No.270
Uインター「格闘技世界一決定戦」バービック決死の逃亡ダイビング
UWFインターナショナル「格闘技世界一決定戦」
1991(平成3)年12月22日 東京・両国国技館
同行者=千里眼
アリ、タイソン両名王者と対戦した経験のある元プロボクシング世界ヘビー級王者のT.バービックと高田が対戦した「格闘技世界一決定戦」。
この時点で「猪木の模倣」を続けていた高田からすれば彼なりの「アリ戦」という位置づけであろう。
試合はローキックの使用問題でルールが最後まで紛糾。
果たしてリングに登場したバービックは両膝をローキック防御といわんばかりにがちがちのテーピングで固めた姿。
試合が始まると高田はロー、ミドル、ハイとキックの嵐。
いやがるバービックは一発のパンチも出さずに場外にダイブして逃亡、リング下で泣き顔。
あっという間に高田の試合放棄勝ちが宣告された。マウスピースを咥えて勝ち誇る高田だが、
後の出版物によるとスパーリング中の強打によってあばら骨を骨折していて、
その部分にパンチを食うと肺に折れたあばら骨が刺さって生命の危険もあったらしい。
高田側はまさに必死だったのかも知れない。
セミファイナルも「格闘技世界一決定戦」。
Uインター常連外国人スコットと対戦するのはプロボクシング現役世界クルーザー級王者のワーリング。
キックボクシングの経験もある選手。
プロボクシングの現役世界王者がプロレスのリングに上がるのは「猪木・アリ戦」でのM.アリ以来史上2人目のこと。
身長、リーチは大分ワーリングに分があり。
1R、ワーリングのパンチがヒット、スコットダウン。
この後スコットは顔の前でガッチリガードを固めてジャブのように掌底で牽制。
ワーリングは距離をとって時々パンチ。
この展開が延々と続く。
7R、スコットがワ-リングをトップロープ越しに場外へ落とそうとする投げ。
10R終了、判定は2-1でスコット、抗議するワーリング陣営、しかし全く噛み合わない超凡戦。
バックランド対安生は、安生が普段するはずもないキーロックを仕掛ける。
何故!それって・・・ゴッチみたいにキーロックを持ち上げられるためにやってるのか?
案の定バックランドのキーロックリフトが見られた。
しかもこの後アトミック・ドロップまで!
Uインターも所詮プロレスなのか・・・この試合で何となくそう思いました・・・。
オブライト対田村はオブライトが凄味あるスープレックスの連発で田村から失神KO勝ち。
(2006.0506)
UWFインターナショナル「格闘技世界一決定戦」
1991(平成3)年12月22日 東京・両国国技館
観客1万1000人(超満員)=主催者発表
1.15分1本勝負
△金原弘光(時間切れ引き分け)前田雅和△
*金原、前田雅デビュー戦。
2.スタンディングバウト(3分5R)
○B.ロス(KO、2R2:52)大江真●
3. 30分1本勝負
○垣原賢人(KO、4:03)J.ボス●
4.30分1本勝負
○宮戸優光(腕ひしぎ逆十字固め、7:5)T.バートン●
5. 30分1本勝負
○G.オブライト(TKO、5:25)田村潔司●
6.45分1本勝負
○B.バックランド(羽根折り顔面絞め、11:26)安生洋二●
7. 60分1本勝負
○山崎一夫(腕ひしぎ逆十字固め、13:23)中野龍雄●
8.格闘技世界一決定戦3分10ラウンド
○B.スコット(判定2-1)J.ワーリング●
9.格闘技世界一決定戦3分10ラウンド
○高田延彦(試合放棄、1R2:52)T.バービック●
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