No.148
ノアと全日本、歴史的和解の握手。
全日本プロレス「2004サマーアクション・シリーズ」最終戦〜両国バトル・バンケット〜
全日本プロレス「2004サマーアクション・シリーズ」最終戦
〜両国バトル・バンケット〜
2004年7月18日 東京・両国国技館
同行者=千里眼
驚いた。
会場入り口前で千里眼と待ち合わせをしていたのだが
入り口には看板もポスターも何んにも出てない。
これじゃここで何が行われるのか全くわからないじゃん。
シークレット・ライブか、これは。
それとも経費が出ないのか(いや、それ以前の問題だと思うのだが)。
案の定、突っ立っていたらおばさん二人組が
「あのう、ここは今日何をやるんですか?」
と俺に聞いてきた。
試合開始前、ナビゲーターの木原氏がリングインした時かすかにハッスルポーズ。
その後R.O.D.のTAKA、ブキャナン、ジャマール、太陽ケアがテーマ曲とともに入ってきて
TAKAのトークショー&R.O.D.メンバーによるサインボール投げ。
トークは主にメンバー紹介。
サインボール投げを見ると「全日本」って感じがする。
以前の会場で馬場さんが大きい手で一度に何個もボール掴んで無造作に客席に放り込んでいたのを思い出す。
【土方-石狩】
前座第1試合なのにトペ、スイング式DDT、ジャーマンと派手な大技が炸裂。
もう少し基本的な動きをじっくりやれないものか。
フィニッシュはフィッシャーマンズバスター。
【越中-平井】
越中は白のロングガウンで登場。
元は全日本所属だったがメキシコで新日本転出を表明して
アジアプロレスだかなんだかプロモーション会社を経由して新日本に登場。
その後平成維震軍を経てマグマ流れで再び全日本に出場。
でこの日は前座第2試合、って元の位置のまんまか。
平井、リングインするとコーナーポストによじ登ってTシャツを脱いで客席に投げ入れる。
でもふわぁっとTシャツが開いてしまいあまり飛ばずに落ちた。
カッコワリい・・・。
でも平井、コールされたらタイツと同じオレンジ色の紙テープが飛んできました。
全日本のファンは優しい。
試合はヘッドバットの応酬から越中がけつ。
平井ドロップキックで越中を場外に落としてトペ。
越中負けじとエプロンから場外の平井にダイブしてけつ。
リングに戻って平井ヘッドバットからWARスペシャル(懐かしい)で固める。
平井のムーンサルト自爆から越中がコーナー最上段からのけつ。
それを平井がキャッチしてジャーマン、コーナー登ってフライングソーセージ。
さらに平井、延髄斬りを出すがこれは越中かわす。
越中ロープワークからけつ2発、変形のボム技でカウント3。
【ブキャナン-ギブソン】【アニマル、モートン-ジャマール、TAKA】
なぜかリック・モートンが出場せず、グラン浜田が入った6人タッグに変更された。
【アニマル、ギブソン、G浜田-ブキャナン、ジャマール、TAKA】
当然「アイアンマン」で入場、しかしアニマル・ウォリアーとグラン浜田っていうのはすごい組み合わせだなあ。
浜田とTAKAでスタート。
浜田マリポーサのムーブからワキ固め。
ブキャナンとギブソン、ブキャナンがロープ渡りを披露。
ジャマールとアニマル、ロックアップからロープに押し込む。
アニマルがボディへのキックからタックルの応酬、ラリアート。
入ってきたTAKAのフライング・ボディアタックをアニマルキャッチしてパワースラム。
ギブソンと浜田でTAKAに連携攻撃、浜田スイング式DDT。
浜田とTAKAになってヘッドバットの応酬。
しかしこの後浜田が捕まえられて集中攻撃される。
ジャマールのエルボードロップ、TAKAのトラースキック。
浜田反撃のフライング・ボディアタックをブキャナンがキャッチして投げ。
ブキャナンがバックドロップからロープに飛んでのスタンディング・ギロチンで勝利。
アニマルは結局1回しか出てこなかった。
急遽出場ということだったからかもしれないが浜田がヘビー級の選手と試合するっていうのが驚き。
【太陽ケア-本間】
本間の黄色いタイツの後ろ部分には青い文字で「ぴあ」のロゴ。
本間が開始のゴング前に奇襲。
ケア中盤ストマックプレスからサソリ固め。
本間雪崩式バックドロップ。
ケアロープワークからフランケンシュタイナー。
最後はハワイアン何とか。
ケアはノア東京ドームの時もそうだったが以前の妙なクネクネ感がなくなって動きが良くなった。
【天龍、渕-嵐、荒谷】
