No.28 ザ・シーク

(1929〜03)


↑別冊ゴング昭和52年3月号より    

ザ・シークっていえば噂だけは聞いていたんだけど長らく来日しなくて
「タイガーマ スク」とかのプロレス漫画で『口から火を吹く』アラビアの怪人ってことで
漫画の絵 の中でゴジラみたいに口から火を吹くシークのイラストを見て
子供ごころをときめか せたものです。
実際に動いてるシークの映像を初めて見たのは新日本の闘魂シリーズ沖縄大会のテレ ビ中継でした。
リング上でハンカチみたいの敷いてお祈り始めるシーク。
それを蹴っ飛ばす猪木!
シーク怒る!
試合開始、シークが猪木をコーナーに押し込んで凶器攻撃!技も何もない!いきなり 凶器だ!猪木ピンチ!
そのあと試合は場外乱闘、逆襲した猪木の反則負けになりました。
んで俺は見たよ、そのあと。
乱闘の余韻を味わうかの如く場外にたたずむアラビアの怪人にあろうことか一人の観 客が、椅子を投げつけた!
これにはびっくり。
椅子の直撃を頭に受けてしゃがみこむシーク。
魔王(註1)の指摘通り当時から老人っぽく見えました。
「なあんだシーク、たいしたことないじゃん」
まだ若かった自分はそう思いました。

案の定新日本沖縄大会、翌日はノーテレビながら猪木対シークの決着戦ランバージャ ックデスマッチが実現!
・・・ってノーテレビだし見てませんがね。
試合はナックルパンチ連打で大暴れの猪木の前にシーク「人間の檻」を突破して逃 亡、試合放棄で猪木の勝ちになった(らしい)。

まあそれは見てないからともかく、
やはり「アラビアの怪人」ザ・シークといえば!世界オープン・タッグ選手権、対 ザ・ファンクス戦に尽きるだろう。
まだ見てない若い人はすぐにビデオなりなんなりで目撃しろ!
隠し持ったフォークを持ち出しファンク兄弟の腕を突きまくる狂気のブッチャー、シ ーク!
しかしひるまずエルボーで反撃する不屈のドリー!
兄のピンチに包帯ぐるぐるまきでナックルパンチを打ちこむテリー!
反則決着ながら耐えに耐え抜いたファンクス感動の優勝!
血も凍るシークの恐怖、エネルギッシュなブッチャーの迫力、
そして兄ドリーの静・弟テリーの動の闘志が最大限に発揮された史上稀に見る興奮の一戦。
この一戦を機にファンクスブームが到来、
年末のタッグ・リーグ戦という看板で全日 本が新日本に反撃の狼煙をあげたといっても過言ではなかろう。

んで生でアラビアの怪人を見たのはFMW有明コロシアム大会の対サンボ浅子戦。
この試 合はいつぞや秒殺試合というネタの時に書いた記憶があるので詳細は省くが
場外戦、 凶器攻撃、流血、キャメルクラッチ、秒殺とシークの総てが見ることができた、大変 幸福な一戦だった
(火炎攻撃はなかったが、あ試合終了後にあったか?よく覚えてな い)。
デトロイトの体育館では毎晩毎晩NBAやローリング・ストーンズなどの裏で(こっちが おもてか?)
こんな刺激の強いものやってたのか、なんて思いました。
まあシークはご指摘の通りほとんどじじいだし反則ばっかりで技は出さなかったけど
あの相手の額に鋭角的にしかも連続的に長い凶器を突き立てるシーンは確かに血も凍 る空間、
シーク独自の世界を造り上げていました。
また名レスラーが一人、逝ってしまった・・・。
ザ・シーク選手のご冥福をお祈りします。

(新演撃カフェ 2003/01/21 【2926】 )
註1:演撃カフェ常連。

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