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1987年
監督:原一男
企画:今村昌平
撮影:原一男
選曲:山川繁
出演:(ドキュメンタリー)奥崎謙三
<あらすじ>神戸でバッテリー商を営む奥崎謙三は第二次大戦のニューギニア戦の生き残りであり、
69年に死んだ戦友の怨念をこめて「ヤマザキ、天皇を撃て!」と叫んで昭和天皇にパチンコ玉での攻撃を敢行した男である。
82年、所属部隊で終戦後23日もたってから“敵前逃亡”の罪で二人の兵士が射殺された事件があったことを知った奥崎は
兵士の親族と共に当時の上官たちの元を訪ね、当時の状況を詰問する。
当時の上官は誰が撃ったかわからないあいまいな返答、さらに上官たちが生き残るため人肉を食したとの証言も。
親族らは、奥崎のかつての上司にいまにも殴りかからんとする強硬な行動に、以後の同行を辞退。
奥崎は妻・シズミと知人に親族の役を演じてもらい別の上司の家に出向く。
奥崎は別の上司の家を訪ねた時に、その息子に銃撃、逮捕される。
公判中に妻・シズミが死亡。奥崎は殺人未遂などで徴役12年の実刑判決。
「ヨコハマ映画祭」のメインで見る。
小指のない手をかざして奥崎が元軍の上司に詰問する。
激高した奥崎は元上司に掴みかかって殴ろうとするまでに。
この辺はドキュメンタリーならではの鬼気迫る映像。
でもその後関係していた処刑された兵士の親族は奥崎の強硬な行動に同行を拒否。
しかしそれでも奥崎は妻と知人を親族に仕立て上げ、別の元上司の家へ出向く。
この情熱はどこから来るものなのだろうか。
彼なりの正義が彼を動かしているのは間違いないと思うが、
依頼人的立場の遺族が同行を拒否するほどの過激な行動・手段。
反戦映画であることは間違いないが、
それ以上に奥崎個人の行き場なく噴出するねじれたエネルギーをそのまま記録したフィルムではないかと感じる。
【そしてあの驚愕の】
ラスト近く、奥崎の乗用車が画面に登場する。
奥崎の著書のタイトル「宇宙人の聖書!?」と車上の看板に奇妙な書体で書かれているのだが
こ の 車、見 た こ と が あ る!(まじで)
映画見ていた時、びっくりしました。
時期ははっきり憶えてませんが、中学から高校ぐらいの時期。
東京23区内の当時住んでた自宅最寄の駅前に駐車してました。
なぜ神戸が自宅の奥崎の車が東京に駐車していたかは不明。
もしかして奥崎とニアミスしていたかも知れない、と考えると興奮を禁じえない。
奥崎は2005年神戸で死去。
(08.0607)
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