No.415 ジョー・マレンコ、炎のサブミッション炸裂。
全日本プロレス「2010世界最強タッグ決定リーグ戦・開幕戦」

全日本プロレス「2010世界最強タッグ決定リーグ戦・開幕戦」
2010年11月20日 後楽園ホール
同行者=千里眼

【セミファイナル・公式戦・船木、鈴木vs西村、J.マレンコ】

横浜文体に続いて「4人ともゴッチ門下」のタッグマッチが全日本マットで実現。
J.マレンコはその日の東スポによるとアメリカで保安官の試験に合格したため、
選手としての来日は今回が最後になる模様。
20年前、ダイナマイト・キッド&デイビーボーイ・スミスと
同じ後楽園ホールで対戦したジョー・マレンコが
時空を超えて登場!

さすがに20年も経てば衰えた感じはするが、
意外にも体型的には4人の中で最もゴッチに近似。

西村‐鈴木でスタート。
西村、ロープに詰めるがクリーンブレイク。
手四つから西村ブリッジ。
鈴木ヘッドシザースからクロックヘッドシザースへ移行、
だんだんゴッチのムーブが出てきた。



鈴木、ヘッドシザースに戻る。
西村、倒立での脱出を試みるが失敗。
再度倒立。



倒立は成功するも、鈴木が腕十字固め。
鈴木、ゴッチ式の回転させての小包固めを披露。
船木にタッチ。西村もマレンコにタッチ。


↑船木とマレンコの攻防。

船木、膝十字固め、5分経過。
バックの取り合いから船木押え込む。
マレンコがレッグロック。西村にタッチ。
マレンコ年齢のためかスタミナ温存?
西村と船木、エルボーの応酬。
ドリー式の西村に対し、欧州式?の船木。動きが微妙に違う。
エルボー合戦に決着がつかないためか、船木ローキック炸裂。
強烈な蹴りに西村たまらずダウン。
船木構わずロー連発、鈴木にタッチ。
鈴木足固め、さらにスタンディングでのヒールホールド。
西村ロープ。鈴木キックからストンピング。
船木も入ってキック連発。


↑ゴッチみたいなたたずまい、
コーナー待機中のジョー・マレンコ。


船木の膝十字と鈴木のスリーパーの合体攻撃。
鈴木に代わってストンピング。10分経過。
西村自軍コーナーに押し込んでマレンコにタッチ。
マレンコ、エルボー、チョップ。
鈴木張り手、マレンコ首絞めから西村にタッチ。
西村、コーナーに固定してのエルボー。
鈴木かきむしりで脱出、西村足へのキックから4の字固め。
回転しての攻防がしばらく続く。
ロープブレイク、鈴木、西村のつま先に噛みつく。
鈴木、キッチンシンクから船木にタッチ。
船木ロー、ミドル連発。
胸へのキックからフォールの体勢、カウント2。
船木、フェースクラッシャーから三角絞め、15分経過。

ロープブレイク、船木キック、ニーリフト、スリーパー。
西村、船木の蹴り足をキャッチしてドラゴンスクリュー。
マレンコにタッチ、マレンコエルボー、ヘッドバット。
腕をロックしてサルトで投げる。カウント2。この辺もゴッチ的ムーブ。
マレンコさらにダブルリストロックで追い込む、ロープブレイク。
船木ソバット。胸へのキック、カウント2。
鈴木に代わってストンピング、顔面への蹴り。
マレンコ脇固め、鈴木体を入れ替えてスリーパー、
それをマレンコさらに入れ替わって脇固め。
鈴木、口に手を入れて引っ張り脱出。
マレンコがフェースロック。猪木‐ロビンソン戦で出たぶら下がるような決め方。



鈴木の動きが止まるほどの強烈なロック。
鈴木脱出してゴッチ式パイルドライバーの体勢、これを西村がカットしてコブラ。
船木飛び込むもマレンコの独特の足払いで倒され関節技。20分経過。

