リアル~完全なる首長竜の日~ スペシャル・エディション 【初回生産限定仕様】 [Blu-ray] 新品価格 |
'15年9月14日、渋谷シネマヴェーラの黒沢清監督特集で見る。
「映画秘宝」読んだら本当に首長竜が登場するということなので見に行ってみる、
業務は奇跡的に早く終わり、結構早く着く。
何らかの機械を使って昏睡状態の人間の意識下に入り込んで
コミュニケーションを取るというネタは手塚治虫のコミック「ブラックジャック」で見た。
浩市がセンシングを続けると不可解な出来事が多くなり
淳美が漫画の中で書いた死体が見えたりするようになる。
不気味な音楽、無機的なマンションの白い階段が不安をあおる。
だんだんと現実と意識下の境界線が不明瞭になって行き
水浸しの謎の少年が現れ、浩市を悩ませる。
途中で早くもどんでん返しがあって、
実は昏睡状態にあるのは淳美ではなくて浩市の方。
現実と意識下の混乱があって、観客を幻惑する。
しかしこの辺りは浩市の意識下に出てくる淳美に呼吸装置がつけられていなかったりして、
映画の最初の頃から違和感を感じていた。
精神科医の相原も途中から無表情になって行き、見ている側はだんだんと違和感を感じる。
浩市と淳美に不安感を感じさせていたのは二人がまだ子供で式根島にいた頃、
東京から転校してきた浩市を敵視していたモリオという少年の存在だった。
モリオは海で事故死し、浩市と淳美はその事件を「首長竜」のせいだと片づけ、
首長竜を描いたスケッチブックを秘密の金庫に封印する。
モリオは二人の意識下の元で復讐の怨霊として登場していた。
二人の意識下の元、浩市をボートに乗せて三途の川(海)に渡らせ復讐をしようとしていたモリオだったが、
浩市が淳美の呼びかけで現世に戻る意思を示したためそのもくろみは失敗する。
するとモリオはぽちゃんと海に飛び込み、しばらくすると首長竜が出現して二人を攻撃する。
ただ、淳美が因縁のあるタツノオトシゴのペンダントを首長竜に投げてやると、首長竜は納得したかのように去ってゆくのだが、
その程度で納得するのだろうか?
モリオの怨念さえも押さえ込んだのは意識下の世界での淳美の強さだったのだろうか。
結局、現実にあったことというのはセンシングのシーンが主で
首長竜もモリオの幽霊もすべて意識下の登場でありました。
しかし、意識下の下とはいえ「首長竜が出現して暴れまくる」というシーンは
映画的クライマックスとしてはいいものがありました。
そうでなかったらただ地味で不気味な夢の中の映画ぐらいだと思う。
ただ首長竜は海から上陸して攻撃してくるわけだから、常に濡れていると思うんだけど、
CGでは這った跡が濡れてなくって、あと影も見えなかったのがちょっと残念でした。でも意識下の出来事だからいいのか。
それから、博物館のシーン、やっぱり出ました。
上野国立科学博物館のフタバスズキリュウの骨格標本が出てくるシーンはまんま首長竜なので笑いました。
<あらすじ>1年前に自殺未遂を起こして昏睡状態になっている女性漫画家の淳美に
恋人の浩市は最先端医療「センシング」で意識内での交流を求める。
(2015.0923)
2013年 日本 「リアル〜完全なる首長竜の日〜」製作委員会
原作:乾緑郎「完全なる首長竜の日」
監督:黒沢清
脚本:黒沢清、田中幸子
音楽:羽岡佳
主題歌:Mr.Children「REM」
出演:配役
佐藤健:藤田浩市
綾瀬はるか:和淳美(漫画家)
中谷美紀:相原栄子(精神科医)
オダギリジョー:沢野(編集者)
染谷将太:高木真悟 (アシスタント?)
堀部圭亮:米村(脳神経外科医)
松重豊:晴彦(淳美の父)
小泉今日子:真紀子(浩市の実母)
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