「タイタンの戦い(2010年版)」アンドロメダ王女が怪物の生贄にされるシーンは着衣じゃないとダメなのか。(脱線気味)

タイタンの戦い 特別版 [DVD]

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2010年アメリカ
原題:CLASH OF THE TITANS
監督:ルイ・レテリエ
製作総指揮:リチャード・D・ザナック、トーマス・タル、ジョン・ジャシュニ、ウィリアム・フェイ
製作:ベイジル・イヴァニク、ケヴィン・デ・ラ・ノイ
音楽:ラミン・ジャヴァディ

出演:配役
サム・ワーシントン:ペルセウス
リーアム・ニーソン:ゼウス(オリンポスの王)
ジェマ・アータートン:イオ(ペルセウスを見守る女)
レイフ・ファインズ:ハデス(冥界の王、ゼウスの兄)
アレクサ・ダヴァロス:王女アンドロメダ
ダニー・ヒューストン:ポセイドン(海の王、ゼウスの兄)
ナタリア・ヴォディアノヴァ:メドゥーサ(髪が蛇の女の怪物)
ポリー・ウォーカー:王妃カシオペア
ジェイソン・フレミング:アクシリオス王/カリボス

<あらすじ>タイタン(巨神族あるいは古神=オリンポス以前の神々)とゼウスら神々が戦っていた古代ギリシア。
タイタンが滅ぶとゼウスは人間を創造して自分たち神を信仰させその信仰のエネルギーで神々は永遠の命を得た。
しかし神の権力争いに嫌気がさした人間は神に戦いを挑み始めた。
アルゴスの国王を制裁する為にゼウスは彼の妃のダナエーを犯して子供を作らせる。
国王は母と子を棺に閉じ込めて海に沈めたが、子供だけは助かった。
子供はペルセウスと名付けられ成長し、
冥界の王ハデスがゼウスの権力を得るために人間に仕掛けた戦い
(アンドロメダ王女をクラ―ケンの生贄に捧げる)を制するために苦難の旅に出る。

2011年1月、浅草で見る。2Dでしたが
(浅草の映画館に3Dがあるわきゃない・・・
主に競馬が進行する時間潰しで映画館に入ってるおじさんたちに、3Dが必要なはずがない・・・)。
ハデスはゼウスの権力を奪うためゼウスをそそのかす。
ゼウスは人間が再び信仰深くなるためと考え、ハデスを派遣するが、
ハデスはアルゴス国に向け「10日後の日蝕のあと、クラ―ケンを出撃させる。
クラ―ケンを止めるためにはアンドロメダ王女を生贄にせよ」と宣言する。

神と人間のハーフ「半神」であるペルセウスは使命のため軍と、
かつてゼウスに愛された女・イオとともに旅に出る。
クラ―ケンを倒すための知恵を手に入れるため。

・・・あとは大サソリと戦ったり、
「三人でひとつの眼を共有する老婆たち」のところへ行って「クラ―ケンを倒すための知恵」、
蛇女メドゥーサの居場所を聞いて、石にならないように盾の鏡を利用して接近したり、と
子供のころ絵本で見たギリシア神話や
レイ・ハリーハウゼンの昔(と言っても'81年)の映画と同じです。

タイトル、どうなんでしょうかね。「タイタン」は登場しません。
話的には「タイタン」を倒したあとの、オリンポスの神々とペルセウスの話です。

大サソリは'81年版より巨大感ある出来で、関節の動きがもう外骨格の生物、って感じで素晴らしい。
戦車や運搬車代わりに使役されちゃうってのは新しいと思う。
新しいかはわかりませんが、砂漠の民・ジン(すでに人間の限界を超えている様子)っていう呪術者集団も登場する。

クラ―ケンって調べたら北欧の神話の怪物らしくて、ギリシア神話とは関係ないみたいだけどな・・・。
ってこれはやはり「'81年版がそうだから」なんだと思います。この2010年版ははっきりリメイクと公言してますし。
クラ―ケンはクライマックスに登場しますが、
巨大感、迫力は「クローバーフィールド」のモンスターに頭部のデザインとか似てますが
こちらのクラ―ケンの方が勝ってる感じしますね。
タコ・イカ系の巨大触手による市街破壊もなかなかの迫力。

女優の話ですが、イオ役のジェマ・アータートンは肌真っ白で美しいしエキゾチック・神秘的な感じがします。
体格も・・・着衣ですが見た感じグラマラスみたい。
それからメドゥーサ役のロシア出身のナタリア・ヴォディアノヴァは
ウイキで写真確認しましたが怪物役がもったいないぐらいの金髪美女です。
アンドロメダ王女役のアレクサ・ダヴァロスは・・・素ではその次ぐらいですか。

