No.110
ホイス復活の事実上勝利。「プライド男祭り2003」
「プライド男祭り2003」
2003(平成15)年12月31日
同行者=千里眼
ホイス・グレイシーの勝利への執念を垣間見た。
まずホイスは試合開始前に道着を脱いだ。
ホイスが裸で戦うことはおそらく吉田陣営は想定していなかったのではないか。
吉田は道着のロゴ(スポンサー関係)の問題で脱げないという情報もあるが
ホイスが裸で吉田が着たままでは明らかにホイスが有利。
そして試合開始直後の急所への前蹴り。
蹴ったホイスはイエローカードをもらったものの心理的にはこの時点で試合のイニシアチブを握ったのは間違いない。
序盤こそ袖車狙いで上になって攻め込んだ吉田だったが、
次第に下から道着の袖を掴まれてコントロールされるシーンが目立つようになる。
第1ラウンド終了後に吉田も道着を脱ぐべきだったのではないか。
2ラウンドに入るとホイスの攻めはますます冴え渡る。
グランドで上になっての顔面、側頭部へのマウントパンチ(あるいは平手掌底打ち)はUFC初期無敵だった頃の力を感じさせた。
逆に吉田はミドル級トーナメントの疲労が癒えないのかまったく精彩を欠いたまま攻め込まれ終了のゴング。
判定があれば文句なくホイス、それは誰の目にも明らか。
過去の試合では道着の有利性をリング上で遺憾なく発揮した吉田だったが、今後は逆に研究されて苦しい立場になるのではないか。
2004年、吉田が道着を脱ぐ日が来るのかもしれない。
近藤は日本有数のストライカー。
股関節の柔らかさを駆使してのグランド膝は相手には脅威、試合終了後シウバへの挑戦を口にしたがこれは楽しみ。
だけど入場曲がエンヤってのはなあ・・・。
田村はスタンドオンリー(?)のセフォー弟を傷つけず美しいサブミッションで勝つ。
相手を破壊して勝利した近藤とは対照的な試合だった。
桜庭は両膝をサポーターで固めていて始まる前から調子が悪そうに見え、本領発揮できずに終わった。
さすがにノゲイラ弟、相手が強すぎたか。
(2003・0102)
DSE「プライド男祭り2003」
2003(平成15)年12月31日 さいたまスーパーアリーナ
観衆3万9716人
1.1R10分、2、3R5分
○クイントン・ジャクソン(TKO、2R1:05)美濃輪育久●
2.1R10分、2、3R5分
○ヒース・ヒーリング(裸締め、3R0:35)ジャイアント・シウバ●
3.1R10分、2、3R5分
○桜井マッハ速人(判定3−0)高瀬大樹●
4.1R10分、2、3R5分
○ムリーロ・ニンジャ(KO、1R2:41)小路晃●
5.特別ルール10分2R(判定決着なし)
△ホイス・グレイシー(引き分け)吉田秀彦△
6.1R10分、2、3R5分
○ゲイリー・グッドリッジ(KO、1R0:27)ドン・フライ●
7.1R10分、2、3R5分
○ダニエル・グレイシー(腕ひしぎ逆十字固め、1R7:12)坂田亘●
8.1R10分、2、3R5分
○近藤有己(DSC、1R3:27)マリオ・スペーヒー●
9.1R10分、2、3R5分
○田村潔司(腕ひしぎ逆十字固め、1R2:20)ロニー・セフォー●
10.1R10分、2、3R5分
○アントニオ・ホジェリオ・ノゲイラ(判定3−0)桜庭和志●
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