鈴木と西村になってエルボー合戦から鈴木張り手。
さらにヘッドバット。藤原テイストも出た(笑)。
西村からみついてコブラ、鈴木返して卍固め。
グランドに移行、船木にタッチ。
船木ソバット、ミドルキック。
場外に落としてフェンスに叩きつける。
鈴木とマレンコも場外戦敢行。
リングに戻って船木バックドロップからヒールホールド。
西村ロープブレイク。
西村を真ん中に立たせて両サイドから船木と鈴木が交互にローキック、
最後は「せーの」で同時にロー。
再び船木のヒールホールド、入るマレンコを鈴木がカット。
西村粘ってロープブレイク、25分経過。
残り時間5分で、さあ西村マジック(粘闘で時間切れ引き分けに持ち込む)炸裂の可能性も出てきた(笑)。

船木ローキック、西村逆さ押え込み、カウント2。
鈴木−西村に代わり西村スモールパッケージ、これもカウント2。
鈴木張り手、アームロック、ナックルパンチ、キック。
西村エルボー連発で返す、残り3分。

西村ジャパニーズレッグロール、カウント2。
入ってきた船木にマレンコも同じ攻撃。
鈴木とマレンコになって、鈴木が胴締めスリーパー。
マレンコピンチ!
しかしマレンコが驚きの仕掛けを!
鈴木の足をたたんでレッグロック狙い!これはすごい!
痛がる鈴木、スリーパーとレッグロックの攻防はUWF代表決定戦での前田‐藤原戦を連想させる。



締め上げるマレンコ、レッグロックが優勢になる。もがく鈴木。
鈴木、マレンコの口に指を入れて引っ張る。
しかしマレンコ構わず締め上げる、残り1分。



ややレッグロックの体勢が崩れたところで時間切れのゴング。
最後は両軍握手で終了。

ラリアート0%、ノンボム。
多少の場外戦、キックはあったものの
ゴッチ的丸め込み、サブミッションでこれだけ魅せてくれたという試合は近年記憶がない。
決着はつかなかったものの最後のスリーパーとレッグロックの攻防はスリリングで
まるでUWFの試合のようだった。
マレンコは出番は少なかったが、西村が相手チームの攻撃を受けて
フィニッシュで温存されたマレンコが出てくる、っていうところに戦略的な説得力が見受けられた。
ゴッチ的テイストは色々と見られたが(正直もっと見たかった)
船木だけはキック、ヒールホールド(これはゴッチの技ではない)を多用して
「4人ともゴッチ門下」なのにむしろ非ゴッチ的なムーブを表し
ところがそれが試合の流れに適当なアクセントをつけていて、自身の存在感をも示すという出来になった。
現在のリングでラリアート、ボムなしでどのくらいの試合が出来るか、
という実験的な要素もあったように思われるが、
もしそうだとしたらこの日は極上の化学反応が生まれたと言えるだろう。
素晴らしいゴッチ・ナイトを提供してくれた4人に感謝。
特にクライマックスの攻防に最大の貢献をしたマレンコに賛辞を捧げたい。

【ジョー樋口元レフェリー追悼セレモニー】

亡くなったジョー樋口元レフェリーの追悼10カウント。
10カウント終了後リングアナの「レフェリー、ジョー樋口ー」のコールがあると
ジョーコール。次いで「日本テレビのスポーツマーチ」がかかる。



リング上には写真左から元ノアの本田多聞、同じく菊地毅、全日勢・和田京平レフェリー、渕正信、太陽ケア。
8月の山本小鉄追悼セレモニーとは対照的に現・元の全日本勢が固める。新日系はゼロ、社長の武藤さえリングにはいなかった。
まあ故人と親交があった、近い立場にいた、という点では妥当です。

【メイン・公式戦・諏訪魔、浜亮太vs曙、太陽ケア】

中盤世界タッグ王者チームが浜の足を集中攻撃。
諏訪魔、曙にラリアート。
終盤諏訪魔&浜は東スポで公開していた合体技を披露。
諏訪魔がアンクルホールドをかけたところに浜がDDT。
でも衝撃で諏訪魔のアンクルがはずれちゃった・・・これでいいのか?
諏訪魔、太陽ケアに投げっ放しジャーマン連発、
トドメのラストライドで持ち上げたところをケアがバックに降りて脱出。
ケア、TKOから諏訪魔の技ラストライド、
しかもライガーボム風にジャンピングしての一撃。
現三冠王者がフォール負けで波乱の開幕戦となった。

【第2試合】

元方舟戦士、公式戦にもエントリーしている本田、菊地チームが渕とともに登場。
菊地がマイクを持ってVMを挑発。



菊地「(ブードゥーマスクに)お前、ヘイトじゃねえのかあ?」
TARU「こいつはヘイトとちゃうで!」
でもブードゥーマスクは背格好からどう見ても横浜文体でラストマッチだったはずのヘイト(笑)。
ああ、まだいるんだ、ちょっと安心・・・何で?

