No.447 IGF「INOKI GENOME FIGHT 1」 グラムや7cm(ナナセンチ)などが登場。石井は強いけど高塩濃度。

IGF「INOKI GENOME FIGHT 1」
2014年4月5日 東京・両国国技館
同行者=なし

【メイン・石井−デ・フライ】

序盤打撃の攻防。
デ・フライロープ際でネックロック狙い。
石井組むと大外刈りから袈裟固めで展開を狙いサイドポジション奪取。
スタンド展開から石井足払いで牽制しながら再度の首投げ。
グランド状態で石井、デ・フライの頭部に膝攻撃。

昨年大晦日大会でB.ロジャースからチョークスリーパーで一本取った寝技師のデ・フライがグランドで展開できず。
2R以降倒れると勝てないと考えてかスタンドの打撃勝負を挑む。膝、頭固定してのパンチなど。
しかも組むのさえ嫌がる展開。
ロープでディフェンスしたと口頭注意される。
再度石井の首投げで倒されるとロープやコーナーを蹴って逃げようとする展開。
判定は石井、圧勝。


↑コーナーを蹴って逃げようとするデ・フライ。

デ・フライがグランドを嫌がる展開になるということは、石井のグランドは相当強いのでしょうね。
ただ石井は決め手に欠けるというか、
華がないというか、
全然見せ場がない。
グランドの強さはわかりましたが
負けない強さより、プロとして魅せる勝ち方が絶対必要。

試合終了後、藤田がリングに登場して石井を挑発、再戦要求。



でも藤田勢い余ってビンタかましました、石井も返しましたけど。
この辺普通の総合なら罰金とかになるのだろうけど、このリングではいいってことなのかなあ・・・。
そういう曖昧さが魅力って言えば魅力です(笑)。
「握手はしねえぞ」って言っておいて観客に再アピールしてから結局退場時に石井と握手する藤田(笑)。

【セミ・ミノワマン−ウルフ】
会場人気抜群のミノワマンがセミファイナルに抜擢!
煽りVTRのキャッチコピーは「超人類対北欧の狼」でしたが
おいら「超人類」を「類人猿」と読み間違ってしまいましたよ・・・。
でミノワマンは3月に一児の父になったことを告白。
今度の目標は「王道への一歩」。うーん、ルーツからすると違うような気が・・・。
練習のVTRは公園の滑り台で遊んでいるとしか思えない。

対するウルフは入場してみると背は高い、リーチはあるけど
首が細くて華奢、この人は総合の選手じゃなくてボクサーかキックボクサーなのではないかい?
ということは鮫に対する金魚で呼ばれたのかな・・・。


↑ほらこんなに背が違う。

ミノワマン、果敢に組みつきテイクダウンに成功。
足を取ろうとするがウルフ何にもできない。せめて下から蹴る、とか
そういう抵抗が全くできないところを見ると「立ち技の選手連れてきたな」って感じがする。
このあとミノワマンがウルフの左足を決めたまま大きく相手の左に体を落とすと、
すごい角度で足が極まりました。




ミノワマン圧勝、ってかウルフやっぱり立ち技の選手。
ウルフ可哀そうに足を負傷したか自力で立ち上がれず担架で退場。
ミノワマンこのあとマイクで「今日は澤田選手は・・・?」といきなり大振りのネタ振ってみる。
「 負けたんですか? いつ乱入してくるかと思って準備していたんですけど。」
「おい澤田、元気出せよ!」
最後は挑発とも激励とも取れるコメントで締める(笑)。
そのあと例のこぶしを突き上げるパフォーマンスを四方に披露。

【第7試合・ボレーノ−グラム】
トニー・ボレーノはアメリカのMMA団体「キング・オブ・ザ・ケイジ」の元王者だそう、
上半身殆ど入れ墨。
対するグラムはロシアを中心に行われている「M−1グローバル」の元王者だそう。
「197センチ」とコールされたがもっと大きく感じる。体重は何g?
手足は長いが均整がとれていて、肩の肉が盛り上がってる。

レフェリーチェックの際、モレ―ノのスパッツに金具がついていることが判明、
テーピングして対応。

試合は低い胴タックルでモレ―ノを倒したグラムが上になり
ヒジの顔面押しつけやチョーク狙いの猛攻。





さらにサイドポジションをとると両足でモレ―ノの右腕をロックして逃げられない形にして
自身の左でガンガンとパウンドを落とす。





モレ―ノは打たれる方向とは逆に逃げるのだがグラムのパウンドとロックから脱出できず
時計回りに回転しながら殴られ続ける状態が2分以上続く。
遂にレフェリーストップ、モレ―ノ抗議のポーズを見せたが顔は無残に腫れていて説得力無し。
いやー、グラム強いです。圧勝したのでまだ底が割れていません。
この、相手の腕を両足でロックしてパウンドを落とす複合攻撃はグラムロックとでも名付けたらどうでしょうか。

