「アメリカン・ギャングスター」デンゼル・ワシントンvsラッセル・クロウ、2大スターの共演

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2007年アメリカ
原題:American Gangster
監督:リドリー・スコット
製作総指揮、脚本:スティーヴン・ザイリアン
音楽:マルク・ストライテンフェルト
出演:デンゼル・ワシントン、ラッセル・クロウ

<あらすじ>ハーレムの有名な黒人ギャング
"パンピー"ジョンソンの運転手フランク・ルーカス(デンゼル・ワシントン)は、
ボスが死んだ後イタリア系マフィアと別なルートで
中国奥地から純度の高いヘロインをベトナム戦争の米軍の輸送ルートに隠れて密輸。
一晩で100万ドル稼ぐ麻薬王となる。
一方、犯罪者の車のトランクに隠してあった大金を横領せず
証拠として届けた真っ正直な刑事リッチー・ロバーツ(ラッセル・クロウ)は、
警察による横領・賄賂受け取りが当然のように行なわれていた署内で孤立するが
新たに麻薬犯罪撲滅チームを結成して大物を挙げる任を受ける。
なかなか表に姿を現さないルーカスをロバーツは遂に追い詰め・・・。

のし上がって大金持ちになった麻薬王ルーカスと、
離婚問題で法廷に出頭しなければならない刑事ロバーツの対比が妙味。
犯罪者のルーカスはビジネスマンのように地味なスーツにネクタイ、
家族を故郷から呼び寄せ、ミス・プエルトリコの美女を妻とし
大邸宅でクリスマスには家族と祈りをささげて七面鳥を食べる。

ロバーツは正義感溢れる刑事だが女癖が悪く、弁護士の女ともやっちゃう。
飯は自分で作ったサンドイッチを詰め込む。
そんな冴えないロバーツはしかし姿の見えないルーカスを探しまくり、次第に追い込む。

ルーカスは目立たないように地味な世間体を演出していたが、
カシアス・クレイ(モハメッド・アリ)対ジョー・フレージャーの
「世紀の一戦」プロボクシング世界ヘビー級選手権
を見に行った時に
妻のプレゼントの毛皮のコートと帽子という派手な格好でリングサイドに座り、
しかも席が大物イタリアマフィアより前の席だったのを盗撮され、ロバーツに「こいつは何者だ?」と尻尾を掴まれてしまう。
この辺りの流れが見ていて面白い。史実を元に製作された映画だが、本当にルーカスがアリ対フレージャー戦を見に行ったかどうかはわからない。
月刊プレイボーイの実在のルーカスのインタビューなども読んだが
(バングラデシュ行きのキッシンジャー氏の専用飛行機をも麻薬の密輸に使用したとの記述は笑ってしまった)。
ベトナム戦争が終わりそうになり密輸ルートが閉鎖の危機を迎えるとルーカスは仰天の輸送方法を敢行する。
それを見破るロバーツ、この攻防も緊迫感満点。
ルーカスが金持ちになったワケを母親は訊かなかったのだが(犯罪に関わっているのが怖くて訊けなかったのかも知れない)
それが犯罪だったとわかったとき母親はルーカスを叱り頬を張る。この辺りは切ないシーン。
検挙されたルーカスはロバーツと取引をし、横領、収賄や麻薬犯罪に関わっていた警察関係者を次々と挙げる。
この辺はルーカスとロバーツが仲間になっちゃったような感じで対立構造が薄くなっちゃうような感じがするんだが・・・。
スコット監督のお好きな映像といえば、ネオンサインぐらいか。ぱちゃぱちゃの雨のシーンはなかった。
かなり脚本の勝利が大きい比重を占めている感じ。
しかしデンゼル・ワシントンは知的な役がうまい。スーツ姿も似合っている。

予告編見た時はBGMにホワイトスネイクも使っている「ハート・オブ・シティ」がかかっていたが(TVCMでもかかっていたらしい)
映画本編ではかからなかった。なお歌っているのはJay-Z。

(08.0713)


参考:ウィキペディア
月刊プレイボーイ2008年2月号 集英社

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