No.94
吉田秀彦、プロデビュー戦でホイス・グレイシーを破る!「Dynamite!」国立競技場

「Dynamite!」
2002(平成14)年8月28日 東京・国立競技場
同行者=なし

ダイナマイト当日券で行ってきたぞ。
休憩の時に入場。
まんず猪木のスカイダイビングが見れました。
「最高です!」とおっしゃってましたが心中少なからず最悪の事態を想定してはいなかったのでしょうか?
(事故が起こらなくてなにより)
しかし自分のような凡人の心配などものともせず神は地上に降臨したのでした。
「今日の試合は蟻地獄」はるか上空から眺めた国立競技場は先生の御目にはスリバチ状のアリジゴクに映ったのでしょうか。

ノゲイラ対サップ

第6試合のノゲイラ対ボブ・サップから観戦。
サップのパワーボムでスタート、ノゲイラ執拗に低いタックルを狙うが
サップ相当研究してきたようでことごとくタックルを切って上から重いパンチ。
先に出血チェックが入ったのはサップだったがその後ノゲイラも出血、ドクターチェックが入る。
ノゲイラ三角絞め、アームバーを狙うもサップ怪力ではねのけ極まらず。
サップはタックルの切り方とグランドを相当練習したよう、スリーパー気味の肩固めでノゲイラを追い込む。
2ラウンド、スタンドの打撃からはいったノゲイラ、グランドで腕狙い、最後は腕ひしぎ逆十字固めで苦戦の勝利。
サップはかなり進化していてノゲイラになかなかタックルを決めさせなかったり
グランドでも危なげなかったりで今後も相当期待できる。
ノゲイラは逆にタックルが決まらなくても同じ戦法を使いつづけ
レジェンドの菊田戦のように寝技が決まらないなら打撃で、というような展開ができず、
まあ打撃もやったがサップの距離でのもので見ていて危なかった。
しかしながら寝技がツボにはまった時はやはり強さを発揮する。

ノゲイラ対サップは‘技対力‘という切り口からも語れる試合であった。
サップはキャラクター的には好きなんだけどバックボーンになる格闘技がない?っていうかいまいちあいまい。
肉体−圧倒的な筋肉量が武器。
たしかNFLからプロレスのWCW入りしたんだよな。でもレスラーっぽくないし。
バックボーンになる格闘技っていうのは選手それぞれの攻撃のしかたのポリシーにもつながると思うので
当然注目すべきところなのだが、
そういうのがない、腕っ節だけの選手、最近だとグッドリッジがそうか、
タンク・アボット、古くはビル・カズマイヤーもこの範疇に入るか。
そういう相手に技術体型を何十年もかけて練ってきたのに負けてしまうっていうのは許されないことだろう。
逆にいうとそういうのをやっつけるっていうのは快感…?
あれ?俺どっちの味方なんだ?
破綻してきたのでこの話は止める。
ノゲイラが勝ったあとリング上に元UFC王者のバーネットが出てきてノゲイラを挑発、
「オマエハ、モウ、シンデイル!(日本語)」
北斗神拳だったのかこの人。あたあたあたあた。
カーロス・ニュートンのかめはめ波もそうだけど、日本のアニメーションって海外の格闘家がお気に入りなのかなあ。

吉田対ホイス・グレイシー

吉田ヒデ対ホイス・グレイシーはいくらなんでもプロ第一戦でグレイシー一族に勝つのは不可能と思っていたんだが、
吉田勝ってしまいました!すごい!うれしい!国立大爆発!
でも冷静に考えると吉田102Kg、ホイス88kgで体重差14kg差なんだよな。
まあ体重無差別、時間無制限で闘うのがグレイシーの売りみたいだけど。
あと負けを認めない態度とグレイシートレインもね。

桜庭対ミルコ

桜庭は残念でした。でもあのままやっていてもどうかと思う。
グランドでは結構上になって顔面パンチ入れてたけど、ミルコのローキックのいいのも当たってた感じ。
やはり体重差は大きい。
眼底骨折って重傷だと思うけど、心配・・・。
リング上でドクターがペンライトあててたけど眼球が動かない(反応しない)らしい。
ベイダーのマスクは楽しめました、白煙つきで。

●今後の展開

レジェンドがポシャッた感じだし、吉田ヒデがヒクソンの次期対戦相手候補の最有力になるのは確実とみた。
プロデュースはもちろん猪木じゃなくて石井館長。
まあその前にホイスとの再戦でもうひと稼ぎってところでしょうな。
新グレイシーハンター吉田ヒデの戦いが始まる!

桜庭は?
うーん、全日本!明るく楽しく激しいプロレス。
もうハードなVTルールはいいよ。
グレイシーには一度も負けてないんだし。
逆にシウバに2敗、ミルコにも負けですと400戦無敗の例の人ももう相手にしてくれないんじゃないでしょうか。残念だけど。

ミルコ!
K-1グランプリトーナメントには出ないで今後も他流試合路線でしょう。
タックルの切り方、絶妙です。もはや芸術の域だな。
打撃だけのルールの住人にさせておくのはもったいないです。
いよいよ藤田ゴリとの再戦か!

(旧演撃カフェ 2002/08/29 4324ほか )

TBS「Dynamite!」
2002(平成14)年8月28日 東京・国立競技場
観衆9万1107人(満員)=主催者発表

1.PRIDEルール(5分3R)
○W.シウバ(TKO、1R1:16)岩崎達也●
*パウンド連打。

2.PRIDEルール(5分3R)
○ジェレル・ベネチアン(判定2-1)松井大二郎●

3.PRIDEルール(5分3R)
○G.グッドリッジ(TKO、1R3:39)ロイド・ヴァン・ダム●
*マウントパンチ、レフェリーストップ。

4.K-1ルール(3分5R)
△Z.シュルト(判定引き分け)E.ホースト△

5.K-1ルール(3分5R)
○J.バンナ(KO、1R1:30)ドン・フライ●
*左右パンチ連打。

6.PRIDEルール(1R10分、2・3R5分)
○アントニオ・ホドリゴ・ノゲイラ(腕ひしぎ逆十字固め、2R4:02)B.サップ●

7.ジャケットマッチ(10分2R)
○吉田秀彦(失神KO、1R7:24)ホイス・グレイシー●
*袖車、打撃なしの特別ルール。

8.PRIDEルール(5分3R)
○M.クロコップ(DSC、2R終了)桜庭和志●
*桜庭に眼窩底骨折の疑い。

関連項目:ジャケットマッチ列伝はこちら
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