No.176 プロレスリング・ノア 「GREAT VOYAGE ’05」小橋対みのるは極上の化学反応。

プロレスリング・ノア 「GREAT VOYAGE ’05」
2005(平成17)年1月8日 東京・日本武道館
同行者=千里眼

 

東京ドームやさいたまSAの一部の席から比べると、武道館はリングが近い近い。
前座の試合では第4試合の田上の存在感が際立ってました。
たたずまいがほとんど馬場。
身長が高いこと、タイツが赤いのは勿論のこと極端なことをいえばひじの曲げ方さえ似ている。
以前見たときより背中から見たときのあばら骨の浮き方が顕著になってきているので
今後ますます馬場化に拍車がかかること間違いなし。

 

 



【三沢、力皇‐天龍、越中】



マスクを脱いだ猛虎が昇り竜と方舟のリングで対戦。
越中が三沢に「最初に出て来い」と挑発。
しかし三沢冷静な態度で越中の挑発を受け流して力皇‐越中でスタート。
越中、力皇に早くもけつ連発。
力皇タックルで応戦の後三沢にタッチ。
三沢、越中にドロップキック、場外に落ちたところをトペで追い討ち。
だが落ちた三沢に天龍が突進、場外ブレンバスターを見舞う。
リングに戻って天龍と三沢の局面、天龍のチョップと三沢のエルボーが火花を散らす。
何発も打ち合うもお互い一歩も譲らず。
天龍、越中にタッチして越中がけつ連発。
しかし三沢、エルボー一発で越中をダウンさせて力皇にタッチ。
力皇、越中をコーナーに振ってぶちかまし攻撃。
替わって天龍と力皇がチョップ合戦、天龍パンチ攻撃。
力皇ぶちかまし、天龍のあごに頭突き、天龍コーナーまで吹っ飛ぶ。
三沢と越中に替わって、越中が河津落とし、これは全日本系の技。
天龍対三沢になって再び激しいエルボー対チョップ合戦。
三沢、エルボーに張り手を交えた攻撃。
天龍対力皇になるも天龍パンチから延髄斬り、倒れた力皇の顔面にサッカーボールキック連発。
それでも力皇が立ち上がって天龍に張り手で反撃、すると越中がコーナー最上段からダイビングけつ。
観客席から越中にブーイング。
天龍、サマーソルトドロップからコーナー最上段からの背面式落下の「天龍エルボー」。
天龍「53歳」から越中にタッチ。越中けつ2連発。
力皇ブレンバスターを返して三沢にタッチ.
三沢タイガードライバー。天龍が入ってカット。パンチ連打。三沢回転式エルボーで応戦。
力皇に天龍&越中でサンドイッチ式延髄。
越中、力皇にグラウンドコブラ、スモールパッケージホールドで執拗にフォールを狙う、
コーナー最上段からのダイビングけつ、パワーボム。
三沢がカットに出てエメラルド・フロージョン炸裂。
力皇、越中にラリアット、変形ののど輪落としのような技で越中からピン。
三沢と天龍の顔合わせはほとんどエルボーとチョップの応酬で試合を成立させた、すごい。

