「宇宙戦争(トム・クルーズ主演)」
人類よりも何万年も先の科学力を持つのになぜか裸で地球のウイルスに無防備の宇宙人。

宇宙戦争 スペシャル・コレクターズ・エディション [Blu-ray]

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2005年アメリカ(パラマウント映画andドリームワークス映画)
監督:スティーブン・スピルバーグ
音楽:ジョン・ウィリアムス
原作:H.G.ウェルズ
出演:トム・クルーズ、ダコタ・ファニング、ミランダ・オットー

<あらすじ>クレーン操縦の労働者レイ・フェリアー(トム・クルーズ)が、離婚した妻が引き取った息子、娘と過ごす日。
謎の雲から発生した雷鳴の後宇宙人の侵略兵器が地中から姿を現して人類を攻撃し始める。
父子3人は生き残るため必死の逃亡を図る。

1953年(監督バイロン・ハスキン、製作ジョージ・パル)発表作のリメイク、原作はH.G.ウェルズの古典。
「未知との遭遇」「E.T」で地球人と友好的な宇宙人像を描いてきたS.スピルバーグ監督の侵略宇宙人もの
(恐怖のE.Tとでも呼べばいいのか)。
内容は大変シンプルな出来で、トム・クルーズ扮するバツイチの労働者レイ・フェリアーが子供を連れて
ひたすら宇宙人の攻撃から逃げてゆく、といった話。
主人公が小市民だから軍の対策本部での作戦会議とか、秘密兵器での対抗策を考える科学者、などという特撮お決まりのシーンは皆無である。
物語の視点は常にレイの視点、一般人の視点である。
しかしながらこれが面白い。レイは子供たちを守るため逃げまくるんだけど節々でのセリフや行動に家族を守るための愛情がひしひしと感じられる。

名前を知らない宇宙人は何万年も前にすでに地球に飛来していて、殺戮兵器トライポッドを地中に埋めておいて侵略の機会をうかがっていたらしい。
ということはこの宇宙人はあちこちの星で同じことをやっているのだろう。
宇宙の広範囲にわたって星を訪れ、何万年もかけてトライポッドを埋めてまわって、その星に文明が栄えたら侵略する・・・。
おそらくそうやって勢力を拡大してきた種族なのだろう。
そして彼らはどうやら人間の血を栄養源にしているらしい。

三本足の侵略兵器トライポッドが、地面を割って出現するシーンは圧巻。
53年版では侵略兵器は円盤(ウォーマシン)だったが本作品は原作通りの地上型マシーンが登場とのこと(原作は読んでいません)。
「バォ〜〜」と大きなサイレンのように聞こえる不気味な音を発して三脚で歩き回り、光線を発して人間を消滅させる。
光線が当たった人間は肉体のみが消滅して服だけが残るというのは斬新なアイディア。

侵略兵器が三本足なのはレイたちが隠れている地下室のシーンに登場する、
兵器の創造主である宇宙人が三本足に見えるためか、(人類も自分たちの姿を模倣した二足歩行ロボットの創造に余念がない)
ただこの侵略兵器が歩き回る時の描写、もう少しドスン、ドスンといったマシンの重量を感じさせる部分が欲しかった、
足が長いせいでデザイン的にもやや重厚さに欠けるし。

ラスト、宇宙人が持ち込んだような赤い植物が枯れ始めていることにレイが気づく。
そして世界最強のアメリカ軍でも倒せないトライポッドが自滅的な様相を見せはじめる。
アメリカ軍、バズーカ砲で反撃開始!
宇宙人の敗退は53年版と同じように、地球のウイルスに感染したようだ。
・・・って、何万年前にすでに飛来していたっていうのに、
地球人をはるかに凌駕するテクノロジーを持っているのに、
地下室に登場する宇宙人はどう見ても防護服を着用しているとは思えない。裸に見える(実際は着用しているのかもしれないが)。
「インディペンデンス・デイ」「マーズ・アタック」などの宇宙人は着ていたんだが。スピルバーグ作品の宇宙人はどれも着ていないように見える。
彼らは地球の大気を調査したのだろうか。大気の中に存在する微小なウイルスを発見できなかったのだろうか。
何万年前にかトライポッドを埋めに来た時は問題がなくて、その古いデータを鵜呑みにしたのだろうか。地球人をはるかに凌駕する・・・(以下略)。
先に書いたように物語は全てレイの視点で描かれているため、科学者などがそういった謎に迫るシーンは一切ない。


【日本ネタ】
地下室の避難者オグリビーがレイに語ったところによると、「大阪では(トライポッドを)何体か倒したらしい」とのこと。
なぜ大阪?東京には出現しなかったのか?大阪人は強い?どうやって倒したのか?謎は尽きない。

(2005.0717)

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