No.394 全日本プロレス「2009世界最強タッグ決定リーグ戦」後楽園大会
2009全日本プロレス
「2009世界最強タッグ決定リーグ戦」
2009年11月23日 東京・後楽園ホール
同行者=千里眼
【第6試合・公式戦】武藤敬司、船木誠勝vs長州力、征矢学
「パワーホール」が場内に響くとたちまち会場はヒートアップ。
会場人気では長州はまだまだ健在だ。
体の厚みも落ちていない。
先発は長州と船木。
長州も還暦近いこの年になって元パンクラスと対戦するとは夢にも思ってなかったのでは?
船木ローキック連発。
ロープワークから長州がテイクダウンをとってチンロックからフェースロック。
船木それを返して腕ひしぎ逆十字、さらに三角絞めに移行。
御小のUWFアレルギーがぶり返してストレス溜まっちゃいそうな船木の攻撃。
長州返してサソリ固めの体勢。しかしスタンドになって武藤登場。
長州リストロックから征矢にタッチ。
船木に代わって手四つからリストロック、5分経過。
船木グランドに動いて膝十字狙い、征矢かわす、しかし船木三角絞め。
征矢逃げるも船木回転して今度は両腕を制して羽根折り固め。しかしロープブレイク。
スタンドになって征矢フライングメイヤーからストンピング。
長州と武藤になって、長州サソリ固めの構え、武藤脱出。
ブレイク後、交代。征矢コーナー上からパンチ。
征矢、船木とブレンバスターの仕掛け合い。
船木ローキック、グランドに移行してクロスヒールホールド。
征矢張り手連発で何とか脱出を試みる。結局ロープブレイク。
武藤に代わって高速エルボー。征矢もエルボードロップを試みるがかわされる。
武藤、ドラゴンスクリューからサソリ固めの体勢、
しかしそのままグランドに誘い込みリバース・インディアンデスロック。
船木に代わるとアキレス腱固め、長州カットに入る。
武藤、征矢の足に低空ドロップキック。
征矢、コーナーに詰めてラリアートからパンチ。
武藤、ロープワークから足への低空ドロップキック、ドラゴンスクリュー、さらに足4の字、これはブレイク。
武藤と長州になって、長州ラリアートからサソリ固め、しかし武藤サソリ返しで応戦、グランドの攻防。
カットに入った征矢をキャッチした船木、チキンウイングフェースロック。
スタンドに移行して長州をコーナーに振って船木ジャンピングニー、さらに武藤がシャイニングウイザード、
そしてドラゴンスクリューから再びシャイニング。これは長州が手ではたき落したかどうか微妙。
長州ラリアート、船木と征矢に代わって征矢ブレンバスター狙いからラリアート、
船木回転しての変則な入り方の回転エビから腕ひしぎ逆十字固め、
さらに三角絞めに移行、これで決着。ギブアップかレフェリーストップかは不明。
船木は若い征矢が相手ということもあって多彩なグランドでのサブミッションを披露。
長州、意外とあっけなく、淡々と岐路に着く。
征矢はまあ、千里眼さんも申してましたが体型的に無我よりは長州のパートナーでいた方がいいかも。
【本日のゾディアックさん】
↓オープニングで例のポーズをやるゾディアックさん(オレンジのバンダナに注目)。
すでにF4入りしていたようで、
オープニングのF4のMCに、小島、KAI、大和ヒロシとともに何事もなかったように登場(笑)。
しっかもオレンジのバンダナを額に巻いて。
F4メンバー紹介で例の「ゾ!ディ!アック!のZのポーズ」のパフォーマンス。
あの初登場時のオカルトな雰囲気はどこへやら(笑)。
公式戦のコールの時は「270ポンド」とコールされる、「身長・体重不明」はすでに昔の話(笑)。
たーだ例の「ゾ!ディ!アック!」と叫びながら両手でZのゼスチャーをするパフォーマンスは出し過ぎではないかと。
あの回数は故・剛竜馬の「ショア!」ぐらいの乱発。
もっと「タメ」ってものを考えて、ここぞってところで出すようにしないと客に呆れられてしまいそう
(ってかすでに後半は明らかにに食傷気味、「またやんのかよ」って雰囲気の観客席でした)。
