No.405 全日本プロレス「2010プロレスLOVE in 両国 vol.9」
船木vs鈴木みのる、元パンクラス同士の金網マッチ

全日本プロレス「2010プロレスLOVE in 両国 vol.9」
2010年3月21日 東京・両国国技館
同行者=千里眼



【第6試合・船木vs鈴木みのる 金網マッチ】
いにしえの国際プロレスのゲリラ興行18番ネタ・金網が
「デス」はつかないものの全日本プロレスで実現、
しかも元UWF、元パンクラス同士!
ある意味驚愕のシングルマッチが行われたので両国参戦。

マスコミ発表では「シングルマッチ〜金網マッチ」と発表されやっぱり「デス」がついてない。
どうなんでしょうね、これほどの大物同士、しかも因縁ある同士、
しかもデスマッチなどとは無縁のはずの元UWF同士、っていうか元パンクラス同士、の金網となったら
もう「デスマッチ」として煽るのが興行的にも、観客動員の手段としても正しいと思うんですが…。


しっかし武藤全日は「デス」をつけずに挙行。
昨今の殺伐とした世相を反映したものか…。
しっかしプロレスってジャンルも一種ファンタジーなワールドだからなあ…。
そういうところまで「デス」R−15規制してもどうなんだろうか、と思う。
「金網デスマッチ」を謳えば千人は観客動員にプラスしたと思うんだがなあ…。

注目の金網戦は第6試合に行われたが
この日は第1試合から金網設置用のサッシがつけられたリングで試合が行われた。


↑これ第1試合。

そして第5試合終了と同時に
係員がヘルメット姿でインして脚立を立てて金網設置。



あらかじめサッシがあるせいか気持ち的にスムーズに設置された感じで、
トイレ行ってる間にもう完成されていた。

鈴木みのるはいつもの「風になれ」で入場するが
歌詞が2番の歌詞が流れて「風になれ」の部分が「生きてゆけ」と歌われた。

レフェリー和田京平、
レフェリーストップなし、ロープブレイクなしの完全決着戦。

序盤は静かなスタート。
しかしグランドから船木上になってヘッドバット。
今どきのプロレスには見られない、現在のルールが整備された総合格闘技でも見られない原始殺法。
さらに船木、ヒールホールド、スタンドでキック、飛び膝。
しかしみのる逆襲、金網に船木の顔面を叩きつける。



船木この攻撃で出血、みのるも先のヘッドバットで流血。5分経過。
パンクラス同士なのに両者流血して、金網デスマッチの雰囲気出てきたー!

みのる、ふりかぶっての一本足頭突き3連発。



さらにみのる、スタンディングのアームロックからグランドに移行。
みのるヘッドバット、腕ひしぎ逆十字固め、船木ピンチ!



しかし船木脱出してキック連打からソバット、パイルドライバーの体勢から前に落として三角絞め。10分経過。
みのる、ガッツーンとばかりにナックルパート。



藤原のヘッドバット、猪木のナックルと師匠筋の技が多いみのる。
みのる、ロープを使っての首絞め、こすりつけ。
倒れた船木の背中にキック。
みのる、アームロック、さらにスリーパー。



しかし船木脱出してバックドロップ2連発。
さらに逆襲のスリーパー、栓抜き式胴締めつき。
スタンドになって両者張り手の応酬。
みのる、張り手かわしてスリーパー、15分経過。
みのる、ゴッチ式パイルドライバー。
みのる、再度スリーパー。船木、後ろにダッシュしてコーナーにみのるをぶつける。
船木キック連打、みのるダウン。
船木張り手からあびせ蹴り。
船木張り手からロープ際で飛び膝蹴り顔面、みのる前のめりにダウン。
ここでみのる戦闘不能か、レフェリー和田京平はレフェリーストップなしのルールだけど船木の勝利を宣言!


↑決着の瞬間、ガッツポーズの船木。

骨肉の血戦を船木が制した!

見苦しい反則など一切ない、また凶器などの手持ちの小道具なしの体と技術のぶつかり合い、
この日の流血はリングを彩る華だ。
遺根戦とはいえ両者はきちんとしたプロレスを見せ、
デスマッチのあり方に一石を投じたともいえよう。
何より流血をいとわず緊迫感、迫力満点の試合を戦った両者に感謝。
こういう情念(石川雄規ではない)のこもった試合は好きだ。

船木は四方に礼、さらに倒れたままの鈴木に対して礼、
金網の扉から出るときにリングに礼して退場。
鈴木はセコンドのGURENTAIに肩を借りての退場。

船木は技の受けがうまくなった。
ご覧あれ、発表した写真は船木攻められっぱなし(笑)。
それだけやられっぷりが絵になるようになってきたと言えるのではないか。

試合後の金網撤去中に画面からバックステージでの船木のインタビューが流され
なるほどこれなら無理やり休憩を取ることもなく客を飽きさせない、と思った。


【三冠戦・小島vs浜】
浜動けないから15分持つかな…
小島が自分で動かなくちゃしょうがないなあ、などと考えながら見てましたが…。
序盤、レッグロックなどで浜の足を痛めつける小島。
うつぶせでダウンしてる浜、「トドみたいだな」千里眼氏。
小島、場外へのプランチャーまで見せる大サービス、動く動く。
15分ごろ、小島の「いっちゃうぞエルボー」が出て、
あとは小島がいつサポーターをはずして投げるかか、って感じでさあ投げた!ラリアート!
しかし浜が返してカウント2。浜が粘る。
浜そのあとジャックハマ―2発、エルボードロップ、ボディプレスと大暴れ。
さらに右の肩がけをはずす、20分行くか?
小島が片膝をついた、浜駆け寄ってシャイニング!(笑)
そして大きく持ち上げて3発目のジャックハマ―!
これが決まってカウント3!
サプライズ!浜が三冠王者!


