No.142
新日本、外敵倒せず。新日本プロレス「NEXESS」
新日本プロレス「NEXESS」
2004年5月3日 東京ドーム
同行者=なし
試合開始前にサップ、中邑、立会人の坂口CEOでIWGPヘビー級選手権の調印式。
サップが前日K−1のラスベガス大会に出場していたためと思われる。
中邑のコメント「プロレスラーとしての使命を全うするだけです、それだけです」
サップのコメント「今日はとてもタフな(聞き取れず)、中邑と戦います。でも絶対IWGPのチャンピオンベルトを防衛します」
サップは左で調印書にサイン。
1.アメリカン・ドラゴン、U.ドラゴン、金本対丸藤、T.マスク、ヒート
序盤はタイガーとウルティモがローリングソバット、ロープワークなど合わせ鏡のように同じ技で対抗。
金本とヒートの打って変わったグランドの攻防から丸藤登場、ジャンピングエルボーで場内を沸かす。
その後登場したアメリカン・ドラゴンは近年のジュニアでは見つけづらいエルボーバットなどのごつごつした技を使う正統派。
丸藤にクロスフェースロックを決める。
その後ウルティモが捕まりタイガーの雪崩式ダブルアーム・スープレックス、サンセット・フリップ式ニードロップなどを受けるが風車式背骨折りで脱出。
金本と丸藤に交代。金本いきなりの右ハイキックから大谷晋二郎が多用する顔面ブラッシング(足で)。
しかし丸藤空中回転してのDDT、その後コーナーから長距離ドロップキックを発射するが浅い。
金本ロープの反動を利用してのフロントスープレックスからアンクル・ホールド。
かわってアメリカンとヒート、アメリカンがドラゴンスクリュー、ヒート片足キックで脱出。
アメリカン前転式ブロックバスター、ヒート飛びつき腕ひしぎ逆十字を狙うもアメリカンが足を決めたバックドロップ風の投げからのホールド2連発でヒートからフォール勝ちを奪う。
試合後金本と丸藤がビンタの後握手、またビンタ。
個人的にはアメリカン・ドラゴンが気に入った試合。
2.真壁、西村、天山対ニューストロング魔神、スーパーストロング魔神、ジャイアント魔神
魔界はイントロの最初の部分が故アンドレの曲。
大きい魔神二人は案の定新日本側の2対1攻撃を難なく受ける。
多分平田マシンと思われる魔神と西村が逆さ押さえ込みの応酬。
西村は大きい魔神にコブラツイストを敢行。
最後は真壁が捕まり大きい魔神二人のダブル喉輪落としを食い、一人のエルボードロップでフォール負け。
試合後大きい魔神の一人がリング下でマスクをはずし黒いサングラスをかけて退場していった、栗色の髪の白人だった。
それにしても、すごく大きい!(動きはまだ全然ですが)
3.獣神T.ライガー対中嶋
中嶋は白いタイツとシューズ、初の大舞台登場に緊張の表情。
ロックアップから中嶋掌底攻撃でライガーを場外に落とすと
ロープに飛んでトペをすかしてロープをつかんでくるりと回る初代タイガーマスクのムーブを披露。
ライガーグランドに持ち込んで変形サーフボード→首をロックする拷問技→キャメル・クラッチ→ロメロ・スペシャルとめまぐるしく攻め立てる。
ライガーパワーボムの後中嶋回し蹴りの逆襲、ライガーカウント9のダウン。
追い討ちの中嶋、ジャーマンスープレックスを披露。
しかしライガーの浴びせ蹴り1発で形勢逆転、中嶋コーナーでもたれて半失神。
ここで佐々木、北斗が登場、リング下から中嶋を激励。
中嶋立ち上がるがライガーの掌底が炸裂、ライガー逆エビ固め。
中嶋耐えて粘るも2度目の逆エビでギブアップ。
試合後はライガーが中嶋に熱い握手。健闘を讃えているかのようだった。
そして佐々木、北斗夫妻の中嶋を見守る視線。ライガー、佐々木、北斗らに中嶋に対する愛を感じました。
中嶋選手は年齢の問題もありまだ投げ技に耐えるまでの体が出来上がってないと思う。これからでしょう。リング中央から四方にお辞儀をして帰っていった。
4.J.バーネット対K.シャムロック
新旧UFC、パンクラスの実力者対決。シャムロックはオープンフィンガーグローブを着用。
シャムロックが間合いを詰めて高いタックルからグランドに持ち込むも、ジョシュ下からコントロール。
シャムロック足の関節を取って攻める、ジョシュも対抗。この展開が多く見られた。
シャムロックの右ハイキックでジョシュダウン、
立ち上がったところにもう一度シャムロックのハイキックが襲うがジョシュこれを捕獲してキャプチュード。
シャムロック左アッパーから膝蹴りでジョシュから再三ダウンを奪うもジョシュが投げからネックロックを決める。
ここでシャムロック側の、魔界の構成員の海坊主がエプロンに上がる、ジョシュこれに向かっていくとシャムロックがうしろからジョシュを攻撃。
シャムロックのアンクルホールドが決まりジョシュロープに逃げるもシャムロックこれを離さず。
止めに入ったレフェリーをシャムロック2度暴行、反則負け。
