「太平洋奇跡の作戦 キスカ」

太平洋奇跡の作戦 キスカ [DVD]

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昭和40年東宝・モノクロ
製作:田中友幸、田実泰良
監督:丸山誠治
脚本:須崎勝彌
原作:千早正隆
特撮監督:円谷英二
特技撮影:有川貞昌
音楽:團伊玖磨

出演:三船敏郎、山村聡、中丸忠雄、田崎潤、児玉清、藤田進、土屋嘉男、平田昭彦、
黒部進、佐藤允、久保明、志村喬、西村晃、他

<あらすじ>太平洋戦争中のアリューシャン列島・キスカ島に約5,200名の日本兵が足止め状態になる。
軍部は「ケ号作戦」による撤退作戦を立案するが、島の周囲はアメリカ軍に包囲された危険地帯だった。
しかし司令官に任命された大村少将は霧に乗じて敵の目を欺く救出作戦を実行する。

09年5月、浅草で見る。
モノクロの戦争映画、実際の作戦を元に作られただけにドキュメンタリーみたいな出来。
昭和40年の作品というと、戦後20年。
まだまだ戦争経験者が健在な時代で、
この一件に関わって戦後生き延びた方ももしかしたら映画を見ているのではないか、と考える。
ただただ作戦の進行を描いているだけに、女性が全く登場しない。
片足の傷痍軍人の場面などリアルで、本当に足を失った人を使ったのではないか、と考えてしまう出来。
霧の海を航行する船団の映像は円谷特撮の真骨頂。
キスカ島の兵士はいつ来るかわからない救援隊を待って毎日夕刻2時間、海岸に集結する。
今日も来なかった、と解散する光景に後ろの客が「切ない映画だなあ」とつぶやいた。
気象を予報する担当の児玉清が初々しい。
脱出作戦敢行時は努めて明るく描かれているような感じがする。
これも実際にこの件に関わっていた人が存命していることを考慮してのとなのだろうか。
最後は日本軍がいなくなった島に説明の文章がかかって終わるが、
誰もいない島にドカーン、ドカーンと爆撃があるというラストでもよかったのではないかと思う。
実際、上陸した米軍は同士討ちをしてしまい、
島にいたのは日本軍が残した犬2匹だけだったという。

(09.0614)

【追記】
規律を乱して中丸忠雄に鉄拳制裁される兵士の一人が阿知波信介(ウルトラセブンのソガ隊員役が有名、07年死去)。
ウィキで調べてみると「キスカ」がデビュー作だったそう。
非常に若々しくていい笑顔が遺されている。
別な意味で切ない。


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