No.132
裏技「双耳」爆発
UWFインターナショナル「王道」

UWFインターナショナル「王道」
1995(平成7)年1月16日 東京・日本武道館
同行者=千里眼

●中野対アレン
アレンの関節技に注目。
ゆっくり入るのに相手がいきなり痛がる。
タイミングが明らかに他の選手と違う。
「見えない関節技」だ。
しかし中野との足取り合戦に屈してしまった。
膝が悪いよう(註1)。

●田村対ライディック

「純粋プロレスラー」の田村が最近レガースを着用して蹴りを使うようになってきた。
純粋プロレスラーの称号は場外戦なし、流血なし、打撃なしのピュアなレスリングを見せる田村に対してつけたのだが。
田村のグラウンドはスピードとポジショニングがいい感じ。
宝だ。

●山崎、ストーン対高田、スコット
「格闘技世界一」コンビが復活山崎の速攻に轟沈。高田ほとんど何もできず。

●ベイダー対オブライト
東京ドームでのハンセン対ベイダー戦に匹敵するド迫力試合を期待したのだが、意外に地味な試合に終わった。
わき腹へのナックルパンチ、サフォケーション・クローを駆使してじわじわとオブライトを攻めるベイダー。
オブライトはどうも攻め手を見出せない。
最後はベイダー、背後からオブライトの両耳に腕パンチ攻撃。
ダウンしたオブライトに裸締めで決着。
これ見て千里眼「双耳だ!」。
双耳は沖縄空手での呼び方だそうで(註2)、両の耳を同時に張る技。
耳の中の空気が急激な刺激で逃げ場を失い、鼓膜が破れる危険性がある。
大相撲でも両耳を同時に張る行為は禁じ手である。
プロレスではかつて力道山が出すか出さないかというところまで行った試合があったらしい。
門茂男氏の著書で読んだ記憶が・・・。
故意か偶然かはわからないがそんな危険な技を使ってまで勝利にこだわったベイダー、
やはり出場する先々の団体でタイトル獲得をする、その実績の裏面を垣間見たようだった。

(1995年1月16日の日記を元に再構成、2004.0410)

(註1)聞くところによるとこれが本当にアレン現役最後の試合だったらしい。
(註2)「双耳」試しに検索しましたが谷川岳とか陶芸品しか見つかりませんでした、隠語なのかもしれない。

UWFインターナショナル「王道」
1995(平成7)年1月16日 東京・日本武道館
観客1万6500人(超満員)=主催者発表

1.スタンディングバウト(3分5R)
○ゴーン・ユタチャイ(KO、4R2:15)R.ブロックフィールド●

2.15分1本勝負
○金原(TKO、5:28)山本喧●

3.30分1本勝負
○高山(首固め、7:58)T.バートン●

4. 30分1本勝負
○中野(アキレス腱固め、8:35)B.アレン●

5.ダブルバウト(30分1本勝負)
○垣原、安生(膝十字固め、16:51)佐野、桜庭●

6. 30分1本勝負
○田村(腕ひしぎ逆十字固め、9:09)J.ライディック●

7. ダブルバウト(45分1本勝負)
○山崎、J.ストーン(脇固め、1:53)高田、B.スコット●

8.プロレスリング世界ヘビー級選手権(60分1本勝負)
○スーパー・ベイダー(裸締め、11:25)G.オブライト●
*ベイダーが初防衛に成功。



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