消化不良の一戦。プロレスのルールでなしにアルティメット・クラッシュでやったらどうなのだろうか。
5.天龍、ミング対D.スミヤバザル、D.セルジブデ
ミングことプリンス・トンガ或いはキング・ハクは久々に見て「肉ついたな」という印象だけど、目の光が衰えていない。
ロープに走る動きや立ち上がる動作を見ても全然老け込んだ感じはなかった。
スミヤはプロレス1年生なのにミングを無視してコーナーの天龍を指名する大胆さ(笑)。
出てきた天龍、スミヤのタックルでコーナーに押し込まれるも体勢を変えてチョップの連打から天龍チョップで反対側のコーナーに押し返す。
天龍の延髄斬りを食ったスミヤは何をやりたいのかぐるぐるぐるぐるリングの上を回り始める。
と突然リング下に降りたスミヤ、何の脈絡もなく折りたたみ椅子を持ち出す(笑)。
リング下のそのスミヤに天龍トペ敢行!吹っ飛ばす。
スミヤ、リングに戻ってセルジにタッチ、天龍もミングに代わる。
ミング猛攻、セルジにDDT、ブレンバスター、代わった天龍も「53歳」。
ミング、天龍のダブル攻撃の後ミングパワーボムを狙うも、セルジ、ショルダースルーで脱出、スミヤに代わる。
代わったスミヤ、ミングにタックルからラリアット、モンゴル相撲の技?豪快にミング、出てきた天龍を持ち上げて投げる!(これは迫力があった)
セルジに再びつないでミングにブレンバスター(モンゴルスラム?)。
これで3カウント、モンゴルチームの勝利。
リングサイドには横綱朝青龍。兄弟チームの退場時に駆け寄り抱擁、三人で勝ち名乗りをしようとするが途中でやめた、誰かからストップがかかったように見えた。
朝青龍、ビジョンの画面で「また親方に怒られそう・・・」って吹き出しがつきそうな表情。
6.佐々木、中西対永田、K.カシン
カシンと中西でスタート、しかしカシン中西に触れようともせずすぐ永田にタッチ、これには中西怒る。
永田と中西エルボー合戦、代わった佐々木と永田もエルボー合戦。
カシン、セコンドが持ってきた番傘を中西に投げつける。
永田ローキックからフロントスープレックス。
カシンと中西。カシンタックルからマウントを奪って張り手の連打。
カシン中西に「小馬鹿にするような蹴り」を連発、場内が沸く、いや笑いで。
永田と佐々木。永田のハイキックに佐々木ラリアット、ブレンバスター、逆一本背負い(幻の必殺技のはずなのに全然受けなかった)。
中西が出てきて佐々木と二人がかりで永田の背中に「太鼓の乱れ打ち」。
ここでカシンなぜか場外で試合放棄のようなそぶり、通路を帰りだす。
永田が長時間のローンバトル、中西が永田に掟破りのナガタロックを敢行。
佐々木ヘッドバット、永田コーナーに戻るもカシンがいなくて交代できない。
佐々木、永田にジャーマン2発(ヘタ)。中西スタナーからコーナーに振ってジャンピングニー。
永田が起き上がる間に原始人ストンピングで会場をあおってからラリアット、アルゼンチンで持ち上げる。
カシン入ってきて、仲間割れ?と見せかけてダブル攻撃、ハイタッチ!
不穏な行動は陽動作戦だったのか。
永田が中西にナガタロックをかけると、飛び出してきた佐々木にカシンが見事な飛びつき逆十字。
永田と中西、中西ブレンバスター、アルゼンチン。カシン永田を救出。
ロープワークで戻ってきた中西にカシン白い粉で目潰し!
そこに永田が延髄斬り、バックドロップ固めで中西から3カウント、中西顔の左半分粉攻撃で真っ白。
いやカシン面白い。さんざん中西を馬鹿にしての勝利。常に試合を引っ張っていた感じ。
ここで休憩、アテネオリンピックに出場する永田克彦の挨拶。
続いて猪木が白い国会議事堂の模型を引っ張りながら登場。
パフォーマンスは中途半端だった。
魔界の巨人を紹介してくれたということで来場していた元プロボクシング世界4階級制覇のT.ハーンズが紹介され猪木と握手。
7.村上、蝶野対高山、鈴木みのる
ゴング前いきなり村上が仕掛けていく。鈴木は相手の攻撃を空かすような動きで挑発。
両者卍固めの掛け合い。
中盤蝶野奮闘するも高山の巨体をもてあまし気味。
鈴木、村上にクロック・ヘッドシザースを決める。
高山、村上にバックドロップ、代わった鈴木、スリーパー→首落とし→スリーパーから相手の股をロックするゴッチ式パイルドライバー。
グシャと決まって3カウント。
試合後高山、鈴木マイクで言いたい放題。
8.吉江対ノルキア
ノルキアは青い衣装に杖を持った呪術師のような人物を帯同、白いグローブに裸足。
開始早々吉江が頭から突っ込みコーナーに詰めるもノルキア体を入れ替えてパンチ、膝蹴り、吉江コーナーでダウン。
一度場外にエスケープした後吉江、ノルキアのキックをキャッチして寝かし、腹部にヒップドロップ、いや雷電ドロップ、足を取って逆片エビ固め。
スタンドに戻った後吉江裏拳連発(グローブしないで、反則じゃないのか?)、ダウンしたノルキアにロープ最上段からのフライング・ソーセージの重爆撃!
