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原題:Emperor of the North
1973年アメリカ
配給:20世紀フォックス
監督:ロバート・アルドリッチ
脚本:クリストファー・ノッフ
音楽:フランク・デヴォール
出演・配役
リー・マービン:エース・ナンバーワン(タダ乗りの名人)
アーネスト・ボーグナイン:シャック (恐怖の車掌)
キース・キャラダイン:シガレット(名人の王座を狙う若者)
<あらすじ>1930年代、大恐慌に襲われたアメリカ大陸。
数々の失業者が貨物列車(当時だから石炭で走る蒸気機関車)に無賃乗車して移動していた。
しかしある貨物列車の車掌シャックは鬼のように怖れられていた。
彼は無賃乗車をしている者を発見すると、問答無用・金槌で殴り殺してしまうのだ。
非情なシャックに無賃乗車仲間から「北国の帝王」と崇められているタダ乗りの名人、エース・ナンバーワンが挑戦する。
一番初めてのこの映画の記憶は少年マガジンの映画紹介の記事。
当時は子供で、不況という映画上の時代背景がわからなかったから
「列車のタダ乗りに命を掛ける映画なんてすごいなあ」ぐらいの認識だった。
その後テレビ放送で見る(テレ東だったか?)。
冒頭、タダ乗りに成功した男が一息ついてパンを食べていると
その背後に音もなく忍び寄る車掌のシャック。
手に持つ金槌であっという間に男の頭を殴りつけ、列車から落とす。
アーネスト・ボーグナインの鬼瓦みたいな顔はこの敵役うってつけ。
朝もやの中レールの切り替えに細工をされうろたえるシャックに、エース・ナンバーワンが宣戦布告。
しっかし「エンペラー・オブ・ノース」も「エース・ナンバーワン」も、
無精ひげも白いリー・マービンにはすっごく仰々しいニックネームだと思うんだけど。
「ナンバーワン」ってのは犬の調教で教える言葉で「オ○ッコ」を意味するってことは最近知りましたが、
そういう半ば侮蔑的なイメージも入っているニックネームなんでしょうか?この辺はまだまだ研究の余地あり。
エース・ナンバーワンは線路に油を塗り、列車を止めてタダ乗りする。
そしてシャックのいる列車に追いついて、タダ乗り敢行。
この頃から「シガレット」なる若者が登場しエース・ナンバーワンの周りをうろつく。
タダ乗りのチャンピオンになりたい、らしい。
エース・ナンバーワンは貨物列車の屋根に乗って、ベルトを屋根の突起に引っ掛けて落ちないようにして休む。
シガレットは・・・ベルトしてないのでストッパーかけられず。
「いいか若僧、眠くなったら下を見るんだ。一発で目が覚めるぜ(大意)」エース・ナンバーワンはシガレットを諭す。
雨が降り出すと、目を守るためゴーグルを装着してじっと貨物列車の屋根に居座るエース・ナンバーワン。風邪ひかないかな。
シャックの追跡を逃れてエース・ナンバーワンとシガレットは列車の下に入り込む。
それを発見したシャックは鉄棒に縄(鎖だったかも知れない)をつけて列車の下へ入れる。
鉄棒は地面にぶつかって跳ね返り、エース・ナンバーワンの体を打ちつける。
苦しむエース・ナンバーワン。シガレットはそ知らぬ顔、どころかわざと鉄棒をエース・ナンバーワンに不利に誘導する始末。
耐えかねたエース・ナンバーワンは急ブレーキを踏み込む。
列車は急停止し、シャックは頭をぶつけて流血。乗員の一人は首の骨を折って死亡。
怒りのシャックは列車を発進させる。見つけたシガレットをシャックは鎖でぶん殴ろうとする。
そこにエース・ナンバーワン登場。「シャック、お前はやり過ぎだ、今日が年貢の納め時だ!(大意)」
材木を手にしたエース・ナンバーワンと、鎖を武器としたシャックが走る貨物列車の荷台で決戦!
エース・ナンバーワンはマサカリでシャックをぶった斬る。悲鳴を上げるシャックを突き落とすエース・ナンバーワン。
驚いたことにシャックは生きているのか、「憶えてろよ、エース・ナンバーワン!」と叫ぶ。
エース・ナンバーワンはシガレットをも列車から投げ落とし、
「いいか!お前は見どころがあると思っていた!しかしただのチンピラだ!一生俺の真似なんかするな!(大意)」
と叫び、勝者を乗せた列車が走ってゆく。【終】
もう男臭いっていうか、もろ男対男の決闘を描いた映画。ラストの対決シーンは結構迫力ある。
女性が出てきた記憶がない。出ていたとしても読んでもらったとおり殆ど大筋に絡まなかったはず。
タダ乗りを絶対に許さない鬼車掌シャック。
時代に憤りを感じ不法ながらタダ乗りを続けるエース・ナンバーワン。
お互いの主張はあることだろう。
しかしシャック、正義の名の下にああも簡単に人を殺してもいいものか。
誰が真の正義で、誰が真の悪なのか考えさせられる。
また北米の大自然の映像が楽しめるという長所も。
(08.1123)
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