【小橋‐鈴木】



ノア対パンクラスってこれもすごい組み合わせだなあ・・・。
などと思いながら見ていると。
小橋は左腕を上に上げた大きな構え。
小橋がネックロックに捕らえようとすると、みのる簡単にバックを制して一旦ブレーク。
なかなか組まなかったがフィンガーロックから。
小橋チョップ、みのるかわして張り手。
みのる、引っ張り込んでのゴッチ式小包固め(小橋を梱包!?)。
そこから腕ひしぎ逆十字に移行、小橋辛くもはずす。
みのるが小橋の左足にタックル、小橋ヘッドロックでみのるを捕獲。
万力のように締め上げる。
みのる脱出を試みてロープに振ろうとするが、ヘッドロックは取れず。
グランドに移行して、小橋締め上げる。
みのる、コーナーに引っ張り込んでブレイクを狙うも外れず。
小橋ロープ際で自らはずして短いモーションながらもキッチンシンク。
続けて胸板パンチ狙うもみのるすかして場外へ。
小橋場外でみのるをフェンスに叩きつけてヘッドロック。
ヘッドロックをかけたままずるずるとリングイン!
エリックの鉄の爪が決まったまま引きずり込むのに、何だか似ている。
みのる、コーナーに引っ張り込んでブレイクを狙う、今度は離れる。
小橋、コーナーを背にしたみのるに連続チョップ、コーナーから出られないみのるはチョップを食らう。
小橋連続チョップから裏チョップ、飛び込んでチョップ。
みのるをコーナー上に固定してチョップを打とうとすると、みのる小橋のチョップをキャッチして腕ひしぎ。
エプロンにぶら下がって全体重がかかり危険な決まり方。
小橋、右腕がかなり痛そう、みのるそこにキック。
みのる今度はグランドで左腕に腕ひしぎ。
小橋グリップが外れて危険な状態も、足がかろうじてロープに。
みのる、小橋の右リストを決めると右腕にパンチ、キック、エルボー、膝で攻める。
小橋チョップかわされて当たらず。
みのる脇固めで倒して大巨人殺しの腕固めから足を絡める変形の羽根折り固め、小橋ピンチ。
小橋怪力で強引に左腕でロープを取って何とかブレイク。
みのる左右のミドルキックからショルダー式のアームブリーカー。
しかし小橋、バックからスリーパーをかけてスープレックス気味に後ろに投げる。ここで15分経過。
花道でスリーパーの攻防。
みのるがスリーパーを決めてグランドになると、小橋ほふく前進で花道から場外に落ちてスリーパーから脱出。
みのるが先にリングイン、フットワークで体を動かすなど余裕。
小橋はボロボロの感じで入ってくる、腕が痛そうな表情。
みのる左右ミドルキックからハイキック、コーナーの小橋に串刺しドロップキック。
そして股に腕を回してロックするゴッチ式パイルドライバー、みのる倒れた小橋を踏んづける。
起き上がった小橋、ハーフネルソンからスープレックス、みのる返してバックドロップ。
みのる腕をとった体勢からリング中央で卍固め。小橋力でロープに持っていき、ブレイク。
みのる腕にキック、小橋大きな声で悲鳴、痛そう。
みのるスリーパーから逆落としの体勢、これはブレイク、ここで20分。
小橋唐突ながら横殴りのラリアット。
小橋パワーボムも腕が痛いか落差が低い、そこをみのるが下から右腕を取って腕ひしぎ逆十字。
小橋辛うじて足をロープに。
みのるフィニッシュの予告から小橋の右腕に膝攻撃。
小橋左腕で横殴りのラリアート。
小橋、コーナーで延髄ラリアートからバックドロップ。
みのる張り手、小橋右ラリアート。
小橋バックドロップ、またバックドロップ、これは効いた、みのる起き上がれず。
レフェリーが割って入っても小橋、レフェリーを吹っ飛ばしてみのるを引きずり起こして、またバックドロップ!
さあ25分経過、小橋がこぶしを握った!
右の横殴りラリアート!吹っ飛ぶみのるをフォール、カウントスリー!
小橋異次元の相手に大苦戦ながらも13回目の防衛に成功。

しかしいい試合だった。技に意味があった。
開始5分ぐらいの小橋のヘッドロック、これは味があった。
ヘッドロックが外れるかどうかだけで魅せられる両者の攻防。
ロープに振るだけで外れるヘッドロックまがいの型が見受けられる昨今、
小橋の力感のあるヘッドロックは絵になった、見ているこちらのこめかみが痛くなるぐらいのものがあった。
そしてその後の腕殺しの攻防、力が入った。
いつもの四天王プロレスの延長、という雰囲気の場内にならず、コールも出ないで固唾を呑んでリングに見入る客席!
小橋のラリアートもロープに振らない横殴りだったので、みのる相手ではこの方が説得力あった感じ。
緊張感のあるリングに観客が集中し、 場内が凝縮された熱気を保ち、実にいいライブ空間となった。
1月4日の新日本ドームではスタイルを模索する新日本に、日本のプロレスの今後を憂う危機感を感じたが この方舟のリングにはそんなこと全く関係ないようだった。
そして鈴木みのる!おいらは鈴木みのる大っ嫌いなんだけどこの日の試合は良かった、面白かった。認めます。
自分が見た中では鈴木みのるのベストバウトだと思う。



小橋は試合後のインタビューで「明けましておめでとうございます」。

(2005.0108)


プロレスリング・ノア 「GREAT VOYAGE ’05」
2005(平成17)年1月8日 東京・日本武道館
観衆1万6700人(超満員)

1.15分1本勝負
○永源遙(揺り椅子固め、7:48)百田光雄●

2.30分1本勝負
○井上雅央、斉藤彰俊、杉浦貴(アルゼンチン式背骨折り、14:51)泉田純、菊地毅、川畑輝鎮●

3.30分1本勝負
○SUWA、小川良成、R.マルビン(体固め、6:59)KENTA、モハメド・ヨネ、鈴木鼓太郎●

4.30分1本勝負
○佐野巧真、田上明(片エビ固め、13:10)本田多聞、潮崎豪●

5.30分1本勝負
○森嶋猛、丸藤正道(体固め、12:18)秋山準、橋誠●

6.GHCジュニアヘビー級選手権60分1本勝負
○金丸義信(片エビ固め、18:22)高岩竜一●
*金丸が4度目の防衛に成功。

7.60分1本勝負
○力皇猛、三沢光晴(片エビ固め、15:53)天龍源一郎、越中詩郎●

8.GHCヘビー級選手権60分1本勝負
○小橋建太(片エビ固め、25:22)鈴木みのる●
*小橋が13度目の防衛に成功。

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