No.96
高田引退試合・UWF最後の日「PRIDE23」

「PRIDE23」
2002(平成14)年11月24日 東京ドーム
同行者=千里眼

今度の日曜は東京ドームでプライド観戦だ。
今回のプライドは「UWF終焉」がテーマだな!
80年代の日本プロレス界に突如誕生したUWF。
第一次はまるで地下室で実験を重ねるような興行を繰り返し消滅したが
第二次UWFはプロレス界に巨大なムーブメントを生んだ。
あの有明コロシアム『真夏の格闘技戦』。
懸念された台風も現れず、それどころか新しい流れを祝福するかのような花火が見え た。
当時は便が悪かったお台場とかのあの辺り…。
今は地下鉄でらくらくだな。
あの大阪球場『UWF MAY History』
新日より早かった、エマーソン、レイク&パウエルのあの曲「スコアー」の採用。
レーザー光線の興奮。
新幹線で大阪へ行った自分・・・。
しかし繁栄もつかの間、新しい団体は内部から崩壊していき、三派に分かれた。
そしてそこから更なる枝分かれが。

93年、グレイシー柔術、ヴァ―リ・トゥードの登場、総合格闘技の波は瞬く間に世界 中へ。
そしてメディアを強力な武器として世界進出を目論んだK―1。
プロレスと総合格闘技の狭間に生まれたジャンルの鬼っ子、その子供たちは生き残り
をかけて危険な戦いを挑んでいった。
プライド1でヒクソンに敗れた高田。
もしかしたら本当はあの日が終わりの日だったのかもしれない。
しかしプロレスの勝利を信じて見続けた自分。
横浜アリーナ、UFC日本大会で柔術のコナンを逆十字固めで破った桜庭。
そこから新しい戦いが始まった。

しかしUWFは引きずっていたと思う。
前田が去り、船木が引退。 最後の象徴UWFたる高田の最終試合。
UWF、巨大なる祭りの、本当の終焉。
見届けずにはいられない。
高田最後の相手は田村潔司。
かつて会場で「真剣勝負」での対戦をアピールした後輩だ。
自分はこの試合、勝敗は関係ない。
ただただ、試合が行われることに意義がある。
終焉のその時に、立ち会いたい。
それが今までの自分とUWFとのかかわりの、けじめだと思うのです。

第1試合 ○横井宏孝×ジェレル・ヴェネチアン●
横井はポジションの取り方がいい。それから躊躇なく相手の顔面を殴れるってのは強みだ。
だけどもう少し関節技のチャンスを各実に決めてほしいな。
ヴェネチアンは最初はにらみ合ったりしてすごみ効かせてたけど、
最後の方はインターバルで泣き顔だった。

第2試合 ●山本喧一×ケビン・ランデルマン○
ランデは山本の腕を何度も決めていたけど(かなり危険な角度だった)あれレフェリーストップにならないなかな?
ランデの最後のフライングプライド膝はすごかったけど、どこかで見たことあるなあ…。
あ!デストロイヤーのダブルニードロップ!
やはり魔王はシュートだったのか!

第3試合 ●ムリーロ・ニンジャ×ヒカルド・アローナ○
最初はイエローをアローナがもらったし、顔面こすりでニンジャが優勢だったと思ったんだが、アローヨの判定勝ち。
あんまり納得がいかないがここでニンジャがBTCに連勝したらまた両軍が熱くなってしまうという配慮があったというのはうがった見方か?

第4試合 ○エメリヤーエンコ・ヒョードル×ヒース・ヒーリング●
いんや〜エメヒョ―強いの一言。
強さの桁が違うね。
あのパンチの迫力!
ヒーリングが人気あったのは意外、認知されつつあったのか?
これで次回プライドはノゲイラ対エメヒョ―になるらしいけど、
エメヒョ―はまだ関節技出していないだけ未知数。
ノゲイラには悪いけど、俺エメヒョ―応援する予定。
わくわく。

第5試合 ○アントニオ・ホドリゴ・ノゲイラ×セーム・シュルト●
あの三角締めは一回つかまると全然逃げられないんだね。
タックルは相変わらずヘタなノゲイラ。

第6試合 ○ヴァンダレイ・シウバ×金原ひろみつ●
金原やってくれると思ったが。シウバのふんづけにタオル。
殴られた時に下向いちゃうのは何とかならないか。
そこから隙を突かれているように思う。

第7試合 ○吉田秀彦×ドン・フライ●
自分の袖をつかんで締めるっていうのはすごい。
吉田選手かなり研究してると思われる。
フライは調子悪かったのでは?あんまり殴らなかった。

第8試合 ●高田延彦×田村潔司○
田村の急所キックは確信犯的?当たった瞬間全然悪びれないし。
「もう勝っちゃったからイイや」みたいな感じもしたが。
でもそのあとはそうではなかった。
高田はだいぶ体が悪いんじゃないかと思う。
昨年のクロコップ戦あたりから見られるようになった、両足を開いて腰を割って重心を低くした状態で腕を開く構えは、
攻撃なのか防御なのかわからない体勢。
ローキックもらいっぱなしだし。
足と腰に大きなダメージを抱えたままという感じがした。
レスラー同士なのに序盤全然組まない試合ってのも異様。
大木金太郎対猪木戦、あるいは大木対馬場戦を思い出した。
最後は田村のストレート1発で高田ダウン、ノックアウト負け。
壮烈な戦死、だ。
この試合についてはとても深いものがあると思うのでいずれ特別に書きたいと思っている。

第9試合 ○桜庭和志×ジル・アーセン●
コバンナたいしたことなし!でも桜庭も右足ぐるぐるで全然動けない。
後で新聞記事読んだら靭帯断裂だって?
まあそれで出てきたのはある意味すごいがモンゴリアンチョップなどパフォーマンスに終始した桜庭はちょっと悲しかった。
それから時間がおして客が帰りだすってのも桜庭の試合にしては悲しかった。

面白い試合が多かったのはよかったが、何しろ長かった。

(新演撃カフェ 2002/11/22 【1096】 、2002/11/27【1246】 )

DSE 「PRIDE23」
2002(平成14)年11月24日 東京ドーム
観衆5万2228人(満員)=主催者発表
*全試合1R10分、2・3R5分のプライドルール。

第1試合 
○横井宏孝(腕ひしぎ逆十字固め、2R3:29)ジェレル・ヴェネチアン●

第2試合 
○ケビン・ランデルマン(TKO、3R1:16)山本喧一●

第3試合 
○ヒカルド・アローナ(判定3-0)ムリーロ・ニンジャ●

第4試合
○エメリヤーエンコ・ヒョードル(DSC、1R終了)ヒース・ヒーリング●

第5試合 
○アントニオ・ホドリゴ・ノゲイラ(三角絞め、1R6:03)セーム・シュルト●

第6試合 PRIDEミドル級タイトルマッチ
○ヴァンダレイ・シウバ(TKO、1R3:31)金原ひろみつ●
*シウバ2度目の防衛に成功

第7試合 
○吉田秀彦(腕ひしぎ逆十字固め、1R5:32)ドン・フライ●

第8試合 
○田村潔司(KO、2R1:00)高田延彦●

第9試合 
○桜庭和志(腕ひしぎ逆十字固め、3R2:08)ジル・アーセン●

生観戦記2002に戻る
SAMEDASU扉に戻る

web拍手 by FC2