No.222
小川、プロデビュー戦で橋本を破る。新日本プロレス「’97BATTLE FORMATION」


新日本プロレス「’97BATTLE FORMATION」
1997(平成10)年4月12日 東京ドーム
同行者=千里眼

当初メインカードとして橋本対ウェイン・シャムロック(当時パンクラスに出場)が発表されていたが、
シャムロックは何とWWF(現WWE)入りを表明、
カードが宙に浮き当時プロ転向宣言を表明していた柔道王小川直也がメインで橋本と運命の初対決を行うこととなった。

INOKI FINAL COUNTDOWN 7thは猪木と佐山が初対決。
佐山が初代タイガーマスクデビュー戦でも見せたヘッドロックからくるくるっと回転して足を取るムーブを、
猪木が胴をキャッチして回転阻止。攻めも攻めたり、受けも受けたり。
佐山がキックを飛ばしてくる中、猪木はグランドに持ち込んでねちっこく攻める。
インディアンデスロックからボーアンドアロー。
最後はスタンドでのコブラツイストで佐山ギブアップ、短時間ながら両者とも持ち味が出た一戦だった。

メイン、小川直也プロ第一戦。
入場は音楽ではなく「風」の効果音のみでの登場。
スポンサー「SUBARU」のロゴが入った柔道着に素手、裸足。
試合は橋本がチョップ、キックと打撃で攻める。まだ打撃に対応できない小川は苦しそうな表情。
しかし小川のS.T.O(スペース・トルネード・オガワ=大外刈りの応用技)が決まってから試合は一変。
小川が背後からの裸絞めを決めグラウンドへ移行すると橋本の動きが止まり、鼻血が吹き出る。
レフェリーは試合終了を宣言(レフェリー・ストップ?)、小川が歓喜のジャンプ、デビュー戦で新日のエースを破る大金星を獲得した。
リングサイドは佐々木や長州が驚いた表情で騒然。

橋本はこの後の大阪ドームでのリマッチでIWGP王座を賭け自ら背水の陣を敷き、
顔面へのキックで小川をKOして圧勝、対戦成績を1勝1敗とした。
しかし両者の戦いはここまでで第1章が終わったに過ぎなかった。
小川の存在はこの後の橋本のリング人生に大きく関わることとなってゆく。

(2005.0815)



新日本プロレス 「’97BATTLE FORMATION」
1997(平成10)年4月12日 東京ドーム
観客6万500人(満員)=主催者発表

1.30分1本勝負
○天山広吉(抱え込み式逆エビ固め、14:29)中西学●

2.30分1本勝負
○エル・サムライ(片エビ固め、13:51)大谷晋二郎●

3.30分1本勝負
○クリス・べノワ(片エビ固め、9:17)ケビン・サリバン●

4. 45分1本勝負
○小島聡、平田淳嗣(エビ固め、10:18)山崎一夫、木戸修●

5. 時間無制限1本勝負
○越中詩郎(片エビ固め、11:16)石川敬士●

6.ジュニア8冠選手権(60分1本勝負)
○獣神T.ライガー(体固め、20:08)ザ・グレート・サスケ●
*ライガーが8冠王座(註1)各4度目の防衛に成功。

7.INOKI FINAL COUNTDOWN 7th60分1本勝負
○A.猪木(コブラツイスト、6:46)タイガー・キング(佐山サトル)

8.60分1本勝負
○G.ムタ(体固め、14:09)蝶野正洋●

9.IWGPタッグ選手権(60分1本勝負)
○長州力、佐々木健介(片エビ固め、16:03)藤波辰爾、木村健悟●
*長州、佐々木組が第30代王者に。

10.異種格闘技戦時間無制限1本勝負
○小川直也(裸絞め、9:25)橋本真也●

註1:ライガーが防衛した王座はIWGPJ.ヘビー、第40代NWA世界ウェルター、第29代UWA世界J.ヘビー、第31代WWF世界L.ヘビー、第8代WWA世界J.L.ヘビー、第8代インターJ.、第10代英連邦J.、第4代NWA世界J.ヘビー。

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