新品価格 |
2014年アメリカ作品(日本の配給は東宝)
監督:ギャレス・エドワーズ
脚本:マックス・ボレンスタイン
音楽:アレクサンドル・デスプラ
出演:配役
アーロン・テイラー=ジョンソン:フォード・ブロディ(アメリカ海軍の爆破処理担当、ジョー、サンドラの息子)
渡辺謙:芹沢猪四郎(「モナーク」の博士)
エリザベス・オルセン:エル・ブロディ(フォードの妻)
ジュリエット・ビノシュ:サンドラ・ブロディ(ジョーの妻)
サリー・ホーキンス:ヴィヴィアン・グレアム(芹沢に追随する博士)
デヴィッド・ストラザーン:ウィリアムス・テンツ司令官
ブライアン・クランストン:ジョー・ブロディ(フォードの父、原発事故に遭遇)
7月26日、錦糸町で3Dで見る。
ゴジラ生誕60周年作品であり日米通算30本目の作品。
新作がたとえハリウッド版でも見ることが出来るというのは幸せであります。
ただストーリー展開が平成ガメラ第一作に似てますね。
敵怪獣ム―トーが誕生する。ム―トーの生態の説明がある。軍と科学者はひたすらム―トーを調査して作戦を練る。
ム―トーは狡猾に軍の攻撃をスカして子孫繁栄に邁進。
そこに人類以前からム―トーと敵対していたゴジラが登場して
ゴジラ対ム―トーの戦いとなる。
人間を食べるギャオスのようにム―トーにも憎悪を煽る悪魔的な仕掛けがあった方が良かったのではないでしょうか。
「人間を食べる」のが倫理的に難しいのであれば
人間の中に狂信者が登場して「あれが神を忘れた人類を終わらせるために現れた悪魔だ!」
などと叫ばせたりすればム―トーのヒールとしてのクラスももっと上がるのではないかと。
♂ム―トーと♀ム―トーが出会って意思の疎通をするシーンは目の光り方や
口を近づけるところなどに生物感があります。
♂♀そろって、♂がビルの上に降りているシーンは
「人類を制圧して我々が地上の支配者になる!」と宣言しているかのような勢いと迫力を感じました。
デザインは・・・昆虫と人間と馬の合成のような感じ。
「クローバーフィールド」のモンスターのように前足が巨大で
前足をついてヒジを突っ張って前進する。
こういうデザイン、アメリカの方たちの好みなんでしょうか?
ギャレ版ゴジラのデザインは、太っています(笑)。前から見ると熊みたい。
まあ、ボリュームがあると言ってもいいかもしれませんが。
背びれの目立ち方は、ミレニアムゴジラに匹敵します。
ただ、手が長くてCGの割には人間に近いフォルムを維持しています。
CGでも日本の着ぐるみに近づけるような造りにした、というのはどこかの文で読みました。
皮膚の表面のディティールが、日本のゴジラの皮膚の割れ方が「縦」に見えるのに
ギャレ版ゴジラは「横」という感じに見えて
甲羅というか鎧みたいに見える。だから大分違う印象。
まあオリジナリティの追求という面ならこれもありかな、と思います。
怪獣たちが登場する主な特撮シーンは
・♂ム―トー、モナークの基地で繭から誕生
・♀ム―トー、誕生から前進
・両ム―トーの邂逅
・ゴジラ陸橋前に出現
・ゴジラvsム―トー
などでいずれも迫力があります。
映画館なら前の方の席がいいかもしれない。
怪獣の巨大感が味わえると思います。
ただ♂ム―トーとゴジラの最初の空港での激突、
2度目の激突の最初などは
戦闘開始、というところではしょられたり
ドアがしまったりで結構拍子抜け。
ああいう構成は日本ではありえないと思います。
三怪獣の激突は結局ラスト1発ですが迫力あります。
ただゴジラと♀ム―トーは最初ずっと押し合ってて、まるで相撲・・・。
ゴジラが吐く熱戦は、背中のチェレンコフ光の発光が
噴射の秒読みみたいな味を出していて、オリジナリティがあってよかったです。
ただ熱戦も圧力的な感じで、押してるように見える(笑)。
決戦を制したゴジラが疲労感いっぱいで倒れるシーンは
残業で疲れたサラリーマンが布団に突っ伏すみたいな感じで情けない。
そのあと死んだと思った?人類が接近していくのも何だかな。
