No.360
これぞ女子頂上決戦!ジャパン女子プロレス デビル雅美対神取しのぶ初対戦


ジャパン女子プロレス
1988(昭和63)年7月14日 東京・後楽園ホール
同行者=なし



初めて女子プロレスの試合を生で見に行った試合。
テレビで全女などの試合はよく見ていたが
この試合はノーテレビということで生観戦に行く意欲を駆り立てられた。
そのぐらいこのカードには興味があった。
新団体の選手とはいえ元女子柔道で世界レベルだった神取。
そして全女の権化ともいえるデビル。
このカードが意欲をそそったのは全女OG同士の試合ではなくて
出自が違い流儀が違う大物同士のカードだったからという理由もある。
全女が独走時代だった当時、日本人同士でこういったカードは有り得なかった。
そんな時代、信じられないカードが新興団体ジャパン女子のリングで実現した!
というわけで平日ながら初の女子プロレス生観戦に馳せ参じた次第。

神取、デビル両選手が入場すると特別な演出もないのに場内はボルテージが上がる。
おそらく自分と同じように「この試合が女子プロ生観戦初めて」という男性ファンが多かったのでは?

完全決着ルールは
リングアウト、フェンスアウトによる決着なし。
両者リングアウトによる引き分けもなし。
顔面への打撃攻撃は認められる。
セコンドはつけない。よって他の選手はフェンス内に入ってはならない。
レフェリーは新日本プロレス審判部長の山本小鉄。

ジャパン女子はその誕生時新日本から猪木が応援したり山本小鉄がコーチしたりと多少の縁があったよう。

試合は予想通りの好勝負。
デビルのパワー&ラフと神取のスピード&テクニックが火花を散らす。
デビルがブレンバスターで持ち上げると神取うまく体重移動、振り子のように体を動かして
反動をつけてデビルの股の下をくぐって下から足を取る、うまい。
神取がジャパニーズレッグロールを決めてデビルをフォール、したと思ったら
デビルも丸め込まれながらつま先を伸ばして神取の肩をクラッチ、両者フォール!

完全決着ルールだから当然延長戦、ここからが凄かった。
デビルラリアート。神取パンチ、デビルもパンチ。
場外戦になってパンチ合戦、フェンス、鉄柱に叩きつけて両者流血、一旦は両者リングアウトになるが再び延長。
両者血で顔どろどろになっても殴りあう。
出血多量で両者動けなくなり試合ストップ、
「完全決着ルール」を謳ったのに引き分け、しかし客の誰も不満を表さない。
そのぐらいすごい「女子でここまでやるか」っていう内容だった。
両選手も何故か遺恨を残さず抱き合う、強烈な試合に選手自身も昇華したかのよう。

唯一、出血多量でふらふらの神取につっかかっていったイーグル
(この試合のためにデビルのスパーリングパートナーを努めていた)が
レフェリーの山本小鉄にビンタされ、空気読めてなかったかなという感じだった。

しかしこの日強烈な試合を生観戦したため「ジャパン女子あなどれず」という感覚が芽生え、
この後もこの団体を観戦するようになっていく。

(08.0911)

*20年も経つのは感慨深い。神取は現在国会議員であり、デビルは今年暮れ引退興行を行うそうだ。

ジャパン女子プロレス
1988(昭和63)年7月14日 東京・後楽園ホール
観客2300人(超満員)

1.15分1本勝負
エデン馬渕‐大沢ゆかり

2.20分1本勝負
オスカル智‐小金井幸子

3.20分1本勝負
スマイリー真美‐半田美希

4.30分1本勝負
村光代、伊藤勇気‐ムーン章子、ダーティー大和

5.30分1本勝負
プラム麻里子‐尾崎魔弓

6.45分1本勝負
○ハレー斉藤、キューティー鈴木(原爆固め、13:48)ソチ浜田、ユウ山崎●

7.60分1本勝負
○風間ルミ、ミスA(反則、16:55)イーグル沢井、剣舞子●


8.特別試合完全決着ルール60分1本勝負
▲デビル雅美(ダブルフォール、22:58)神取しのぶ▲

◎延長戦
▲デビル雅美(両者リングアウト、3:27)神取しのぶ▲

◎再延長戦
▲デビル雅美(両者レフェリーストップ、4:40)神取しのぶ▲

*カードは当日のパンフ、結果のあるものはデイリースポーツ参照。

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