「コクリコ坂から」59年前の高校生の精神的成熟度。

コクリコ坂から [DVD]

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2011年「コクリコ坂から」製作委員会
スタジオジブリ作品
監督:宮崎吾朗
脚本:宮崎駿、丹羽圭子
音楽:武部聡志
主題歌:『さよならの夏〜コクリコ坂から〜』手嶌葵
原作:高橋千鶴、佐山哲郎

声の出演
長澤まさみ:松崎海
岡田准一:風間俊
竹下景子:松崎花
石田ゆり子:北斗美樹
柊瑠美:広小路幸子
風吹ジュン:松崎良子
内藤剛志:小野寺善雄
風間俊介:水沼史郎
大森南朋:風間明雄
香川照之:徳丸理事長

<あらすじ>1963年東京オリンピックの前年。
船乗りだった父を朝鮮戦争で失い、母は仕事でアメリカへ行っているという境遇の女子高生・松崎海。
彼女は実家の女性だけの下宿屋を切り盛りしながらも青春を謳歌。
そんな彼女が思いを寄せる1学年上の先輩・風間俊。
彼の家に自分の家にあるものと同じ写真を見つけ出生の秘密に悩む海と、
学園の部活動の拠点である古い学舎「カルチェラタン」存亡の攻防を二軸とした物語。

2011年夏、ある女性が薦めてくれたので見に行く。
冒頭の「朝ごはん」のシーンは音楽、映像のテンポとも心地よく。
本当に目玉焼き&ご飯が食べたくなってしまいそう(笑)。
コロッケのシーンもね。経験ありますが食べ盛りは夕食まで腹が減って持たない。

出生の運命に翻弄される若き男女の物語は切なく心を打つ。
主人公・海がバスだったか市電だったかで俊と分かれるシーンと、
久しぶりに海外から帰ってきた母に抱かれて泣くシーンは大人のおいらがじんとしてしまう。
主題歌のメロディーも切ない感じが表現されています。

同時代ということで、挿入歌とともに坂本九の「上を向いて歩こう」が出てくる。
映画の中でもテレビを見ているシーンが2回ありますが坂本九が歌ってるシーンと長嶋?のホームラン。

カルチェラタンの攻防、掃除のシーンでは海が動くたびに展開が変わっていき
「幸運の女神」として俊とともに東京の理事長に会いに行く。
存続のため学園の理事長に直談判しに行くシーンでは
この物語に登場する昔の高校生たちは行動力、独立心、度胸と多分に成熟した印象。
同年齢だった自分にそんな力があったかと自問自答し恥じ入ってしまう。


さすが'11年邦画最大ヒット、大人が見ても感動する出来です。
ファンタジーなシーンはまったくありません、1960年代の高校生たちの物語です。
時代が古い分、街並みなどの表現に趣があります。
海と俊はこの後うまくいったのでしょうか、想像が膨らみます。
前向きに生きる高校生たちのストーリーに
映画館を出るとすがすがしい気持ちになりました。
当時滅入りっ放しのおいらの心に、しばしの清涼剤的効果を与えてくれました。
ありがとうジブリ。

('12.0708)



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