ラストバトルのさなか、主人公ブロディとゴジラが目を合わせる場面がある。
ここは何かこう「共通の敵(ム―トー)に立ち向かっている」という意思の疎通があったようなシーンです。
なので主人公がム―トーに襲われて絶体絶命、という時にゴジラが助けた形になるのは納得できます。
もっともゴジラがそう思ってやったのかはわかりませんが。
ブロディ息子一家の展開が、殆どゴジラと絡まないのは違和感ありました。
父が生き残って、芹沢博士とともに対策を練るというストーリーでもよかったのではないかと思う。
芹沢博士も・・・セリフ少ないし終始困ったような表情をしているし
具体的なム―トー対策はゴジラ頼みだし
「芹沢猪四郎」っていうファンならすぐにわかってしまう役名の割には
説明役が多くてハナシに絡んでこない。
芹沢博士が広島原爆投下による被ばく者の子孫で
ハリウッド映画で広島での出来事をアメリカに突き付けたというシーンは確かに画期的だったかも知れませんが
それと引き換えになってるのかどうかは分かりませんが
水爆実験を「ゴジラを殺すために行っていた」と位置づけたのは
第五福竜丸事件について不親切な気がしました。
音楽は伊福部調ですがあまり印象に残らない。
こと音楽に関してはトライスター版の方が良かったと思います。
トライスター版はレッド・ツェッぺリンの「カシミール」をアレンジした「COME WITH ME」も聞けますしね。
まあ公開前から情報が欲しくてYOU TUBEで予告編を見ていたのですが
予告編での都市などの破壊の映像はゴジラではなくてム―トーの仕業だったということです。
そういう意味では人類の脅威として描かれているのはゴジラではなくてム―トーであり
ゴジラはあまり人類に干渉しません。
この辺は予告編の作り方どうなの?と思います。
ラスト、復活したゴジラが海に帰っていくシーンをカメラが追って終了。
芹沢博士が「奴は必ずまた現れる」などとコメント残して終わるのかと思っていましたが
そういうシーンはなく、あっさりした終わり方でした。
というわけで全ゴジラシリーズの中での評価では「中ぐらい」です。
決戦でこちらが燃えてるときに画面が変わるとかの部分が困る。
でもハリウッド超大作CG作品とするなら、迫力あって面白かったです。
次回作にも期待。次回は・・・ラドン、モスラ、キングギドラも登場するという情報が。
「地球最大の決戦」のリメイクになるのか?小美人の役は?
(14.0830‐31)
新品価格 |
<あらすじ>1996年、フィリピンの採掘所で謎の繭、巨大生物の化石が発見された。
繭は二つあったようだが、一つはすでに何者かが出ていったあとだった。
日本の原発都市「ジャンジラ」で謎の振動と電磁波による事故が発生し
ジョーの妻サンドラは逃げ遅れて遮へい扉まで戻れず死亡する。
15年後の2014年、海軍の爆破処理班に勤務していたフォードのもとに日本領事館から
「父ジョ―がジャンジラの立ち入り禁止区域に侵入して逮捕された」との報が届き
フォードはジョーを迎えに行く。ジョーは15年前の事件をあきらめきれず独自に調査していた。
次の朝再び謎の振動をキャッチしたジョーは過去の資料を入手するため
立ち入り禁止区域にあるかつての自分の家へと向かった。フォードも渋々同行した。
自宅で研究のフローピーディスクを見つけたジョーだったが、警備員に発見されてしまい2人は謎の研究組織に連れて行かれる。
そこでは謎の巨大な繭に刺激を与える実験が行われていた。
やがて繭から有翼の巨大な怪獣が誕生し、施設を破壊してどこかへ飛び去った。
ジョーは事故死し、フォードはジョーの研究について芹沢博士らから質問された。
芹沢博士はモナークという巨大生物を調査する組織に所属していると言い、
有翼の怪獣を、自然の調和を保つために倒そうとする(あるいは、敵対する存在だったので倒そうとする)
古代、地球の放射能量が現代よりずっと多かった頃地上に君臨していた生態系の王者が姿を現すと予言する。
その名は・・・「ゴジラ」。
偏食ムービーに戻る
目次に戻る
SAMEDASU扉に戻る