それはともかく、菊地がロレツ回ってない・・・。
何かドランカーみたいなアブない雰囲気・・・。
あれホントに菊地なの?
菊地「ン、マーイク、どこえ返せば、いいんだーあ?」



試合が始まって菊地が大熊元司の芸風を受け継ぐようなコワい顔で迫ると、
何とVMがコーナーから下に降りて菊地を敬遠!
何だか異次元の光景。



試合は中盤本田が回転地獄五輪などを披露。
TARUが渕の薄い髪を引っ張る。
最後は本田がジャーマン気味の投げからブードゥーマスクをフォール。
ヒールチームが相手だったせいか現元全チームはグランド殆ど見せず。

だけど菊地、アブないなあ・・・。
試合中のジャンピングキックもキレがなかったし。

【第4試合・公式戦・KENSO、KONOvs真田、征矢】

征矢は打って固めたような筋肉質の体型が進化し、
マサ斎藤や佐々木健介の系譜を引き継ぐようなスタイルに。
ラリアートは豪快、強烈なインパクト。
小島がいなくなった全日本ならラリアットヒッターの地位を確立できるかも。
試合はKENSOとKONOの間に不仲説を納得させる妙な距離感。
KENSO、腰の布がほどけちゃっておマヌケ。


↑なぜ股に通す?

アジアタッグ王者チームもダブルの攻撃、
征矢の二人ブレンバスターで奮戦するが
最後はKONOのコーナー上からのニードロップで決着。
KENSOさんはまたしてもレフェリーの死角をついての布での首絞め、
「わたしは何もしてませんよ!」のパフォーマンス敢行、これ売りにするつもりなのか?


↑「わたしは何もしてませんよ!」

パフォーマンスといえばKENSOさん、
試合終了後撮影クルーのカメラを持って会場の客席を撮りまくり(笑)。
お客さんに受けちゃって、何だかヒール側のサービスとは思えんなあ・・・。
それから例の布を、何と自分の頭に巻いて奇声を発するイカれたパフォーマンスも。
どうしちゃったの?

第3試合終了後、大和がオープニングのMCと同じくマイクを持って
23日後楽園でのジュニア王座挑戦権をかけてのラダーマッチへの決意を表明。
するとVMの稔とMAZADAがラダー(はしご、っていうか脚立)を持って忍び寄り、
大和の首にラダーをひっかけていじめる。
すると反対側通路から近藤、BUSHIも入ってきて
大和を挟んで乱戦。
大和、首にラダーをぶる下げたままエアプレーンスピンの要領で回転して大暴れ、
っていうか最後は当然目が回って倒れる。
23日後楽園はこういうルールでやりますよ、っていう予行演習みたいなパフォーマンス。

('10.1121−23)

全日本プロレス「2010世界最強タッグ決定リーグ戦・開幕戦」
2010年11月20日 後楽園ホール
観客1700人




1.30分1本勝負
○ダーク・オズ、ダーク・クエルボ、MAZADA(片エビ固め、9:22)カズ・ハヤシ、近藤修司、BUSHI●




2.30分1本勝負
○本田多聞、渕正信、菊地毅(エビ固め、8:51)TARU、稔、ブードゥーマスク●
*ジャーマン的投げから押え込む。

3.30分1本勝負
○武藤敬司(体固め、10:00)大和ヒロシ●
*シャイニングウイザード。

4.2010世界最強タッグ決定リーグ戦公式戦30分1本勝負
○KONO、KENSO((片エビ固め、15:21)真田聖也、征矢学●
*コーナー上からのニードロップ。

5.2010世界最強タッグ決定リーグ戦公式戦30分1本勝負
△船木誠勝、 鈴木みのる(時間切れ引き分け)西村修、ジョー・マレンコ△

6.2010世界最強タッグ決定リーグ戦公式戦30分1本勝負
○太陽ケア、曙(エビ固め、16:42)浜亮太、諏訪魔●
*ジャンピングラストライド。

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