No.67
猪木対天龍 スリーパーの謎とそれより謎なレフェリー、タイガー服部 新日本プロレス「‘94 BATTLE FIELD IN闘強導夢」

新日本プロレス「‘94 BATTLE FIELD IN闘強導夢」
1994(平成6)年1月4日 東京ドーム
同行者=千里眼

メインまでは淡々とした内容で進行。
唯一S・スタイナーのブレンバスターからのボム系の技への変換がドキリとしたぐらいで後は大きな波乱もなく。
しかし橋本-蝶野戦はなかなか力の入った試合、両者とも終わったあとボロボロ。
猪木の負けは試合が始まる前からある程度予想していたからそんなに驚きはしなかったが
以下の3点で猪木は天龍にピンフォールを許してはいけない理由がある。
1・大相撲幕内出身者
2・全日本プロレス出身者
3・(現在は)インディペンデントの選手

しかしこの猪木対天龍、リターンマッチを格闘技ルールで行うということにでもなればまあ納得か。

今年の天龍は敗北が売りだった。
猪木を破り国内最強となった天龍に最初に土をつけたのはシングル戦での橋本だったが、
タッグマッチながら事実上初対決で天龍からピンフォールを奪った大仁田に完全に話題を持っていかれてしまった。
その後天龍はFMWのマットで電流爆破による大仁田とのシングル戦を敢行、借りを返すがその後WARのマットで北尾に負け。

(追記)
猪木対天龍戦は序盤に猪木のスリーパーが決まり天龍が失神。
このまま決まるかと思ったがレフェリーのタイガー服部がなにやらマイクを持ち出して説明。
「この試合は格闘技戦ではないので猪木さん、チョーク・スリーパーは反則です」
そんなような説明だったと記憶している。
しかし自分の知識では、チョークスリーパーはのど仏の軟骨部分を破壊する技だから、
痛くてギブアップすることはあっても失神はしないはずだ。
失神するということはスリーパーホールドがきちんと決まっているために起こる
頚動脈の圧迫から来る脳の一時的な酸素不足のはずだから、プロレスの攻撃方法では合法のはず。
総合格闘技の知識が浸透した現在ではこの服部レフェリーのストップはまったく論理的ではない。
その後失神から覚めた天龍が猪木にパワーボムを決め、
微妙なカウントながらスリーが入り天龍が馬場、猪木の両巨頭からピンフォールを奪った初の日本人という歴史的快挙を達成した。
どうも長州が天龍を使って新日本のイニシアブの移動を儀式的に表現した試合という感じがする。

(1994・0104の日記と同年末の「1年を振り返って」を元に再構成、追記は2003・0721)

新日本プロレス「`94 BATTLE FIELD IN 闘強導夢」
1994(平成6)年1月4日 東京ドーム
観客6万2000人(超満員)=主催者発表

1.30分1本勝負
○小原、小林邦、カブキ、越中、木村健 (片エビ固め、12:09) 中西、小島、サムライ、木戸、永田●

2.30分1本勝負
○野上、飯塚(原爆固め、14:07)青柳、斉藤彰●

3.30分1本勝負
○ビーフケーキ(片エビ固め、8:06)ブラック・キャット●

4.時間無制限1本勝負
○マシン(体固め、8:51)後藤達●

5.45分1本勝負
○ライガー(片エビ固め、14:26)T・マスク●

6.IWGPタッグ選手権(60分1本勝負)
○パワー、ホーク(片エビ固め、12:47)ノートン、ヘルナンデス●
*パワー組が第23代王者チームに

7.60分1本勝負
○スコット、リック(片エビ固め、20:51)武藤、馳●

8..60分1本勝負
○ホーガン(片エビ固め、13:33)藤波●

9.60分1本勝負
○長州(片エビ固め、9:04)藤原●

10.IWGPヘビー級選手権(60分1本勝負)
○橋本(片エビ固め、28:00)蝶野●
*橋本が防衛。

11.特別試合(60分1本勝負)
○天龍(エビ固め、15:56)猪木●


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