【第6試合・川口−ロジャース】
川口はすごく絞った体で登場。
眉も細くして肌は浅黒く日焼けして、ずいぶん印象が変わって期待が持てた。
しかしパンチの交錯からロジャースの右フックが顔面にヒットして膝から崩れるようにノックダウン。
そのまま前のめりに倒れる危険なダウンで完敗。
今回は残念。ただし絞って精悍な体で出てきたのは今後に期待。

【第3試合・ラマザン−山本】
大晦日北岡に圧勝したラマザンだったが、今回は低いタックルを切られ
打撃では山本が積極的に前に出ないので取り逃がし、判定は引き分け(なんと山本に1票)。
で山本が放送席の青木信也に挑戦を表明、すると青木がリング上に上がる。



青木マイクで開口一番、
「いや〜、二人とも、しょっぱい!」

山本が「必ず対戦するので今の立ち位置を守ってください」と言うと青木、
「大きなお世話だ」と言って退場。



まあ青木からすれば「山本って誰?」ぐらいの感じだったのかも知れませんが
毒舌ぶりは健在でした。

【第2試合・澤田−星風】
星風は大相撲八百長問題で協会から解雇されたモンゴル出身の元十両力士。
試合はデビュー戦の星風が力士ならではの前に出る圧力で澤田を圧倒。
パンチもよく出る。
澤田はショルダースルーのような状態で星風の突進をスカし、グランドに持ち込んで上になるが
星風返して上を取りパウンド連打。澤田がいやがり後ろを見せるとさらにバックパウンド。
この展開が終始続き判定は星風。澤田はいつもの覇気がなかった。

【第1試合・鈴川−ボブ】
ボブ・アームストロングっていうプロレスラー、昔いたよな・・・。などと考えてしまう。
試合はパンチ大振りの鈴川が空振りでバランス崩したところにボブがカウンターの右ストレート。
鈴川ダウンしたところにボブがパウンドで追撃しようとしたところで試合終了。鈴川流血。
鈴川空振りが目立ちましたね。一昨年のミルコ戦でもバランス崩して倒れての自滅でしたから
もっとフットワークの練習とかしてバランスを良くした方がいいと思います。

【第5試合・タッグマッチ・藤田、小川−アーツ、セフォー】
野獣、暴走柔道王、20世紀最後の暴君、南海の黒豹・・・と超豪華メンバーなんですがね・・・。
藤田と小川はどっちが先発するかで早くもモメ始め、胸のド突き合い。


↑モメる藤田と小川。

小川がコーナーに捕まって打撃の集中砲火を浴びると、藤田出てきて何故か小川に蹴り!

セフォーを捕まえた小川に藤田が突進するとセフォーがかわし、定番通りの同志打ち(笑)。





しかし最後はアーツに対して合体ブレンバスターなどを披露して、
小川がSTOでセフォーを仕留める。

豪華なメンバーなのに何でこんなドタバタしたタッグマッチやらなきゃならないのかと考えると
宝の持ち腐れもいいところではないかと思います。
小川も藤田もそりゃあ若かったころのリアルファイトでは強かったですが
普通の流れるような技の切り返しになるプロレスができないようなので
きちんと試合を作る能力を持たないまま年を取ってしまった今、試合作りに四苦八苦しているようです。

【第4試合・タッグマッチ・ワンビン、サップ−カシン、岡本】
カシン組ゴング前の奇襲。
サップ対岡本になって睨み合いからド突き合い、体当たり合戦、張り手の応酬・・・。
サップがラリアット。この辺、基本の動きがあまりうまくない両者の組み合わせになったから
すこぶる大味です。
ワンビンでてキックなど披露するも、岡本逆エビ。さらにレフェリーのブラインドを突いてカシンと入れ替わり。
この後誤爆とか岡本のバックドロップなどが出ましたが
最後はパワースラムでワンビンが岡本から勝利、サップも上に乗っかる駄目押しつき。

しかし中国進出のための戦略的育成とはいえワンビンにこんなに勝たしていいものなんでしょうか?
岡本がちょっとかわいそうな気がしました。

【オープニングマッチ 第0試合-3・高岩−奥田】
この試合から見ました。
パンチ、踏みつけ、逆エビなど地味な技でごつごつ攻撃する高岩が印象的。
あまりロープワークなどもなく、昔の前座試合のような雰囲気が醸し出されていました。
高岩、パイルドライバーを出して最後は得意技のデスバレーボムで勝利。
この試合は一方的でしたが先に書いたように「昔の前座試合のような雰囲気」がよかったです。