↑曙(右)に祝福される浜。

…随分危なっかしい王者が誕生したなあ。
何度も防衛を重ねていくってタイプじゃないし、
初防衛出来んのか?って心配。
小島は動き回って技受けて、それでも全然スタミナ残ってるように感じた。
ご苦労さんでした。


【第4試合・諏訪魔vs河野】
諏訪魔が河野に「もっと頑張れ」って指導してるような試合。
エルボー合戦、ラリアートでも諏訪魔が打ち勝ち、力量の差を感じる。
しかし膝蹴り、ネックハンギング・ボムで攻勢に立った河野がジャンピングニー、
最後はコーナー上からのニードロップでフォール勝ち。
諏訪魔の、フォール負けまで献上しての激励には、河野は今後応えてやらなきゃなりませんな。


↑河野のジャンピングニーアタック。


【第5試合・西村、曙、近藤vsVM】
「わしの一番嫌いなスポーツ、それはす、も、う!」
とばっかりに曙を挑発するTARU。
遂に元WWEのビッグ・ダディを投入。
両者並んで見ると、ダディの方が曙よりデカい。



スタートは巨漢両者のタックル合戦。
近藤が奮起するがダディにつかまりボディアタック、ブロックバスターから踏みつけられた形でフォール負け。
試合後西村が一人マイクを取る。



しゃべりはいつものように長かったので略すが、
要は「かねてからの夢の実現のため、一時プロレスを休業する」とのこと。
で次の日の朝刊には選挙に立候補(国民新党から参院選)と書かれていました。
まあそれはいいんだけど、他の選手がぜんぜん西村のまわり、リングの周りにいなかったことが気になった。
「出ていく」的な感じであまり歓迎されない卒業のよう。
どうなるだろう無我。
例えば仮に落選したとしたら、リングに戻ってこれるのか。
あとさき考えたら、喧嘩別れはしない方が得策だと思いますが。

【その他】
第1試合、中之上(なかのうえの)は正月に見たときよりも肉が付いていたが
やっぱり足が短く見えるんだなあ。
スペル・クレイジーはあまり出番なし、シャツ着て試合。

第2試合は歳三が論外をフルネルソンで捕えたところにヘイトが消火器攻撃したが、
論外がかわして歳三に命中。そこを論外がヘイトを押え込む。
太陽ケア第2試合ってのは可哀想だな。

世界ジュニアはカズが防衛。
如何に前哨戦で連続フォール勝ちを収めていても、KAIとカズじゃ格というか、試合運びが違いました。
でも最後はお互いリスペクトの正座してのお時儀で終了。
直後、王者カズが時期挑戦者にBUSHIを指名。

それから武藤が膝の手術で欠場を表明したので
1階ロビーの奥でムタ展やってました。
歴代ムタが勢ぞろいで骨董品屋か博物館状態。



(10.0321-22)

全日本プロレス両国国技館大会製作委員会
「2010プロレスLOVE in 両国Vol.9」
2010年3月21日 東京・両国国技館
観衆8200人

1.30分1本勝負
○真田聖也、大和ヒロシ(原爆固め、8:30)スペル・クレイジー、中之上靖文●

2.30分1本勝負
○NOSAWA論外、太陽ケア、MAZADA(ラ・マヒストラル、7:56)レネ・デュプリ、歳三、ヘイト●

3.30分1本勝負
○KIYOSHI、BUSHI(片エビ固め、7:17)チェスマン、ダーク・オズ●
*ムーンソルト・プレス。

4.30分1本勝負
○河野真幸(片エビ固め、19:30)諏訪魔●
*コーナー上からのニードロップ。

5.30分1本勝負
○ビッグ・ダディ・ブードゥー、TARU、稔(踏み潰し体固め、8:30)西村修、曙、近藤修司●
*ブロックバスター。

6.金網マッチ時間無制限1本勝負
○船木誠勝(ノックアウト、19:03)鈴木みのる●
*顔面へのジャンピングニーアタックでダウンした鈴木が戦闘不能。
レフェリーストップ・ロープブレイク無しの完全決着ルール。

7.世界ジュニア・ヘビー級選手権試合60分1本勝負
○カズ・ハヤシ(片エビ固め、16:58) KAI●
*王者カズ・ハヤシは9度目の防衛

8.三冠ヘビー級選手権試合60分1本勝負
○浜亮太(体固め、20:15) 小島聡●
*リョウタハマ−、浜が新王者。



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