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2004年「デビルマン」製作委員会
原作:永井豪
監督:那須博之
脚本:那須真知子
音楽:安川午朗
出演:伊崎央登、伊崎右典、酒井彩名、宇崎竜童、阿木燿子、ボブ・サップ
<あらすじ>
親友飛鳥了に導かれるままデーモンと合体しデビルマンとなった不動明。
しかし人類あるいは家族を守るため運命を受け入れた明の決意とは裏腹に人間対デーモンの戦争、
あるいはデーモン狩りと称された人間による人間狩りが日々行われ、世界は破滅への道筋を歩んでゆく。
永井豪の有名コミックの実写版。
かなーり期待された上での実写化だったが、出来はショボイもの。
セリフの全てが棒読みとはいわないが、役者が全く大根(ここで言われなくてもすでにネット上で書き込まれているが)。
若い役者?が多いせいか役が練れていない。
双子の起用で明と了が同じ顔というのも(了の髪がグレイ、程度の区別)、物語側が何か観る側を拒んでいるかのよう。
原作コミックスでは了は白人のような金髪・碧眼の印象でコスチュームも白っぽく、
逆に明は常に黒っぽい服をまとい、眼の下には隈取(くまどり)のような黒いラインが見受けられて対称の妙を感じられたのだが。
この飛鳥了と不動明の明と暗、
神と悪魔の視覚的差別化を具現できなかったことが本作品の失敗の理由の一つにあるように思えてならない。
戦闘時のデビルマンの掛け声、「ああ〜」とか、何だか間が抜けている。
シレーヌも空中戦での「やあ〜」全然気合が入ってない。
シレーヌの名前が出たついでに言わせてもらえば、あのコスプレみたいなコスチュームは何とかならないのかい。
原作コミック版の殺気、崇高さ、そしてエロチシズムがまったく表現されてない。
農場で牧村・父(宇崎竜童)を手伝って稲の世話をする不動明、
袖がめくれて腕のウロコみたいな黒ずみ(デーモンたる証)が見えてしまい「あ〜〜〜」。とってもマヌケな声。
プロレス・格闘系が多数出ていたようだがボブ・サップのニュースキャスターは出すぎでインパクトがない。
KONISHIKI(元大関)はひと目でわかったがアジトから出てきて「デーモン万歳」と叫んで人間に銃殺されてしまう、これって何?
他にラスト・クレジットで船木誠勝、ポイズン澤田、タノムサク鳥羽、男色ディーノなどの名前が見られたが、
船木ですらどこに出てるのかわからなかった
(実は船木以外のインディーのレスラーはおいらはあまり知らない、それに何より今はこの映画をもう一度見たいとは思わない)。
ジンメンのエピソード、明と了のラストシーンのビジュアルに原作コミックに近いものを感じたが、
やはり薄っぺらさは否定できない(ジンメンは明を敵と認識していなかったため、簡単にやられてしまった)。
ラストシーンは、原作コミックでは明らかにされる「なぜ了(サタン)が明を愛していたか?」という理由が
本作では明確に説明されていないため、ラストでの二人の愛憎劇が強調されない。
唯一関心(?)したのは団地で子供(ススムという名前だったと思う)が親が怖くて家に帰れないエピソード、
あれが原作者の昭和46年発表のコミック短編「ススムちゃん大ショック」から持ってきたネタだとしたら
ニヤリとできるというものだ(だけどよっぽどマニアックな人じゃないとわからないのでは)。
あと牧村美樹の役やってる女の子が美樹のイメージではなかったなあ。
デビルマンの美樹はやっぱり髪がショートボブでカチューシャつけてて細身でないと。
この作品を観てがっかりした人は、10数年前に発売されたオリジナル・ビデオアニメ版を観るといい。
原作のイメージがかなりいい出来でアニメ化されている、お薦め。但し現在販売されているかどうかはわからないが。
(2005.0717)
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