「ミカドロイド」力強い小品。

ミカドロイド [DVD]

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1991(平成3)年東宝、円谷映像、東北新社
原作、脚本、監督:原口智生
特技監督:樋口真嗣
音楽:川井憲次
監修、題字:実相寺昭雄
出演:洞口依子、吉田友紀、森本レオ、渥美博、伊武雅刀、毒蝮三太夫

<あらすじ>
第2次世界大戦末期、帝国陸軍が本土決戦に備えて研究していた
戦闘用サイボーグ「ミカドロイド」ことジンラ號が漏電により現代に復活。
電気修理工の若い男とギョーカイ人っぽい女を地下の研究所跡で追っかけまわすが、
ジンラ號の復活に呼応するかのように謎の男たちが現れ男女を救出する。

内容はシンプルだが見ごたえがあった。
「ガス人間第一号」などの東宝の変身人間シリーズをしっかり踏襲していて、
旧帝国陸軍に戦闘兵器として改造された男たちの悲しみが重々しく息づいていた。
ジンラ號の古めかしいデザインもよい。茶色っぽいボディの色は鉄さびを表現しているのだろうか。
オープニングのモノクロ映像でのジンラ號製造中止の箇所も簡潔であるが的確な説明になっている。

地下の駐車場で女性の犠牲者がジンラ號の日本刀で切り刻まれて、
服が落ちて裸で血だるまになって壁にぶつかると、
その血が壁に人間の形にプリントされて
もともと壁に描かれているキース・へリング風の壁画の一部のようになってしまうのは少々ユーモラスだが、
全体の重々しさのせいか笑えない。

クライマックスで謎の男が仕掛けた最後の攻撃「背中鉄の爪」、これがいまいちわからない。
多少の不明点はあるが作品全体になにかこう力強さが感じられる、小品だが見る機会があれば必見。
(1994・0912の日記を元に再構成)


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