主演のサム・ワーシントンは「T4」、「アパター」そしてコレと見ましたが
どうも内面的演技に欠ける中途半端な肉体派って感じがするんですが。
いるではないですか、シュワルツネッガーとか千葉真一みたいな、何を演じても結局本人、って俳優。
ロバート・デ・二ーロとかゲイリー・オールドマンらとは対極の。

さて、アンドロメダ王女が怪物の生贄にされるシーンですが、
市街にハデスの教えを信じて扇動する狂信者が出てくるんですね、やっぱり。
これ見たら「ミスト」のマーケットの中のあの女の狂信者思いだしてしまいましたよ。
で、アンドロメダ王女は暴動を抑えるため?自分から台に上がり、手を縛られて吊るされます。
でもなあ・・・ここちょっとインパクトない。
まあ現代じゃこういうシーンやりすぎたら女性虐待みたいな感じである団体とかが怒りそうだし、
ポルノ映画じゃないんだから子供さんも見に来ているかも知れませんし、難しいところはあります。
でもなあ・・・せめて「キングコング」でのナオミ・ワッツぐらいのインパクトは欲しかった(あれも着衣だったけど)。

そういやメドゥーサも乳隠してたなあ・・・。
メドゥーサ、黒いブラジャーみたいのつけてる。
下半身は蛇なんで当然裸ってことになるんですが。ヘビだからブラ「ジャ(蛇)」ー、ってか?
ダジャレはさておき、「ファミリーも来るかもしれない映画」ってそんなに乳露出に規制があるんでしょうかね。



ちなみに絵画の世界では「アンドロメダ王女」が海の怪物に襲撃されるシーンは多く題材とされてまして、
そんな映画界を知る由もなく、スペクタクル&エロス満開です。
この後の絵画に関する記事はまあおまけって言えばおまけですが、
エロス高い描写があるので18歳未満のよい子は念のためここで引き返して下さい。
それからこの後は映画とものすごく脱線してるので、呆れるのがイヤな方もここらで戻った方が賢明です。
正直言ってこっから先相当脱線してます。

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まあ大人の皆さんはよくご存知かと思いますが
西洋の宗教画・彫刻に登場する神々とか神話関係の題材がしばしば裸体だということはよーくご存知ですよね。
ヌードは美しい。でも封建的な時代のことだから猥褻画と取られることも。倫理上問題。
神話なら神だからよい?人間の姿をしているけど、神だから、神話の中の話だから。
おおざっぱですが、こんな感じで昔の芸術家は裸体にアプローチしたのでは。




↑ギュスターヴ・ドレによるアンドロメダ(ウィキより、パブリック・ドメイン)。




↑エドワード・ポインターによるアンドロメダ(ウィキより、パブリック・ドメイン)。

いやー、鎖で繋がれ裸で海の怪物の生贄にされた全裸の王女、
大変な完成度です(←何の完成度だ?)。
ドレ版は白い肌が美しく、足元の怪物に怖れおののく王女の心理が
からだ全体の動きによってたっぷりに表現されています。からだの動き自体が表情、と言ってもいいぐらいの描写です。
また、風になびく髪が一層の不安感を増す役割を成しています。
ちなみに神話のアンドロメダ王女は現在のエチオピア辺りの王女らしいので肌は白くない、というのが定説だそうですが(ウィキより)。

またポインター版はうしろ手で繋がれているため
ドレ版で手や髪に隠れておぼつかなかった貴賓のある王女の横顔が見てとられ、
自分の命運が尽きたかのような絶望感といいますか憂いを持った表情描写が秀逸。
風に舞う乱れた黒っぽい着衣と荒れ狂う波が不安感をつのらせて、
着衣については不安感がかたちとなって彼女にまとわりついているようにも感じられ、
ますます彼女の悲劇性を高める役割を担っております。
また恐怖で像のように硬直した王女の、動きが少ない部分を、
着衣が風に舞う動きでまかなっているとも言えます。

このシーンだけ見ると絵画が映画に勝ってる感じがします。
監督は少しでもこういう名画を参考にしたのかどうか?
もし参考にしたってすればもうちょっとエロスの部分に力の入った、少し濃いー絵的描写が生まれて、
日頃仕事で疲れた上に休日に家庭サービスで映画館にやって来たお父さんにも
「ああ来てよかった」感が与えられたのではないか、と思うのです。
まあそう思っているのはおいらだけかもしれませんがね・・・。

ってか、エロ目的の映画じゃないだろって。お子様だって見に来てるはずだし。

(11.0108)

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