そういう意味でセルフ・プロデュース力に欠ける点あり。
試合内容では、曙の巨体を肩に担ぐドーリングの後塵を許しているようで、このままじゃピンチなんじゃないかなあ・・・。
現状ではタダのデカくて陽気なガイジンさんですよ・・・。
【第7試合メインエベント・公式戦】太陽ケア、鈴木みのるvs諏訪魔、河野真幸
愚連隊はボニー・タイラーの「HERO」で入場。
みのると諏訪魔でスタート。手四つの体勢からバックの取り合い。
諏訪魔がグランドでバックとるとみのるレッグロック。
ケアがタッチ求める、ケアと河野となる。パンチの応酬。
ケア河野を場外へ、フェンス攻撃。
戻ってケアフェースロックからクルスフィック、うつ伏せにしてフェースロック。
ロープブレイクからみのる登場。
膝蹴りからテイクダウンさせて背中にキック。
グランドで河野ブリッジ、しかし待ち構えていたようにみのるが腕ひしぎ逆十字。5分経過。
みのるチンロック、河野の額にエルボー鋭角的な角度で入れてケアにつなぐ。
ケア、パンチ、チョップ。河野お返しのチョップで応戦。
河野、両膝で体重をかけてケアの左腕を押しつぶすような攻撃。
これでケア左腕を痛める。
この後諏訪魔・河野組はケアの左腕を集中攻撃。
キーロック、ショルダー式、大巨人殺しなどさまざまな腕殺しのヴァリエーションを披露。
みのるカットに入って大きく対角線を走って河野に強烈なキック。
河野場外にぶっ飛ぶ。みのる、河野を追いかけて場外戦。
みのるリングに戻って諏訪魔にも攻撃を仕掛けるが逆に場外に落とされる。
河野に代わってショルダースルー、アームブリーカー、みのるカットに入るが失敗。
ケア、チョップで活路を見出そうとするが河野アームブリーカーから腕ひしぎ逆十字、
足でケアの頭部ををシザースしながらの独特で説得力ある攻撃。
諏訪魔にタッチ、執拗な左腕攻撃が続く。
しかし再び河野に代わった時コーナーに振られたケアがビッグブートで逆襲、さらに飛びつきDDT。
ようやくみのるにタッチ。みのるコーナーの諏訪魔に突進してキックで場外に落とす。
その後河野をコーナーに詰めて張り手とボディブロー連発。15分経過。
みのる卍固め、諏訪魔がカット。
河野脱出してドロップキック、手足が長いので見栄えがする。
タッチした諏訪魔、みのるをロープに振ってラリアート。
さらにコーナーへ振って串刺しラリアート、フロントスープレックス。カウント2。
みのる、ロープワークの隙を突いてケアにタッチ、見逃した諏訪魔後ろから攻撃され、ケアTKO。
諏訪魔フロントスープレックスで逆襲して河野にタッチ。
河野ジャンピングニーアタックから「オー」。さらにバックドロップ。
ケア、チョップから河津落とし、みのるが諏訪魔を場外に落とす。
みのるとケアでダブルのブレンバスター、20分経過。
諏訪魔のカットから河野にタッチ、ケアにジャンピングニー、ブレンバスター、アームロック、腕ひしぎ。
みのるがカット、諏訪魔入って投げっ放しジャーマン、ケアにも投げっ放し。
河野、ケアに飛びつき逆十字、諏訪魔はみのるにアンクルロック。しかしロープブレイク。
ラリアート狙いでロープに走った諏訪魔をみのるがキャッチしてスリーパー。
ケアは河野に首に飛びついてのギロチンネックロック。25分経過。
ケアTKO34th連発でカウント3の勝利をもぎ取る。
帰り際にちょっとみのるが諏訪魔の肩を叩く。健闘を評価したか。
【第1試合】渕正信vsヘイト
ヘイトは例によって消火器を持って入場。渕はトップガンの曲。
選手コールの際ヘイトは「85キロ」、渕は「230ポンド」とコールされる。
キログラムとポンドの使い分けの意味は?それにしてもヘイト、ホントに85kgなのか?
随分軽い印象。
試合は早くもヘイトが急所打ち。渕場外で悶絶。ヘイト追いかけて場外で痛めつける。
フェンスの外まで出て行って苦しがる渕、レフェリーのリングアウトのカウントは?