天龍、渕組はジャンボ鶴田のテーマ曲「J」と天龍の「サンダーストーム」の合体曲で入場。
大きな歓声と鶴田コールが沸き起こる。
4人の中で渕だけ体が真っ白。
渕-嵐でスタート、タックル、ドロップキック合戦、巨漢の嵐が圧倒。
荒谷-渕になって荒谷が垂直ブレンバスターで渕を攻める。
天龍カットに出て強烈なパンチ。
回復した渕、バックドロップ3発。
きれいなフォーム、落とす直前まで足が地に着いている。
代わった天龍、チョップ、パンチの連発で荒谷を攻撃、投げっぱなしジャーマン。
渕も再びバックドロップ。
天龍、チョップとキックの連発から荒谷に「53歳」。
天龍、渕組、荒谷にサンドイッチ延髄。龍原砲の攻撃だ。
続けて天龍、パンチ、キックから再び荒谷に「53歳」を決めてピンフォール。
天龍の圧倒的な存在感が目立った試合。
渕のバックドロップも良かった。
【カズ・ハヤシ-竹村】
竹村のセコンドには邪道、外道、そして黒いマスクのライガー。
ゴング前の奇襲、セコンド乱入を繰り返す竹村たち。
と、サブレフェリー(?)の和田京平がライガーたちセコンド陣を退場させる。
竹村がリバース・ゴリースペシャルボム。
ハヤシ、ドラゴンスリーパーの体勢から胸板にチョップ、雪崩式水車落としで決着。
終了後握手を求める振りをして竹村、再びハヤシに攻撃、
セコンドの邪道、外道も入ってきて合体パワーボムからライガーの掌底。
ブーイングの中帰ってゆく新日本勢。
ハヤシ怒りのマイク、「ライガー、邪道、外道、今すぐやってやるから出てこい」。
【武藤-西村】
レフェリーはなぜかタイガー服部。
ロックアップから武藤のヘッドロック。
西村ロープブレイクを選びクリーンに分かれる。
今度は西村がヘッドロック、武藤がクリーンブレイク。
武藤のタックルを西村きれいにディフェンスしてフェースロック。
武藤はずして両者手四つ、西村ブリッジから相手のワキに頭を入れて
フィッシャーマン・スラップ。
武藤ヘッドロックからグランド、首4の字。
西村倒立と見せかけて足をロープに。
武藤ロープに飛んで高速エルボー。
武藤再度グランド、ヘッドシザース。
西村ブリッジから倒立して脱出、ブレイク。武藤場外にエスケープして間をはずす、この辺の呼吸はうまい。
再開、西村下から振り上げるようなファンクスのエルボー。続けてコブラツイスト。
西村の回転エビ、武藤シャイニング炸裂。
武藤低空ドロップキック2発からドラゴンスクリュー。
そして4の字、リング中央!
最初は痛がっていた西村だが4の字が掛かったまま何と両手を開いて座禅のポーズ!
ヨガなら痛くないか!
そのまま静止、同じ技だが昭和38年の力道山対デストロイヤーの一戦とは対極をなす様相。
動きが止まったのを見かねた服部レフェリー、ついに膠着ブレークを宣言、スタンドからの再開となった
(膠着だなんて、総合格闘技か?)
武藤低空ドロップキックからシャイニング、西村かわして延髄斬り、さらにコーナー最上段からニードロップ2発。
場外へ逃げた武藤に西村エプロンからニードロップ、さらに場外で椅子を使ってニー。
リングに戻って西村レッグロックから膝固め。
武藤のドロップキックを西村キャッチするとスピニング・トーホールド。
この辺はさすが新日なのにファンクス入ってる西村。
さらに西村バックドロップ、コーナー最上段からのニー、しかしこれは自爆。
武藤反撃、シャイニング2発。
ドラゴンスクリューから4の字に入る、そこを西村狙い済ましたようにスモールパッケージ!
UN戦鶴田対ジャック・ブリスコを思い起こさせるような攻防!
カウント2で脱した武藤再度ドラゴンスクリュー、西村ここもスモールパッケージ。
起き上がった両者、スタンドでもつれて西村逆さ押さえ込み、武藤これをはずしてシャイニング!
武藤プロレスLOVEのポーズからさらにシャイニング、微妙なカウントだったが3が入った。
西村は殆ど古典的な技なのにこれだけ見せてくれるのがうれしい。
武藤は技の数は決して多くないが観客を飽きさせない。
プロレスはきちんとした技ができる達人同士ならこれだけ面白いという見本のような試合だった。
【三沢-小島】
入場は小島が先。
すごい三沢コールの中、「スパルタン]」のテーマ曲で三沢登場。
コールは三沢が先だった。
試合前の握手で三沢は対戦相手の小島ではなくて、和田京平レフェリーと握手!
全日本とノア、歴史的和解のシーンが現出した!
それにしても何という三沢のアドリブ!
