No.105
デブ世界一決定戦に宇宙恐竜(デブ)乱入、そして円谷プロとの問題浮上。
ZERO-ONE「EXTERMINATION-D」
2003(平成15)年7月6日 東京・両国国技館
同行者=千里眼
何といってもNWAスーパーヘビー級初代王者決定戦4WAYマッチに尽きる。
この日の大会名は「EXTERMINATION-D」、DってデブのD か?
「デブを排除する」?
ぎゃはははは!やっぱりこの試合が大会メインなんだ!
ばかばかしさナンバーワン!
でも面白いんだな、これが。
ここんところガイアの横浜文体といい「面白ければいい」そんな感じに流されている。
まず試合前の女子レポーターの、参加選手へのインタビューの模様が場内のスクリーンに流されるんだけど一番面白かったのはガファリ。
「アメリカでは太った人は社会的にも評価が低いといわれていますが云々、そのことについてはどう思われますか?」
そのレポーターの質問にガファリはレポーターを捕まえるや否や彼女の顔を自分の腹にうずめて窒息状態!さらに持ち上げて振り回す!
いにしえの「ワールドプロレスリング」で控え室レポートでシンと上田にぶん殴られてひっくり返る遠藤幸吉とか、
ビガロに背広の袖引きちぎられた真鍋アナウンサーとか思い出しました。
入場曲がまたおもしろ!
プレデターはブロディのコピーだから「移民の歌」、
ガファリはレジェンドの小川戦と同様スター・ウォーズの「インペリアルマーチ」。
キング・ダバダの曲は「帰ってきたウルトラマン」の防衛チーム「MAT」の戦闘機マーチ!
「ワンダバダワンダバダワンダバダバ!」キング・ダバダだから?ぎゃはははは!
試合始まったら一番強そうなプレデターがまずオーバー・ザ・トップロープで脱落。
ほどなくダバダもダブルのショルダー・スルーでリング下へ。
決勝はビガロばりの側転で身軽さをアピールしたガファリが(さすがオリンピックメダリスト、運動神経いいんだね)
フライング・ソーセージで嵐を圧殺、新チャンピオンに。
と、どこからか覆面の巨漢が乱入!
背後からの攻撃でガファリを圧殺して(ガファリ気づけよ)なにやらアピール。
「X X X X X X X X X 、I am ZETTON !」
「みんな俺様がやっつけてやる、俺がゼットンだあ!」
ご丁寧に場内に通訳が放送されて、しかも最初の本人のセリフがマイクなしだったからマイクを持って同じこともう一回。
「X X X X X X X X X 、I am ZETTON !」
「みんな俺様がやっつけてやる、俺がゼットンだあ!」(通訳)
わかったって。
だけどゼットン、デブすぎて立ってるのがやっと。あれじゃ戦えないじゃん(笑)、ヤーブロー(註1)以外の誰でもないし。
というわけでNWAスーパーヘビー級王座の時期挑戦者として名乗りを挙げた覆面の巨漢ヤーブロー、じゃなかったゼットン。
もはや説明する必要もないかと思われるがその名前は円谷プロ製作の
不滅のテレビ番組「ウルトラマン」の最終回に登場する怪獣の名前である。
最終回で宇宙恐竜ゼットンは無敵のウルトラマンを倒す!
30年以上前、日本中のお茶の間のよい子を凍りつかせた瞬間だ。
ちなみに若き日の前田日明がこのウルトラマン敗北を目撃して「俺がゼットンを倒す!」と心に誓い、
拳法だか空手だかを始めたのは有名な話である。
「前田日明30年目の復讐、待ってたぜゼットン!」っていうテーマでゼロワンのリングで前田対ゼットンやってもいいと思うんだけど。
脱線したので元に戻すとゼットンというキャラクターの登場といい、
キング・ダバダの入場曲といいこの日のゼロワンは円谷プロテイストが随所に見られたがその理由は後日、思わぬ記事を読んで納得する。
この大会のあと、小川がイニシアチブをとって?開催されたOH祭り、タッグリーグ戦(全5戦)の最終戦は
7月27日、山梨・富士急ハイランドで予定されていたが開幕直前の7月9日、最終戦は開催中止の発表がありシリーズは全4戦に縮小された。
中止の理由はスポーツ紙では「諸事情」と発表されたが実際は富士急ハイランド側が主催団体と契約した事実は一切ない、とのこと。
つまり契約が成立していないまま開催が発表されてチケットが売られてしまったわけだ。
富士急ハイランド側と交渉に当たったのは特撮の円谷プロのプランニング・プロデューサー。
プロデューサーは今年3月末ごろ、富士急側に金額や日時の条件提示をした後は一切、音沙汰なし。
富士急側は「条件面で交渉していたわけではなく、開催予定の1カ月前までに契約に至らなかったので、常識的に立ち消えと判断した」そうだ。
OH祭関係者は「円谷プロは遊園地との付き合いも長く、完全にお任せしていた」そうだ。
円谷プロは「社としてOH祭の企画に参加した事実はない」と否定。
さらに、「(プロデューサーは)一社員としての権限を大きく逸脱した行動が発覚したので6月末付けで懲戒解雇にした」。
OH祭事務局は10日になって、チケット販売を中止。全6000席のうち販売済みの1200席は11日以降、払い戻すことを決めた。
架空の契約をしてプロデューサーが不当な利益を得たわけでもなく、なんのための嘘だったのか不明。
このあとゼロワンと円谷プロの間で話し合いがあったかどうかまでは知る由もないが、少なくともゼットンはこのあとゼロワンのリングに現れていない。
(2004・0207)
参考:夕刊フジ2003年7月11日(金)ネットの記事
註1:エマニュエル・ヤーブロー。初期UFCや世界相撲選手権で顔を見せるアメリカの巨漢格闘家。「ヨルボーグ」の表記も。
ZERO-ONE「EXTERMINATION-D」
2003(平成15)年7月6日 東京・両国国技館
観衆9200人(超満員)=主催者発表
1.15分1本勝負
○石狩太一(エビ固め、5:53)山笠Z信介●
2.30分1本勝負
○P・ロンドン、M・シェーン(片エビ固め、14:13)星川、日高●
3.同
○葛西、D荒川(エビ固め、11:54)アシッド、佐々木義●
4. .同
○T・ハワード(NO・36、10:26)テングカイザー●
5.NWAインターコンチネンタルタッグ選手権(60分1本勝負)
○コリノ、アンダーソン(体固め、15:23)横井、佐藤耕●
*王者組が2度目の防衛。
6. 30分1本勝負
○小笠原(体固め、4:44)キング・アダモ●
7.同
○小島、K・カシン(片エビ固め、14:27)高岩、坂田●
8.同
○大谷、田中将(RSC、15:23)藤原、A大塚●
9. NWAスーパーヘビー級初代王者決定戦(4WAYマッチ時間無制限)
(脱落順)
ザ・プレデター
キング・ダバダ
決勝
M・ガファリ(体固め、8:58)嵐●
*ガファリが初代王者。
10.時間無制限1本勝負
○橋本、小川(TKO、19:45)武藤、川田●
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