No.144
新日本系選手が圧勝、K-1「ROMANEX」
FEG 「FieLDS K-1 MMA Championship ROMANEX 格闘技世界一決定戦」
2004(平成16)年5月22日 さいたまスーパーアリーナ
同行者=なし
5月だというのに肌寒い天気の中さいたまアリーナへ。
着いてみるとBゲート、Nゲートの席は舞台設定の都合で変更になるとのこと。
列に並んで順番になると6千円の席が1万6千円の席に化けました。
入ってみればいい席。しかし会場内は片側1/4全部がローマ建築を模した入場ゲートになっていた。
ヒクソン対船木のコロシアム2000のような感じ。
上の階には全然客入れてなかったから入場者は贔屓目に見ても6割以下というところか。入場者数の発表は会場内ではなかった。
程なくオープニングマッチが始まる。
チケットの交換に時間が掛かったためルール説明があったかどうか不明、ラウンド間のインターバルは2分間。
●グラディエーター対ハードンク
グがパンチからロープに押し込む。
膝蹴りを入れて倒して上。
グが上からパウンドを打つがあまり当たらない。
アはグの首を取ってディフェンス。
グが足を突っ張って半立ちの状態から落とすようなパンチ。
グは2R側転から突入してマウントをとろうとするも決定打にならず。
このあと入場式、映画「ベン・ハー」のテーマ曲。
●ブルーウルフ対ハワード
ハワードは迷彩服に半長靴で入場。
ウルフはブルーに白のラインのロングタイツ、シューズが短いから普通のトレーナーはいたように見える。
開始早々、ウルフが高いタックルを仕掛けグランドに持ち込みパウンド。
早くもハワードの金髪が朱に染まる。開始早々のタックルの中で頭と頭が当たったよう。
ドクターチェックの後の再開がスタンドからになりそうでジャッジ陣があわててストップ、グランド状態の組み手から再スタート。
このあたりまだ慣れていない印象。
ウルフ上から鉄槌打ちの連打、さらにサイド・ポジションから肩固め。
スタンドから再開後ウルフ、外掛けから倒してサイドP、ネックロック、アームロック、ギロチンチョーク。
2R、ウルフが低いタックルから倒そうとする。
コーナーに詰まる、ロープ際ウルフがネックロックから4点膝を打つ。
ウルフ、上になってアームロック、アームバー、再び4点膝攻撃、ハワードの脳天部分を直撃。
ここでハワードのセコンドからタオルが投入された。
ハワードはウルフのタックルに気勢をそがれたか殆ど攻撃らしい攻撃を出来ずに終わった。
しかしながらウルフも詰めの甘さが目立った試合だった。
●グレコ対LYOTO
グレコは空手の道着を着用しての入場。
LYOTOサウスポースタイルの構えからタックル、倒してサイドP。
動きが早い。
スタンドで再開後LYOTOの左ストレートとグレコのローキックが交錯。
コーナーに詰まったときグレコの膝がLYOTOの急所に、ドクターチェック。グレコに注意1。
LYOTOタックルでグレコ倒すも勢いあまって1回転、しかし上のポジションを確保、サイドPへ移行。
グレコのしがみついてのディフェンスをLYOTOはがして腕ひしぎ逆十字狙うも失敗。
猪木アリ状態からLYOTO、すっと入ってグランドの上。
アームロック狙い、ここで1R終了。
ラウンドガールは足を見せるのがお仕事と心得ること。
2R、LYOTOマウントポジションをとって右からのパウンドで攻撃、そこから2度目の腕ひしぎを狙うもまた失敗。
逆にグレコが上になるもLYOTO下から腕ひしぎ狙い、その後猪木アリ状態。
3R、スタンドでもつれたとき今度はLYOTOの膝がグレコの急所に、ドクターチェック。LYOTOに注意1。
LYOTOタックルからテイクダウンに成功、サイドPからマウントを確保、パウンドで攻めた後再び腕ひしぎにトライするが、またも失敗。
上になったグレコが終盤猛攻、パウンド、上腕での顔面こすり、しかしここで終了、終盤を除いてグランドを支配し続けたLYOTOが前半の貯金で薄氷の判定勝ち。
●グッドリッジ対プレデター
プレデターはチェーンを持って登場、入場曲は「移民の歌」ブロディ全日本出場時のカヴァー・ヴァージョン。
対するビッグ・ダディはお馴染みクイーンの「ウィ・ウイル・ロック・ユー」。
15kg差があるが(プレデターが重い)4点膝OKのルール。
プレデター左のロー、コーナーにグッドを追い詰める。
グッドパンチから左ミドル、ハイで牽制。
プレデターが不用意に腕を伸ばしてガードが開いた隙にグッドの左ストレートが顔面に炸裂、プレデターたまらず腰砕けになる。
グッド追い込んで左の連発、2発めがヒットしてプレデターロープ際に倒れる、グッド距離を詰めて上から回転の速いパンチ
(殆ど当たっていないが攻撃中で相手が危険な状態ということをレフェリーに認識させるだけで充分、ミルコ対永田のフィニッシュシーンとおんなじ)
。
ここでレフェリーが割って入る、グッドリッジのKO勝ち。
プレデターはすぐ立ち上がりまだまだ戦えそうな印象。
総合での経験の差が出たと感じた。
●バーネット対ローゼ
バーネットが早いタックルで捕まえる、スタンド状態でコーナーに押し付け押さえ込む。
相撲で言う左上手で、相手の右腕を殺してパンチを出させないようにするうまい攻撃。
そこからジョシュが豪快にリフトアップ、投げ捨てようとする。
ロープ際ローゼの悪質行為があったようでローゼにイエロー。
ジョシュ怒ったかテイクダウンを取ってマウントを確保、ローゼの右わき腹にパンチを打ち込む。
ロープに引っかかりそうなローゼにかまわずパウンドで攻撃、回転の速い連打でジョシュのノックアウト勝ち。
試合後のパフォーマンスは手を十字に組んでウルトラマンのスペシューム光線のポーズ。
ジョシュ圧倒的に強いです。
写真は須藤元気のライオンキング?みたいなド派手な入場シーン。
ホイラー側は映画「ザ・ラスト・モヒカン」のテーマで入場、セコンドにはホイス・グレイシーの顔も見える。
●須藤対ホイラー
須藤がいきなり上を取るがホイラーは執拗な引き込み、足関節狙いの動きも見せる。
しかし須藤マウント、猪木アリ状態から飛び上がって突入、パンチ1、2発落とす。
下から足を取られた須藤、思い切って足を引き抜き脱出、立ち上がろうとするホイラーが危険なダンヘンポジション
(ダン・ヘンダーソンが打撃攻撃で効果を挙げている、相手が立ち上がろうとする動きの中での一瞬の隙)になったところを顔面に膝攻撃。
そのまま押し倒すようにホイラーの上になった須藤、パウンドの嵐!
