なぜか楽しきナンセンス
「座頭市(北野武監督版)」

座頭市 <北野武監督作品> [DVD]

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2003年日本

いやー、やられた。
面白い。
実は北野作品は初めての観賞なのですが。
結構ストーリーは錬れている。
みんな過去に一物持っているキャラだし。
それでいて市だけが過去に触れられていない。
市がなぜ金髪なのか?という疑問には漠然としながらも答えている。

米問屋の幼い姉弟が一家全員盗賊の襲撃を受けて殺されたのに
縁側の下に隠れて(しかも肉親が殺される時の音を聞かされる)生き残り復讐するっていうネタは
昨日観たキル・ビルのルーシー・リュー扮するイシイのエピソード(アニメパート)とほぼおんなじ。

殺陣はスピードがすごい。
それから随所に見られる「叩く」「踏む」という行為によるリズム。
そう、この作品の骨子はスピード&リズムかも知れない。

各人の「芸」にも注目。
メディアの露出度が多い下駄タップ、なかなかに。
独楽回し、一人ふすま。
浅野忠信のワンカットによるたすき掛け、凛々しい。
そして橘大五郎の女形、これは素晴らしい。
人を引きつけるものがある。
あれで十代とは、末おそるべし。

「座頭市」の突っ込みどころ    
大楠道代演ずるおばさんの家の周りを毎日「走って」ぐるぐる回っている
ちょっと頭の弱そうな坊主、
毎日走っているにしてはぽっちゃり体型、
肉もついているし日焼けもしてない色白。

(2003・1103 イビジェカフェ、映画カフェ)

追記:07年6月テレビ朝日の放送で再見。
ラストの下駄タップのシーンで姉弟が踊りながら一瞬子供の頃の姿に戻るシーンがあるが
仇を探す十年の旅の暗い記憶が浄化されたかのよう。
(07.0610)


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