小島がチョップとエルボーで攻めるところを三沢、エルボー一発で吹っ飛ばす。
中盤小島がタイガードライバーの体勢、エプロンに逃げた三沢を小島がエルボー。
場外に落ちた三沢に小島がプランチャー、さらにエプロンに運んで奈落式カッター。
小島追いかけて三沢を鉄柱攻撃、場外パワーボム。
しかし三沢、これをウラカン・ラナで返すと脚力で小島を投げ飛ばす、小島フェンスに激突、大きい金属音が場内に響く。
リングに戻って三沢、欽ちゃんキック2発からバックドロップ、ローリングソバット。
三沢コーナー最上段からドロップキック、ダイビング・ボディプレス。小島飛びつきDDT。
三沢ジャーマン、タイガースープレックス、回転してのキックからタイガー・ドライバー。
そこから三沢フェースロックで締め上げる。小島場外エスケープ。
三沢、ロープワークから倒立するムーブを見せるも失敗。
小島のブレンバスターを三沢切り替えしてエルボー、小島後ろに回ってダッシュ、延髄ラリアート。
小島雪崩式カッター。三沢起き上がってエルボー。
三沢、小島のエルボーをブロックしてお返しのエルボー、
三沢、メヒコっぽい腕を取っての回転からグランドに持っていって裏十字固め、珍しい。
ロープブレイクした小島が場外にエスケープすると三沢ロープワークから場外にトペ、さらにエプロンで捕まえた小島に奈落式タイガー・ドライバー。
場外カウントが続くが、和田レフェリーはロングカウント気味。
リングに戻った小島、エルボー連打からラリアート、三沢追い込まれる。
三沢エルボーからエメラルド、小島カウンターのラリアート、腕のサポーターをはずしてさらにラリアート。
三沢エルボーから回転してのエルボー、さらにタイガードライバー。前方に落とす危険な91年式で決着。
試合後再度和田レフェリー、そして小島と握手した三沢。
小島は充分四天王プロレスをやって見せた。
新日本に在籍していた時より、こういうスタイルのほうが似合っていると思った。
三沢は貫禄。
【川田-大森】
ロックアップから大森の左腕攻め、大森に痛烈な野次。
川田マウントポジションを取って張り手、大森も下からやり返す。
スタンドになって川田パンチ、エルボー合戦。
川田ジャンピング・ハイキックも大森すかして低空ドロップキックからドラゴンスクリュー。
川田ハイキックも左足を痛めた模様。
川田ストンピングから回し蹴り、大森の後頭部にカカト落とし打つも足押さえて痛がる。
大森、川田の足殺しに転ずる。
レッグロック、ロープを使っての攻撃から逆片エビ固め、川田悲鳴を上げる。
場外でエルボー合戦、大森フェンスに振るも川田空かして逆に叩きつけ、ハイキック。大森フェンス外に吹っ飛ぶ。
川田エプロンで奈落式タイガー・ドライバーの体勢も大森踏ん張る。
逆に大森奈落式アックスギロチンを狙うも不発。
リングに戻って川田、バックドロップからストレッチプラム、すごいねじり方。
大森、川田の痛めている足にキック、フルネルソンから叩きつけてコーナー最上段に登ろうとするがなぜかやめてリングに戻る。
大森、パイルドライバー、うつ伏せの川田の後頭部にニードロップ、強烈。
このあとアックスボンバーとキックの応酬、足の分だけ川田がヒット。
川田、キックからパワーボム。
両者張り手合戦。
川田、エルボーからジャンピング・ハイキック2発。
さらに川田、再度のパワーボムを狙うも返され大森アックスギロチン。
しかし川田粘ってエルボーからラリアート、バックドロップ2発。
座った状態の大森に、走りこんでのPK気味のキック、これが決まってカウント3。
三沢-小島の熱戦のあとでの登場でやりにくかったか川田、しかし足を痛めるも最後は何とかタイトル防衛で締めくくった。
(2004.0719)
全日本プロレス「2004サマーアクション・シリーズ」最終戦
〜両国バトル・バンケット〜
2004年7月18日 東京・両国国技館
観衆1万1500人
1.20分1本勝負
○土方隆司(片エビ固め、8:00)石狩太一●
2.30分1本勝負
○越中詩郎(体固め、9:18)平井伸和●
3.30分1本勝負
○ブキャナン、ジャマール、TAKAみちのく(片エビ固め、11:15)
アニマル・ウォリアー、ロバート・ギブソン、G浜田●
*予定されていたリック・モートン対ブキャナンは消滅。
4.30分1本勝負
○太陽ケア(片エビ固め、12:30)本間朋晃●
5.30分1本勝負
○天龍源一郎、渕正信(片エビ固め、7:10)嵐、荒谷望誉●
6.世界ジュニアヘビー級選手権(60分1本勝負)
○カズ・ハヤシ(片エビ固め、14:54)竹村豪氏●
*ハヤシが防衛。
7.30分1本勝負
○武藤敬司(体固め、18:02)西村修●
8.30分1本勝負
○三沢光晴(片エビ固め、26:34)小島聡●
9.三冠ヘビー級選手権試合(60分1本勝負)
○川田利明(体固め、22:36)大森隆男●
*川田が6度目の防衛。
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