フィニッシュはキャメル・クラッチ、ノルキアギブアップ。
9.棚橋対オヘアー
急遽登場のオヘアーはWWEで活躍していたらしい。
動きも見たかぎり全くのプロレスラー。
それが何でK−1側?
試合はハイキックを多用するオヘアーに序盤苦戦した棚橋だったがドラゴンスクリュー、串刺しドロップキック、ジャーマンが出たあたりから徐々に追い上げ
後方回転エビ固めからの飛龍裸締めでギブアップ勝ち。
新日本対K−1でも何でもない、普通のプロレスでした。
10.柴田対武蔵
武蔵選手コール時新日本ファンからすごいブーイングをもらう。
試合は最初から武蔵がハイキック。
柴田これをかいくぐってタックルでグランドに持ち込みマウントを奪って腕ひしぎの体勢。
しかし寝技20秒ルールに阻まれて最初のチャンスを逃す。
武蔵ハイキック、柴田足をキャッチしてまたグランドに持ち込むもロープブレイク。
柴田片足タックルからグランドに持ち込みアキレス腱固め、武蔵柴田の顔面付近にあいた足のかかとを叩き込もうとする。
寝技20秒ルールでまたブレイク、再開後武蔵がラッシュ、コーナーに詰めて膝蹴り、柴田ダウン、カウント8で立ち上がったところで第1R終了。
2R、武蔵バックキック空振り、柴田高いタックルで詰めるもロープ際もつれる。
この時、柴田が武蔵に頭突き。痛そうな表情の武蔵だが再開後怒りにまかせて怒涛のラッシュ。
左ハイから頭を抱えての膝蹴り連打。柴田ダウン。かろうじて立ち上がる。
武蔵右ローから左ハイ、柴田またダウン、今度は起き上がれなかった。
勝頼は関節技意識しすぎ。
寝技20秒を意識しすぎて早く決めよう、早く決めようとしてしまった。
ラウンド無制限に決まったのだからマウントで顔とかに肘押し付けたり
サフォケーションクローで呼吸乱れさせたり
のしかかって胸の上から圧力かけたりしてじわじわとスタミナ奪っていく方法を取れなかったものか。
それともそういう指示ができる人間が現在の新日本にはいないということか。
11.中邑対サップ
サップの突進をすかして後ろから足を取る戦法が多用された。
パワーで迫るサップに中邑飛びつき腕ひしぎを何度も敢行するがその度パワーではずされた(効いているようではあったが)。
サップの意外なグランド攻撃をはずした中邑が何度目かの腕ひしぎをかけた、がサップは怪力で技ごと中邑を持ち上げて落した。
そしてサップのパワーボム、一度目は返した中邑だったが2度目のパワーボムで3カウントを聞いた。
やはりいかんともしがたいパワーの差があるのか。
次はロマネックスでサップはこの日リングサイドで観戦していた藤田と、中邑は因縁のイグナショフと戦う。
(2004.0503)
新日本プロレス「NEXESS」
2004(平成16)年5月3日 東京ドーム
観衆=5万人(超満員)
1.30分1本勝負
○アメリカン・ドラゴン、U.ドラゴン、金本浩二
(足きめ岩石落とし固め、18:40)丸藤正道、T.マスク、ヒート●
2.30分1本勝負
○ニューストロング魔神、スーパーストロング魔神、ジャイアント魔神
(体固め、7:07)西村修、天山広吉、真壁伸也●
3.30分1本勝負
○獣神T.ライガー(逆エビ固め、7:27)中嶋勝彦●
4.30分1本勝負
○J.バーネット(反則、13:13)K.シャムロック●
5.30分1本勝負
○D.セルジブデ、D.スミヤバザル(片エビ固め、8:32)天龍源一郎、ミング●
6.30分1本勝負
○永田裕志、K.カシン(岩石落とし固め、14:58)佐々木健介、中西学●
7.IWGPタッグ選手権(60分1本勝負)
○鈴木みのる、高山善廣(体固め、15:50)蝶野正洋、村上和成●
*王者組2度目の防衛に成功。
8.異種格闘技戦(時間無制限1本勝負)
○吉江豊(ラクダ固め、3:31)ザ・ジャイアント・ノルキア●
9.プロレスルール(時間無制限1本勝負)
○棚橋弘至(飛龍裸絞め、7:39)ショーン・オヘアー●
10.異種格闘技戦(3分無制限ラウンド)
○武蔵(KO、2R2:00)柴田勝頼●
11.IWGPヘビー級選手権(60分1本勝負)
○ボブ・サップ(体固め、12:31)中邑真輔●
*サップが初防衛に成功。
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