大魔神三部作「大魔神」「大魔神怒る」「大魔神逆襲」


1966(昭和41)年の僅か1年の中で全3作が製作され
今なお色あせず唯一無二の存在感を示す大魔神。

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第一作、オープニングで巨大な単眼が現れ、山の闇の中へと消えてゆく・・・。これは一体何・・・。
地震の後、山の神の復活を鎮めるため民衆が大勢で松明を持って行列をなし進んでゆくシーンがあるが
その行列を追うカメラがゆっくり引きになり
そのまま君主のいる城の窓まで引かれ、その後部屋の中まで映るまでのシーン、
当時のブルーバック合成の跡が見られず、モブシーンからずーっと引きになって
セットの中まで入っていた掛け値なしの一発撮りだとするとすごい映像だなと感心する。
悪役側は配下に命じて山の武神像の鉢にタガネを打ち込むが、石であるはずの武神像の額から血がしたたる。
恐れおののく悪役側。
乙女(高田)の、身を滝壷に投げんとする祈りに遂に武神像が動き出す。
鉢にタガネが突きさったまま左腕を顔上にかざすと雷鳴のような音が響いて、
武神像の埴輪のような穏やかな顔が一瞬のうちに魔神の形相へと変わる。

この第一作は「ガメラ対バルゴン」と二本立てで、当時子供だったおいらは母と弟で映画館に行ったのだが
大魔神が登場すると幼かった弟が恐怖で泣き出してしまい、
いいところを見れずに映画館を出てしまったという記憶がある(マジで)。
事実、一作目の大魔神は左馬之介を額のタガネを抜いて刺し殺す残忍なシーンを見せる。

第二作「大魔神怒る」

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湖底から復活した武神像、
両腕を拳で合わせた形から顔前を腕が通過すると、その顔は怒りの大魔神へと化する。
そして魔神の怒りは遂に神の島を沈めてしまい、島にいた悪側を湖底・地の底に葬り去る。
魔神は湖を真っ二つに割り、そして悪が暴挙の限りを尽くす城へ向かって轟音の足音を立てて進撃する!
両側から瀧のように流れ落ちる湖の暴流、その真中を進む荒ぶる大魔神!
まさに、日本特撮映画史上屈指の名場面。この場面はぜひ映画館の大画面で見てもらいたいところ。
ライトモチーフもこの二作目で完成した感がある。

ならば三作目の「大魔神逆襲」はやや変化球か。
この作品のみ巫女のような女性が登場せず、祈るのは子供。
「逆襲」の祈りのシーンは伊福部昭の「サロメ」の後半と同じ曲がかかり、都合4回聞ける。
魔神のしもべである鷹が登場したり、魔神が初めて腰の剣を抜くという新しいビジュアルも。
善人側が山の木こりなので侍同士のチャンバラのシーンはなく、その辺少々過去二作に比べると物足りない。
また群衆シーンもなく本編部分のスケールがダウンしているのは否めない。
しかし前半子供達が山越えをするシーンなどの場面場面の音楽は過去二作品よりむしろ色彩豊か。
見せ場の魔神の木造建築大破壊も雪が降る中という新しい絵で変化を見せている。

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大魔神はこの昭和41年の3作以降製作されていない。
20世紀の終わりに復活するという新聞記事(日刊S)を読んだが
記憶では舞台はメキシコという設定だったよう。
まあ復活の最大の障害は「大魔神は一回しか出られない」という設定の問題が大きいと思う。
つまり現代の映画の多くがそうである「前半の見せ場」を作りづらい。
これが大魔神復活へ向けてクリアされるべき大きな問題ではないかと考える。

大魔神
監督:安田公義
特技監督:黒田義之
音楽:伊福部昭
出演:高田美和、二宮秀樹、藤巻潤、遠藤辰雄

大魔神怒る
監督:三隅研次
特技監督:黒田義之
音楽:伊福部昭
出演:本郷功次郎、藤村志保、内田朝雄

大魔神逆襲
監督:森一生
特技監督:黒田義之
音楽:伊福部昭
出演:二宮秀樹、早川雄三

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