マタンゴと小説「マタンゴ 最後の逆襲」



マタンゴ
1963年東宝
監督:本多猪四郎
原作:ウイリアム・ホープ・ホジスン「闇の声」
原案:星新一、福島正美
出演:久保明、水野久美、土屋嘉男、小泉博、佐原健二

<あらすじ>急な天候の変化でヨットが漂流して無人島に流れついた男女のグループ。
島で発見した難破船に移り住み少ない食料で飢えを凌ぐ彼らの前に、
夜毎島の奥から謎の怪人が訪れ難破船の中を徘徊してゆく。

2グループに分かれた漂流者同士の心理戦が面白い。
飢えが彼らの結束を少しずつこわしてゆく。
難破船から話が始まって次第に体が変形するっていう話はP.ウェラー主演のハリウッド映画「リヴァイアサン」に近いか、
もっともこちらマタンゴのほうが古い。
キノコが島の固有種なのか、放射能による突然変異なのか。
そもそも難破船は何の目的があったのかなどいくつかの謎はまったく明かされないがそれがかえって不安感を引き立てている。
「ドクター・フー」或いは「死神博士」こと天本英世が扮したとされるマタンゴの怪人は恐怖感満点。
ラスト近く、キノコに変化してゆく過程の水野久美は毒々しいまでの妖艶さ。
島を脱出したが一般社会では病院に隔離された久保明扮する主人公村井の行く末は・・・。

(1995.0805の日記を元に再構成、2004.0429)

2010.0119追記
見返すといろいろと発見があります。
土屋嘉男が水野久美に助けを求めて下半身にすがりつくシーンなんかは、
ガス人間が久美さまのお尻思いっきり揉んでますぜ。

あと土屋が空腹の後ようやくキノコを口にした時の恍惚感のイメージ、
なんでキャバレーでダンサーが踊ってるシーンなんだろ。
そゆわけでサービス的?なお色気シーンもあります。


【小説・マタンゴ 最後の逆襲】

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08年2月、角川ホラー文庫より発売された小説「マタンゴ 最後の逆襲」を読む。
作者は吉村達也、東宝の使用許諾をとっての作品だそう。
内容は映画の後日譚。
変わり果てた村井も登場する。
謎の生物「マタンゴ」を生物兵器という観点から研究しようとする某国。
その謀略に翻弄される人々を描く。
クライマックスに近づくにつれ映画の怪奇な雰囲気は失われてゆくが、話のつじつまは合っているよう。
太陽黒点、スペースシャトルなど新しいキーワードも見られる。
マタンゴ好きなら読んでもいいと思う。
東宝が長澤まさみ主演でこの小説を映画化する、っていう話は今のところ聞いてない(笑)。

(2008.0329)



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