ヘイト、フェンス外まで渕を追いかけて行ってリング復帰。
渕反撃、ボディスラム4連発、腰を押さえてコーナーでへたり込む。
渕、バックドロップ狙いもヘイトエルボーで脱出、パンチ、レフェリー暴行。
渕、隙を突いてスモールパッケージを決めるも、レフェリーダウンしていてカウント出来ず。
渕がレフェリーを起こしに行くとヘイト消火器を手にして渕を殴る。さらに消火器発射。
そしてヘイトが丸めこみに行くがカウント2。
ヘイトがボディスラムに行くところを渕が絶妙のタイミングでスモールパッケージ、
これでカウント3。老獪さではまだまだ敵いません。
【第5試合・公式戦】小島聡、ゾディアックvs西村修、真田聖也
グループメンバーのマイナーチェンジは武藤全日本の特徴の一つ。
ゾディアックも遂にベビーフェース転向、F4入り(笑)。
そもそもゾディアック、って占星術用語で「獣帯」とかのことだそうで、
60年代から70年代でアメリカで起こった未解決連続殺人事件の犯人とされるターゲットの名前
(ウィキにも出てますよー)。
「ダーティ・ハリー」の1作目なんてその事件の真っただ中に製作された映画で、
「ハリー」に出てくる犯人「さそり(スコルピオ)」は実在のゾディアックをモデルにしたもんだ。
それがまあ、遂にBF転向だから、名前だけだと相当違和感あるわな。
あ、試合ですね。
ゾディアック、真田を持ち上げてコーナーの上に座らせて、
「ゾ!ディ!アック!」のポーズ。
…だからよう、乱発するなよって。
真田までポーズしようとする(未遂)。
真田ドロップキック連発、ゾディアックショルダースルーから小島にタッチ。
小島チョップ、真田ジャパニーズレッグロール。
西村入ってまず真田とファンクス式のパンチ気味ダブルエルボー。
西村スタンドでのアームロックからロープに振ってスリーパー。
真田と交代、真田フェースロック、5分経過。
小島、エルボー連発で真田をダウンさせて脱出、ゾディアックにタッチ。
ゾディアック、リングインするなり大きくダイブして真田をフォール、まだ早いって。
真田を大きく持ち上げて叩きつけ足をロックすると…
「ゾ!ディ!アック!」
やっぱりね…千里眼さん命名「ゾディアック固め」(笑)。
ゾディアック、コーナーに上がって真田に脳天チョップ、小島に交代。
小島コーナーでマシンガンチョップの連発。コーナーに真田を叩きつけて「いっちゃうぞ!」
しかしコーナー上に登った小島を真田落としてエルボーさせず。西村にタッチ。10分経過。
西村、コーナーに登ってニードロップ、ローキック、ニードロップ2発目は自爆。
小島ロープワークからラリアート、西村かわしてコブラツイスト、
さらに西村ダブルアームスープレックス。小島、ゾディアックに代わる。
ゾディアック、アックスボンバー気味のアタック。真田に交代、真田投げっ放しジャーマン。
ゾディアック、チョークスラム、タイガードライバー。
小島、サポーター投げてのラリアートは不発も呼び込んでのラリアートでつなげる。
ゾディアック、高角度のパワーボムで決着。
「陽気なガイジン」が勝利(笑)。
まあこの試合は西村があんまりやる気がなかった、というか
でかいゾディアックが苦手なのか積極的に絡まず、
古典技も何だかパッとせず、
意外と相手に合わせることが出来ない部分ってのが強調されちゃった感じ。
クラシックスタイルもいいけどそろそろ進化が必要なのかも。
【第4試合・公式戦】曙、浜亮太vsTARU、ジョー・ドーリング
曙、浜はアジアタッグのベルトを誇示しての入場。
VMはTARUがいつもの客席にペットボトルの水ぶっかけのパフォーマンスで入場。
浜が場外に落ちたらあまりにも重いのでドーリングとVMのセコンドの歳三ふたりで
「どっこいしょ」とばかりにリングに入れる、入れるというか押し込む。
TARUは曙、浜両者の超重量級ボディプレスをしっかり受ける(エライ)。
しかし最後はVMがレフェリーを落として
TARU、ドーリング、稔、歳三、ヘイトの5人がかりでのコーナー突進攻撃で曙を痛めつけ
とどめはドーリングが曙を肩に担いでデスバレーボム、これでカウント3。
曙を担いで投げたドーリングはやっぱり潜在能力高い。
まあ曙もスーパーヘビー級なのに真っ逆さまに落とされて受け身取ってるところなんか評価してもいいと思う。
