No.330
シュートボクシング 変な試合・シーザー武志vs沖縄空手・1対2変則マッチ


シュートボクシング「シュートボクシングvs沖縄空手チェンジングマッチ」
1987(昭和62)年10月10日 東京・後楽園ホール
同行者=千里眼他

第6試合で阿部‐高野の再戦が行なわれ期待したが、
両者に前回のような動きがなく地味な展開で判定で終わった。
休憩前後に沖縄空手の選手がリングに上がり型を披露。
型を続けながらもう一人が棒で型をやっている方を叩くと、棒が折れる。
強靭な肉体をアピールしてこれは楽しみ、と思っていたが・・・。
SBvs沖縄空手チェンジングマッチ第一試合の力vs東戦、
沖縄空手の東がスピードとグローブ戦の流れについてゆけず、力のペース。
1R、力ロープ際でもつれたところを捕まえて、
両足で相手の頭を挟んで逆さに持ち上げてマットに叩きつける。
見事なドリルアホールパイルドライバー(笑)。
この後2R膝蹴りが決まって力のKO勝ち。

異変はメインイベントで起きた。
沖縄空手側が入場、池宮正明が道着にグローブ姿でリングイン。
その後同じスタイルの金城も入場。
??? 2人?
反対側からシーザーが入場。
説明が行なわれないままゴングが鳴る。
後楽園ホールの時間進行を示す電光掲示板がついていない(註1)。
シーザーと池宮で試合が始まる。
1R、シーザーがパンチ、ローキックで圧倒しながら終了。
シーザー椅子に座らずに怒りの表情で「休憩いらねえよ」
ざわついた状況で2Rが開始される、今度は金城が登場、1対2?何だこの試合!?
シーザー、金城に顔面膝、金城ダウン。
金城は体格も小さく、オープン気味の横殴りパンチはまったくシーザーに通用しない。
シーザーハイキック、金城がぐらついたところで沖縄空手側がタオル投入。
シーザー勝利するもリングで土下座。
「この試合はシュートボクシングと沖縄空手の、親善試合として行われました」
意味不明なリングアナの説明。

舞台裏で何が起こったのか。
シーザーのあの怒り方から考えて、SBと沖縄空手側の間で何か揉め事が起こったことは間違いない。

1.おそらく契約が終わった後に、沖縄空手側は型の披露だけだと思っていたが試合もする契約だったことに気づいた。
2.沖縄空手側はグローブ戦経験者を用意できなくなった、
あるいは事前発表の「池宮」が何らかの理由で出てこれなくなった。
代理の「池宮」はKO負けを恐れ試合時間の短縮、2対1などを望んだ。
3.シーザーの「休憩いらねえよ」という怒りは「お前たち、早く終わらせたいんだろ?」という意味で、
試合時間の短縮を望んだ沖縄空手側への皮肉ではなかったか。

まあ何を書いても全て推測にしかならない。
しかし打撃系のリングで不可解な試合が何の発表もなしに強行されたのは事実である。

(2007.0815)

註1:ゴング格闘技によると事前発表がないまま1R3分で行なわれたそう。

(株)新光プロモーション
シュートボクシング
「シュートボクシングvs沖縄空手チェンジングマッチ」
1987(昭和62)年10月10日 東京・後楽園ホール
観客数不明

1.女子(本戦6分、延長3分)
○若菜(判定本戦)中沢静江●

2.フレッシュマンクラス(本戦6分、延長3分)
○川上一弘(判定延長1回)長井弘和●

3.フレッシュマンクラス(本戦6分、延長3分)
○前田憲作(KO、延長1回2:23)三宅秀和●

4.フレッシュマンクラス(本戦6分、延長3分)
○香取義和(判定延長2回)鈴木淑成●

5.エキスパートクラス(本戦10分、延長5分)
○平直行(TKO、)旗野拓美●

6.エキスパートクラス(本戦10分、延長5分)
○阿部健一(判定延長2回)高野真澄●

7.エキスパートクラス(本戦10分、延長5分)
○大江慎(判定延長2回)大津享一●

8.SBvs沖縄空手チェンジングマッチ5分2R
○力忠勝(KO、2R0:52)東勲●

9.SBvs沖縄空手1対2変則マッチ5分2R(実際は3分2R)
○シーザー武志(TKO、2R2:17)池宮正明(1R)、金城光一(2R)



生観戦記1987に戻る
SAMEDASU扉に戻る

web拍手 by FC2