーリー仕立てで、セリフがよく練れている。どの選手もよく噛まないでセリフが言えると考えると
これはもう台本の存在があって皆がそれで一生懸命セリフを覚えているとか、リハーサルを綿密にやっているとか、
逆にそういうことがなくてあれほど完璧な進行が出来ることの方が不自然に思える。
ただ3Dの試合以外は「笑い」がテーマのように思えて、
長いこと新日本の殺気だった会場の雰囲気や試合を見てきたおいらにはそういう部分での物足りなさはあった。
また試合を含む多くの進行が最後のマイク合戦に向けて進行しているようで、
何だかマイク合戦とハッスルポーズをやることがメインエベントのようにも感じた。
で今日の勝敗はつくんだけど必ず次回への振りがあって、ストーリーはネバーエンディングに続くという展開がパターンのようにも思える。
客層もコアなプロレスファンというよりは芸能人目当てのアベックやお子様連れ(HG効果?)などが多いように見受けられた。
というわけで感想は散漫。名勝負が生まれる土壌ではないし。
ただうまく流れに乗れば別の意味でめちゃくちゃ面白いライブが生まれる日もあるかもしれない。
(2006.0305-07)
DSE「ハッスル14」
2006(平成18)年3月5日 横浜文化体育館
観衆5250人(満員)
◎第1ハッスル(時間無制限1本勝負)
ハッスル仮面○レッド、ブルー、イエロー
(高速ウラカンラナ、4:38)ダーク・フォン・マエストロ・ツパイ、ダーク・フォン・マエストロ・アイン、鬼妖拳●
◎第2ハッスル(時間無制限1本勝負)
○マーガレット、○Erica、●石狩太子(同時フォール、8:59)ザ・モンスター℃○、カマキリジャック●、ザ・フライング・バンパイア25世●
*マーガレットがバンパイアを、Ericaがカマキリを、℃が石狩を同時フォールしたがフォール数の多いErica組の勝利とされた。
◎第3ハッスル(時間無制限1本勝負)
○ディーボン、ババ・レイ(体固め、10:52)田中将斗、金村キンタロー●
*合体ネックブリーカードロップ。
◎第4ハッスル・ハッスルスーパータッグ選手権〜
負けたら青木裕子その場で水着マッチ(時間無制限1本勝負)
○坂田亘、崔領ニ(片エビ固め、10:56)天龍源一郎、安田忠夫●
*コーナー上からのフットスタンプ。坂田組が第2代王者、青木裕子の水着姿は回避。
◎5.セミハッスル(時間無制限1本勝負)
○川田利明(エビ固め、4:33)鈴木健想●
*空中浩子チョップ。
◎6.メインハッスル(時間無制限1本勝負)
○HG、TAJIRI、大谷晋二郎(体固め、15:11)アンジョー司令長官、佐藤耕平、モンスターPTA●
*69ドライバー。
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