さて、感想ですがメインの石井はデ・フライが2R以降グランドを徹底的に避けたように
寝技は相当強いのだと思います。しかし会場を沸かせる華というか力感というかそういうものがまったくない。
現状では「金の取れるエース」はありませんね。

フィニッシュがよかったのはミノワマン。
また未知の強豪・グラムの圧勝はすごかったです。
石井は次は藤田の挑戦を受けるらしいですけど、グラムではどうでしょうかね?
グラム圧勝で外国人に覇権が渡るか知れません。

往年のプライドがあれほど人気あったのはなぜ?
もちろん桜庭・藤田・吉田秀彦ら日本人がいたということもありますが、
ヘビー級トップはヒョ―ドル、ノゲイラ、ミルコ、ジョシュら外国人勢だったはずです。
非UFC系の選手、あるいはケージよりマットを得意とする外国人選手を発掘して
外国人同士のカードを多くしてもいいのではないかと思います。

【リングアナウンサーの謎ほか】
オープニングでは元新日のケロって呼ばれてた田中リングアナが紹介されたけど
実際進行すると選手コールは別の人がやってました。
この人は声はいいのですがリングアナウンス特有の抑揚がなくて
日本人など苗字と名前の間で切らないし、最後を上げないので
エキサイティング感ゼロ。
プロレスの試合は田中氏がやっていたような気がしましたが
これもMMA路線への反発なんでしょうか。

先日亡くなったビル・ロビンソンの弟子筋でCACC系選手の鈴木秀樹選手も
ゼロワン靖国神社大会に出現したそうだし、
この日のケンドー・カシンの入場曲も頭が都はるみの「さよ〜な〜ら、さよな〜ら〜、元気でい〜て〜ね〜」
と退団を示唆するような雰囲気。
純粋プロレス畑の人々は次の職場を求めて動き出すのでしょうか。



('14.0406)

この大会の他の写真はこちら
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IGF「INOKI GENOME FIGHT 1」
2013年12月31日 東京・両国国技館
観客6899人

*今大会より「IGFルール」はMMA戦、「GENOMEルール」が従来のプロレスルールの試合。

1.オープニングマッチ第0試合−1 IGFルールオープンウェイト級・5分1R
○増田祐介(判定3−0)野尻和樹●

2.オープニングマッチ第0試合-2 IGFルールオープンウェイト級・5分1R
○栗原強(逆十字固め、1R3:38)怒火鞭●

3.オープニングマッチ 第0試合-3 GENOMEルール10分1本勝負
○高岩竜一(片エビ固め、4:50)奥田啓介●
*デスバレーボム。

4.第1試合 IGFルールオープンウェイト級・5分2R
○ボブ・アームストロング(KO、1R2:00)鈴川真一●
*右ストレート。

5.第2試合 IGFルールオープンウェイト級・5分2R
○星風(判定3−0)澤田敦士●

6.第3試合 IGFルールライト級・5分2R
△ラマザン・エセンバエフ(引き分け、判定0−1)山本勇気△

7.第4試合 GENOMEルール30分一本勝負
○ワン・ビン、ボブ・サップ(体固め、7:12)ケンドー・カシン、将軍岡本●
*パワースラム。

◎休憩前、元SDN48のメンバーによる新ユニット「7cm」のパフォーマンス。
こちら(ブログに飛びます)

◎15分休憩後、猪木劇場。

8.第5試合 GENOMEスペシャルタッグマッチ 45分1本勝負
○小川直也、藤田和之(体固め、5:20)ピーター・アーツ、レイ・セフォー●
*STO。

9.第6試合 IGFルールオープンウェイト級・5分2R
○ブレット・ロジャース(KO、1R0:28) クラッシャー川口●
*右アッパー。

10.第7試合 IGFルールオープンウェイト級・5分2R
○グラム(レフェリーストップ、1R3:34)トニー・ボレーノ●
*パウンド連打。

11.第8試合(セミファイナル) IGFルールミドル級・5分2R
○ミノワマン(膝固め、1R2:26)ヨーラン・ウルフ●

12.第9試合(メインイベント)IGFルールヘビー級・5分2R
○石井慧(判定3−0)フィリップ・デ・フライ●

【おまけ】
石井の白いスパッツの腰のあたりに「西麻布 イマドキ」 のロゴ。



調べたらもつ鍋のお店だそうです。

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