ホイラー、ディフェンスできずマウスピースを吐き出して失神、すかさずレフェリーが間に入ってストップ。
試合直後ホイスに口頭で挑戦表明をした須藤、マイクで説明。
●BJペン対ラドウィック
いきなりのペンの超高速タックル。
左のパウンド。
マウントを取って左右連打から肩固め、タップアウト。
ペンは決めが強い選手。UFC元王者ということだが、顔が東洋系っぽい。
●ドン・フライ対中尾
フライはシューズ着用せずに裸足。
試合前は激しいにらみ合い、レフェリーが割って入る。
フライがコーナーで振り向くさまはまんま「お前も入るか、プライド男塾」。
開始早々の中尾のタックル、フライが上手に切ってジャブ連打。
しかしフライが早くも流血。
中尾のタックルを切ったとき両者の頭が当たったよう。
大量の出血に審判団協議、角田がリングに登場してマイクで説明。
フライの傷は骨膜に達している深いもので試合続行不可能。
バッティングは両者故意でないためノーコンテストとの発表。
●イグナショフ対中邑
4点膝禁止。中邑タックルの連発でグランドに持ち込もうとする作戦。
上になってイグナの顔面にパウンド、顔をこする攻撃。
イグナ前回の対戦と同じように長い手足で下からディフェンス。
中邑ギロチンチョーク狙い。
2R、中邑再びタックルで攻める。
イグナは中邑のタックルに膝を合わせられない。
中邑大きく飛び込んでサイドPから再度ギロチンチョークで攻めるとイグナがタップ。
何とか大晦日のリベンジ(実際は無効試合)を成し遂げた中邑、マイクを握って
「今日の試合のテーマは、笑顔でした」「プロレスラーは強いんです」と饒舌。
とりあえず勝って何より。
イグナは来日前プライドGPに勝ち残っているセーム・シュルトを1RKOに降しての参戦だったそうだが
過密スケジュールでの疲れか時差ボケか、精彩を欠いていた。
●サップ対藤田
4点膝OK。いきなり藤田のタックル。倒したサップの上になる。
サップ藤田の足を取ってディフェンス。
しかしサイドPの藤田、パウンドで攻撃のあとすばやく立ち上がってサップの頭部のほうに回り込み、サップの頭にサッカーボールキック!
これはサップならずとも相当効いたよう。
スタンドで再開後、藤田サップの足を自分の足で引っ掛けて倒す、また頭部へサッカーボールキック!
弱々しく横たわるサップの横からパウンド連発!
これにはサップ逃げられずにタップアウト。
力強い攻めで藤田が日米野獣対決を制した。
試合内容は概ねよかったが、いまいち盛り上がりを欠いた大会だった。
ルールがいまいち不徹底、それにプライドに比した時の独自性が感じられなかった。
それに選手退場時の音楽が暗いせいか折角一本勝ちが多かったのに爽快感が殆ど感じられず、試合後の余韻が楽しめなかった。
それにしても観客の少なさはどうしたものなのだろう。
(2004.0522)
FEG 「FieLDS K-1 MMA Championship ROMANEX 格闘技世界一決定戦」
2004(平成16)年5月22日 さいたまスーパーアリーナ
観客=1万4918人
1.オープニングファイト5分2R
○グラディエーター(判定、3-0)アントニー・ハードンク
●
2.5分3R
○ブルーウルフ(TKO、2R4:44)トム・ハワード●
*4点膝攻撃でタオル投入。
3.5分3R
○LYOTO(判定、2-1)サム・グレコ●
4.5分3R
○ゲーリー・グッドリッジ(KO、1R1:22)ザ・プレデター●
*左ストレートからの左右連打。
5.5分3R
○ジョシュ・バーネット(KO、1R2:15)レネ・ローゼ●
*左右パウンド連打。
6.5分3R
○須藤元気(KO、1R3:40)ホイラー・グレイシー●
*左右パウンド連打で失神KO。
7.5分3R
○BJペン(肩固め、1R1:45)ドゥエイン・ラドウィック●
*タップアウト。
8.5分3R
▲ドン・フライ(NC、1R1:21)中尾芳広▲
*偶然のバッティングでフライ負傷。
9.5分3R
○中邑真輔(ギロチンチョーク、2R1:51)アレクセイ・イグナショフ●
*タップアウト。
10.5分3R
○藤田和之(KO、1R2:15)ボブ・サップ●
*パウンドによるタップアウト。
生観戦記2004に戻る
SAMEDASU扉に戻る