「白鯨との闘い」奢れる人間に鉄槌を下す巨獣。

復讐する海―捕鯨船エセックス号の悲劇

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2015年 アメリカ(2016年日本公開)
原題:In the Heart of the Sea
原作:ナサニエル・フィルブリック
『復讐する海 捕鯨船エセックス号の悲劇』
監督:ロン・ハワード
脚本:チャールズ・レーヴィット
音楽:ロケ・バニョス

出演:配役
クリス・ヘムズワース:オーウェン・チェイス(捕鯨船エセックス号の一等航海士)
ジョージ・ポラード:ベンジャミン・ウォーカー(エセックス号の船長)
トム・ホランド:若き日のトーマス・ニッカーソン(エセックス号のニ等航海士)
ベン・ウイショー:ハーマン・メルヴィル
ブレンダン・グリーソン:老年期のトーマス・ニッカーソン

<あらすじ>若き作家メルヴィルは難破した捕鯨船エセックス号の最後の生き残り、
トーマス・ニッカーソンの元を訪ね、エセックス号の遭難について彼にインタビューを敢行する。
彼は誰にも話さなかった話を始める。

1月30日、西新井のレイトショーで見る。
子供の頃、グレゴリー・ペックがエイハブ船長を演じた「白鯨」をテレビで見た。
ラストの迫力ある白鯨の襲撃に圧倒された記憶がある。

さて、今回の新作ですが、実際にあった話だそうです。ただ、「白い鯨」の部分は創作のようです。
CGを駆使した白鯨の攻撃は迫力ありますが、攻撃が終わった後も映画は続きます。
船を破壊され漂流する船員一行は太陽が照りつけるボートの上で水も食料もなく衰弱してゆきます。
生きるために仕方なく禁忌的な行為をして飢えを満たしてしまいます。
別のボートでは生き残った船員たちがくじを引きます。
当たりが出たら他の人の食料になる「死のくじ」です。
すごく悲惨です。
しかし生き残った何人かは最後に助けられます。
主人公のオーウェンは捕鯨会社から事情徴収され、すべてを話しますが
捕鯨会社は衝撃の事実に、捕鯨産業の衰退を怖れ、公聴会で船長に偽証を強要します。

しかし事前にオーウェンに諭されていた船長は公聴会で全てを話します。
この当たり、ヒューマンドラマのクライマックスという感じでいい出来です。
主演のクリス・ヘムズワースは肩幅広くてカッコいい。マイティ・ソーも演じているそー。

アメリカも当時電力のために捕鯨をしていた、街灯に使用する油は鯨油だった。
物語の最後に「地面の底から油が採掘された(石油の発見)」というニュースが飛び込み、
鯨油の時代の終焉をにおわせる。

アメリカの闇夜を鯨の油が光を灯し治安を守っていた時代、
ペリーが日本を捕鯨の補給基地にすべく黒船で来航し、
アメリカが幕府に開国を迫る「日本の一大事」より少し前の時代、
人類の文明の進歩に鯨の捕獲が必要で、鯨捕りを職業にし命をかけていた男たちの物語。

(2016.0430)



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