【第3試合】TAKAYAMA(高山義廣)、NOSAWA論外vs稔、歳三
高山と論外はTシャツで入場、公式戦参加チームのたすきをかけている。
リングアナが高山、とコールしたところでVMが飛びかかり試合開始。
論外を場外に落として高山にダブルの膝十字攻撃。
ブレイクすると稔が高山のたすきを奪って自分がかける。それを高山が奪い返して敬礼ポーズ。
高山その後スモールパッケージ、回転エビ、ブレンバスターと見せかけての丸めこみ、
とらしくない攻撃でのピンフォール狙い(論外のマネか?)。
論外とタッチして二人での攻撃の後「そろそろ本気出すぞ」と宣言(笑)。
キックでフォール、カウント2。レフェリーにカウントが遅いとつっかかる高山。
逆に稔はレフェリーと抱き合う懐柔策(その隙に歳三が攻撃)。
高山と歳三になる、論外が飛び込んだところ、稔が飛びつき十字固め。
歳三も高山に三角絞め、しかし高山怪力で歳三をリフトアップして叩きつける。
それから膝のサポーターずらしてダッシュしてのニーリフト。
最後は歳三の両足を持って回転してブリッジ、ジャックナイフ式エビ固めで高山フォール勝ち。
前半とフィニッシュで考えてみると高山が「細かい技もやればできるんだよ」
って感じのテーマで進行させた試合、となるが果たして。
【第2試合】カズ・ハヤシ、近藤修司vs大和ヒロシ、KAI
試合前のVTRでカズが「今後の挑戦者は世界に目を向けて・・・」みたいなこと言ったら
大和とKAIが噛みついてきて「おれたちがいるのに無視するんですか?」。
で試合前大和がマイクでカズを挑発、カズは無視。
近藤、相手のチョップを胸で受けて前に出る。
最後、腕をとっての横回転のエビ固めで大和がカズからフォール勝ちの金星。
改めて挑戦のアピール。
ちゃんと序盤にレスリングする選手が多かった。
全然しなかったのはヒールチームのVMのヘイト、TARU(稔はしていた、歳三は?)。
それからデカイ外国人選手、曙&浜のアンコ型。まあヒールとモンスター型はしなくてもそれなりに説得力はあるが
(彼らはむしろ「しない」ところにアイデンティティーがある感じ)。
いきなりパンチ、キック、ぶちかまし、ロープワークで始めるノアとは大違い。
ただちょっと疑問が。それはハコの大きさの問題ではないか?
確かにノアの後楽園とかディファ有明とかはまだ見に行ったことがないので一概には言えないのかもしれないが。
元に戻すと、やっぱりレスリングとかグランドを見せる試合は好感が持てる。
それでなくっても例えばTARUが曙&浜の巨漢のボディプレスをスカさずに受けて見せたり
曙が大きいのにまあ何とか受け身を取っているのを見ると、
例えば「きちん度」といった部分でのレベルは高いものがあり、客にあまり不満感を感じさせないものであると思う。
だから何回も見に行ってしまうのかもしれない。
(09.11123‐1129)
2009全日本プロレス
「2009世界最強タッグ決定リーグ戦」
2009年11月23日 東京・後楽園ホール
観衆=2000人(超満員=主催者発表)
1.30分1本勝負
○渕正信(スモールパッケージホールド、7:26)ヘイト●
2.30分1本勝負
○大和ヒロシ、KAI(ラ・マヒストラル、17:31)近藤修司、 カズ・ハヤシ●
3.30分1本勝負
○TAKAYAMA(=高山義廣)、NOSAWA論外(ジャックナイフ式エビ固め、6:09)稔、歳三●
4.2009世界最強タッグ決定リーグ戦公式戦(30分1本勝負)
○ジョー・ドーリング、TARU(片エビ固め、12:32)浜亮太、曙●
*デスバレーボム。
5.2009世界最強タッグ決定リーグ戦公式戦(30分1本勝負)
○ゾディアック、小島聡(エビ固め、15:21)西村修、真田聖也●
*パワーボム(F4ボム)。
6.2009世界最強タッグ決定リーグ戦公式戦(30分1本勝負)
○船木誠勝、武藤敬司(TKOあるいはレフェリー・ストップ、18:21)長州力、征矢学●
*三角絞め。
7.2009世界最強タッグ決定リーグ戦公式戦(30分1本勝負)
○太陽ケア、鈴木みのる(片エビ固め、26:17)諏訪魔、河野真幸●
*TKO34th。
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